関東学院大学のラグビー部員2人が、大麻を栽培していた疑いで逮捕された。
もちろん、まじめに学問を研究・発表し学ぶ生徒も多い(撮影:南瑠衣) しかし、この大学ラグビー部員での事件は「またか」といった感じだ。1998年には帝京大学のラグビー部員が集団婦女暴行事件を起こし、2003年には早稲田大学のスーパーフリーというサークルによる集団婦女暴行事件もあった。早稲田大学は今では野球のハンカチ王子により、その事件の重大性も取り扱われなくなった。こういった大学生の犯罪は多々あるが、今回の大学ラグビー部員が大麻を栽培していたというのはどういうことなのだろうか。 以前、関東学院大学ラグビー部監督は講演会で熱心に「ラグビー指導と教育と学生の心構え」のようなことを熱く語られていた。 大学内からラグビー部グラウンドを撮影(撮影:南瑠衣) 関東学院大学のラグビー部のグラウンドは芝が整備され、トレーニング室もあり、練習環境は選手からしてみれば最高の環境下である。その中で大麻栽培といった事件だが、生徒は大麻をどこから入手したのか、そして、大学側の管理の責任も問われる事態である。 関東学院大学は、POPアーティストである「アジアンカンフージェネレーション」いわゆる“アジカン”の出身大学でもある。 そして、恥ずかしながら記者自身の出身大学でもある。大学に在学していたころから、関東学院大学はラグビーと駅伝の強さを売りにしてきた。それこそ、三流大学の証拠であるが、学問を学ぶところであるならば学問の質や教授や講師の質の高さ、研究の高さを売りにすべきではないか(在学中はそう感じたのだ)。 いや、三流大学と上記で表記したが、下流大学かもしれない。ラグビー部員であるだけで、授業参加が免除され、単位も大目に見てもらえる措置などいわゆる「特別扱い」もあったと感じた(なので、学内でのラグビー部員の態度の悪さは目に余るものがあった)。 今、80万部の大ベストセラーになっている『下流社会』(三浦展・著)をほうふつさせるような大学に成り果てたといっても過言ではない。下流大学は、ガキのたまり場。それこそ、モラトリアム期間を過ごす場所にはちょうど良いのだろうが、それにしてもその期間で大麻栽培ということに費やしてしまい、ラグビーをおろそかにし犯罪行為をしてしまった。 今回の容疑者2人はラグビー特待生であったのだろうか否か。そこも重要な点である。また、かわいそうなのは、入学金と授業料を納めてきた容疑者の親である。もし、学生自身が払っていたとすれば自業自得であると思うが。 それにしても、お粗末極まりない母校の事件である。だから、ラグビーは嫌いである。ラグビーファンには大変失礼だが、昨今のラグビーに対するイメージが婦女暴行、犯罪予備軍、礼儀知らず、筋肉ばかというイメージしかない。力でどうにかなる、と思っている者も多く、ラグビー部員の卒業後は警備会社か警察機関などいわゆる体育会系が評価される企業に決まるのだ。 事件を起こした容疑者2人の学部学科はなんだったのだろうか。決して、関東学院の学生全員がそういったことをしている訳ではない。授業や研究に励む学生も多く、地域活動に根ざしたごみ拾いを行うサークルさえある。しかし、今後こういった一部のラグビー部員によって、大学・在校生・卒業生の全体が同じような目で見られてしまうことが危惧(きぐ)されている。今後の後輩たちの活躍に期待したいが、あまり期待はしていない。とともに、出身である自分自身を恥ずかしく思う限りである。
総合2点(計3人)
※評価結果は定期的に反映されます。
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