愛知会長記者会見要旨について

2005年9月23日
 日本バスケットボール振興会
   理 事 長  二 宮 正 行
  今般、日本バスケットボール振興会新会長に就任した愛知和男が9月15日、記者会見をおこない、抱負を述べましたが、一部に異なる趣旨の報道がなされ、バスケットボール界に混乱をもたらしておりますことは誠に遺憾であります。
  会長発言の要旨は、下記の通りでありました。
  当日の質疑応答の概要とあわせてご理解賜りますようお願い申し上げます。


愛 知 和 男 会 長
(略歴)
1937年7月20日   東京都品川区生れ
1961年        東京大学法学部卒業
1961年〜76年    日本鋼管勤務
1976年〜2000年  宮城一区より衆議院初当選
             以後、連続8期当選
             環境庁長官、防衛庁長官他歴任
1985年〜86年    日本バスケットボール協会専務理事
1987年〜90年        〃        副会長・専務理事
2005年9月      日本バスケットボール振興会長
             衆議院9期目当選し政界復帰
             所属党派 自由民主党

日   時    平成17年9月15日(木)  15:00〜16:00
場   所    東武ホテル(渋谷)   


[会長発言要旨]

 9月5日振興会総会決議、自己経歴(別記)披露の後、以下の発言。

 バスケットボールは世界的の3大メジャースポーツのひとつになっているが、日本ではマイ
ナースポーツの域を出ていない。競技レベルも過去オリンピックに出場したころに比べて、
世界に近づいたどころか、むしろ後退している。
このような状況を見てバスケットボールのメジャー化に努力する意欲を強く持つに至ってい
る。競技レベルがなかなか向上しないのは、日本のバスケットボール界のどこかに問題があ
るのではないかと思っている。アジアでも韓国、フィリピン、台湾、中国はバスケットボールの
メジャー化が進んでいるのに、同じアジア民族である日本だけが遅れをとっているのは、どう
みてもおかしいと思う。

 振興会会長として今後の具体的方針を述べさせていただく。
今まで振興会はどちらかというと親睦団体的な色彩が濃い団体であった。
バスケットボールのメジャー化に向けてその社会的役割を果たすために、法人格を持った組
織にしていく。当面はNPO法人とするのが現実的であると思う。 法人格を持った組織にし
て社会的にも認められる位置づけを強化したい。

 日本協会の運営についても、意見具申などを積極的にやっていきたい。
日本協会には常任顧問がおり私もその一人だが、最近常任顧問会が開かれたことはな
い。
組織の運営者は時として諸先輩の意見を聞くことも必要なことと考える。
報道されているとおり協会はゴタゴタしていて、文部科学省から注意を受けている。
このような時は常任顧問会を開催してアドバイスを受けるべきだ。
バスケットボールのメジャー化は協会がしっかりしてくれなければ進まない。

 次にプロリーグの問題についてである。プロリーグはバスケットボールのメジャー化にとっ
て大事なことで、早急に進めるべきである。サッカーを例に取ればお分かりのとおり、プロリ
ーグを持つことはそのスポーツのメジャー化につながると思う。バスケットボールも過去にプ
ロリーグについていろいろ検討してきたが、一向に進まなかった。文部科学省の監督のもと
"社団法人日本プロバスケットボール協会"を設立して、プロリーグを運営するのが良いと考
える。私はプロ協会設立のために積極的な役割を果たしたいと思う。
 
 2006年8月にさいたま市を中心に世界選手権が開催されるが、それまであと1年を切っ
ている。にもかかわらず資金の問題を含めて、その準備はあまり進んでいないようだ。 どこ
に問題があるのか至急調べてみたい。 日本チームの決勝リーグ進出は、日本で開催され
る大会を成功させるために是非必要なことだが、最近の日本チームの成績不振ははなはだ
しく、大変心配している。 この点についても何故そうなのか協会に問いただして、強化のた
めの意見具申をしたいと思っている。

 2008年北京オリンピックのアジア予選が2007年に開催されるが、中国は開催国とあっ
てアジア予選に出場しないと思われるので、32年ぶりのオリンピック出場に向けて日本にと
っては絶好のチャンスであり、ぜひとも北京オリンピックに出場できるようにしたい。
現在そのアジア予選の開催国が検討されているが、なんとか日本で開催したいものであ
る。 いまのところ韓国が開催国として立候補しているそうだが、韓国での開催となれば日
本は不利になる。

 今バスケットボール界は改革が必要なときにきている、改革すべきところは徹底的に改革
してバスケットボールを日本におけるメジャースポーツにするために振興会の会長として全
力をあげていく決意である。


[質疑応答要旨]

Q:  プロ化の話があったが、日本協会は設立準備委員会を発足させたばかり、
一方bjリーグは11月に開幕する。日本協会は独立リーグに否定的な見解を示したが、どのようにプロ化を進めるのか?

A: 社団法人日本プロバスケットボール協会に一本化して進めることがよいと思う。  幸い私は以前議員だったころ、文教委員長として文部科学省に貸しがあるので、社団法人設立に文部科学省を協力させることはできると思う。
  Q:  bjリーグにはすでにチームができているし、現在のJBLチームも将来プロに転向するチームがあるという。
プロの一本化というがチームはどうするのか?

A: プロリーグ運営のためにはフランチャイズとそこの行政との協力体制が必要であり、私はその協力体制作りにつくしたい。既存のチーム、新規のチームを問わずリーグに参加するチームを募ったらいいと思う。 私は横浜の中田市長と懇意だが、先日彼に会ったときプロバスケットボールチームを横浜で持つことを提案したら大変乗り気だった。

Q: 日本協会のことを質問する。会長人事問題、2006年世界選手権問題、女子の監督問題など、もめていることが多い。これらをどう思うか?

A:  大変憂うべき問題と捉えている。協会内部だけで解決しようとしないで、常任顧問会を開いて相談するべきである。会長人事問題について言えば一度評議員会で決まったことが逆転する。評議員会で決まったことが逆転したとき、それを仕組んだ執行部に対して評議員会はなぜ更迭を求めなかったのか?最終的に決まった会長は87歳と大変高齢であるし、運動関係の業者の長であることを考えると異常だと思う。
今の協会の姿勢では日本のバスケットボール界の改革はできないと思う。日本の強化を含めて2006年世界選手権の準備などについては、解決への具体策を協会に問いただしてみたい。

Q: しつこいようだが、現在協会はbjリーグと対立している。プロの一本化ということはbjリーグと協会のプロ化を仲立ちするということか?

A: プロリーグの一本化とは単に協会とbjリーグを統合するということではない。
新 しく一本のプロリーグ立ち上げるということである。日本協会プロ化検討委員長の民秋さんにも会って意見交換をしたが、彼も「プロリーグは社団法人でやるのが一番いい」という意見だった。
日本協会は財団法人なので、日本協会の中に社団法人たるプロリーグを作れるはずはない。 そこで私は「日本協会から独立した社団法人を作ってやるしかないと思う」と意見具申しておいた。
  プロの一本化はbjリーグも望んでいると聞いている。私は大所高所からバスケットボールのあるべき姿を描いて話をしている。
                                                 以 上

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