インタビュー:オートバックス<9832.OS>CB発行、既存株主に条件悪い=シルチェスター会長

2007年 11月 8日 17:43 JST
 

 [東京 8日 ロイター] オートバックスセブン(9832.OS: 株価, ニュース, レポート)による転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行差し止めを求める仮処分を申請した英投資顧問シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ(ロンドン)のスティーブン・バット会長は8日、ロイターとの電話インタビューに応じ、同CBの発行は既存株主にとって条件が悪いと語った。

 同会長は、今回のCB発行によって、ファンド2社が拒否権を持てる規模の株式を取得することになると指摘。そのような株主が第三者割り当て増資を通じて大株主になり、株主総会の承認を経ないまま登場するのは適切でないと述べた。

 

 シルチェスターは、豊富な手元資金や含み資産にくらべて割安な銘柄に投資をするバリュー投資家で、オートバックス株を約4.6%保有している。オートバックスはM&A(合併・買収)拡大の資金を調達するため、ファンド2社を割当先とする総額650億円のCB発行を計画しているが、シルチェスターは11月6日、東京地裁に対し、発行差し止めを求める仮処分を申請した。CBの発行日は12日となっており、差し止め請求の結果は9日までに出るとみられている。

 バット会長とのインタビューの主な内容は以下の通り。

 ──シルチェスターは、いつからオートバックスの株式を保有しているか。

 

 「初めて投資したのは1998年5月で、9年半オートバックスの株主だ。いまは約4.6%を保有している。過去6年間、3%超を継続的に保有してきた」

 

 ──現時点の運用資産の規模と日本株投資の残高は。

 

 「運用資産の残高は232億ドル(約2兆6000億円)で、主に年金、宗教法人や財団などから受託した資金を運用している。日本株投資では(5%未満の保有比率も含めると)約60社の投資先があり、投資残高は7000億円を超える」

 

 ──なぜオートバックスのCB発行に反対なのか。

 

 「CB発行により、重要事実を決定できる株式数(発行済み株式総数の3分の1超)を保有する株主に異動が生じる。これは適切ではないと判断した。CBが発行されると、SKアドバイザリーと、ARCMという名称のヴァージン諸島にある実態の分からないファンドの保有比率が合計で36%に達してしまう。こうした異動が、既存株主の承認なしに行われるのは適切ではない」

 

 ──転換価格の水準やクーポンなど今回のCBの発行条件は株主にとって有利だと思うか。

 

 「今回のCB発行の結果、ある特定の株主の保有比率が(株主総会で)拒否権を行使できる規模になる。通常このようなケースでは、もっとプレミアムがついてしかるべきだと思う。同社の株価のバリュエーションは過去約20年の間で最低の水準にあるほか、純資産との対比でも約40%という大幅なディスカウントだ。現行の株主にとっては極めて条件が悪い」

 

 ──オートバックスは調達した資金をM&Aに使うと説明している。株主としては反対か。

 

 「学識者の研究や分析をみると、M&Aでは買い手企業の株主に不利な展開になることが多いとされる。オートバックスは、M&Aの経験が豊富ではなく、海外事業もうまく経営できているとは決して思えない。たとえば同社がフランスで展開している事業は株主として満足できない」

 

 ──今回、発行差し止めの仮処分申請が却下されたら、保有するオートバックス株はどうするか。

 

 「特に計画はない。その時に状況をよく考えて判断しようと思う」

 

 ──仮処分申請が却下されたら、日本株投資について考え方を変えざるを得ないか。特定の株主に有利な第三者割り当て増資が安易に実施されるなどと、危機感を感じるか。

 

 「今回はオートバックス特定の問題であり、日本株投資のスタンス全体の話ではない」

 

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