厚生労働省は7日、06年度から処方せんに「後発医薬品への変更可」と記した医師の署名欄を作ったことが、どの程度後発薬の普及につながっているかを調べた結果を公表した。「変更可」欄に署名があった処方せんは17.4%だったが、うち実際に後発薬が処方されたのは8.2%で、処方せん全体でみると1.4%にとどまった。この結果を受け、同省は、9日の中央社会保険医療協議会に、08年度以降は医師が「後発薬への変更不可」と判断した場合のみ署名する様式に変更する改革案を提示する。
7月に実施した調査によると、回答した583の保険薬局が扱った処方せんは75万5545枚。うち、後発薬処方に結びついたのは1万709枚だった。
変更できなかった理由には、在庫不足や患者の後発薬不信があり、厚労省は08年度の診療報酬改定で後発薬の在庫を300品種以上そろえた薬局への加算措置などを検討している。さらに、これまでは医師が「イエス」と判断しなければ、後発薬への変更につながらなかった処方せんの様式を改め、医師が「ノー」と言わない限り、薬剤師は患者に後発薬を出せるようにすることで、普及を図る方針だ。【吉田啓志】
毎日新聞 2007年11月7日 18時30分