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処方せん:様式見直しへ 安価な後発薬の普及図り 厚労省

 厚生労働省は9日、中央社会保険医療協議会(中医協)小委員会で、08年度の診療報酬改定で処方せんの様式を見直す方針を示した。後発医薬品の普及を図るためで、「後発医薬品への変更可」とあった医師の署名欄を、「後発医薬品への変更不可」へと改め、後発薬への変更が認められない場合に医師が署名する様式に改める。日本医師会が反対してきたが、同日の中医協で委員の竹嶋康弘・日医副会長は賛成する意向を表明した。

 後発薬を多品種そろえるにはコストがかかるため、厚労省は一定割合以上の後発薬を調剤した薬局に調剤基本料を上乗せする方針も示した。

 医師が指定した銘柄の後発薬がない場合、患者の同意があれば、薬剤師は医師に相談せずとも別銘柄の後発薬を調剤できるようになる。変更すれば支障があると判断した医師は、処方せんに記した銘柄の横に「変更不可」と記す必要がある。

 このほか厚労省は、省令の規則に、医師や薬剤師に対して後発薬使用の努力義務規定を設ける。後発薬を処方すれば処方せん料が加算される現行制度は廃止する。

 後発薬は、特許切れの新薬と成分、効能が同じ前提で製造が認められ、価格が安い。政府は12年度までに後発薬のシェアを30%以上(現在17%)とする方針。後発薬を広める目的で06年度に導入された現行の処方せん様式は、後発薬の調剤に医師の署名が必要なため、効果は今一つだった。【吉田啓志】

 ◇  ◇

 日本医師会の中川俊男常任理事は9日、処方せん様式の変更に賛成する方針に転じた理由について、9、10月に日医が行った病院対象のアンケートの結果、先発医薬品と後発医薬品の間に信頼性に関する決定的な差が見られなかったことなどを挙げた。中川氏は「これによって浮く財源を勤務医不足対策に回すことも含め、総合的に判断した」と語った。

毎日新聞 2007年11月9日 18時22分

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