奈良放送局

2007年11月9日 20時48分更新

妊婦問題検討の報告まとまる


救急車を呼んだ妊娠中の女性が次々に受け入れを断られた問題を検証する奈良県の検討委員会は救急態勢の改善のために夜間や休日の症状の軽い救急患者の受け入れ先として開業医にも加わってもらうことなどを盛り込んだ最終報告をまとめました。

これは9日開かれた5回目の検討委員会でまとめられたものです。このうち症状の軽い患者の夜間や休日の受け入れについては開業医にも持ち回りで担当してもらうとしています。
現在は本来、症状の重い患者を担当する2つの県立病院が症状の軽い患者も受け入れているため、緊急の手術などが必要な患者がいても受け入れられないことがあるのを改善するのが目的で奈良県内の産婦人科の医師十数人がすでに協力を表明しているということです。また今回の問題では妊婦にかかりつけの医師がおらず妊娠後の経過などがわからなかったため受け入れ先が見つかりにくかったことから、かかりつけ医がいない妊婦を搬送する場合、どのような症状が見られたらどの医療機関に連絡するかを症状ごとに定めた救急隊員用のマニュアルも最終報告に盛り込まれています。
更に今回の問題では救急隊と病院の意思疎通の不十分さが指摘されたことから妊婦の受け入れ先を探す専従のコーディネーターを置くことも盛り込まれました。

最終報告について荒井知事は「この内容を実行できれば同じような問題の発生を減らすことができると思う」と話しています。
委員会は今後、作業部会を作って救急態勢の整備や産婦人科の医師不足などについて更に具体的な対策を検討することにしています。