串本町は7日、町民対象の町政懇談会を始めた。初日は田原地区で、13人が参加。新病院の建設計画や2次合併が話題になった。 町が現在抱える重要課題を説明し、町民の意見を聞くのが目的。25日まで13会場で開く。 松原繁樹町長が、町内の串本、古座川両病院を統合し、2010年5月にサンゴ台に開業予定の新病院建設▽候補地の選定をめぐり、1年半足踏み状態が続いている紀南広域の廃棄物最終処分場計画▽移転先が決まっていない、し尿処理場の建設▽県から新宮東牟婁地方6市町村の合併構想が示されている2次合併―など8つの重要課題について説明した。 参加者が最も関心を示したのは新病院の建設。現在の町内2病院や周辺の病院の状況から、医師が十分に確保できるか、赤字運営にならないかを心配する声が出た。串本町古田の浄水場の建て替え事業も示し、厳しい財政状況の中で大型事業が計画されていることを心配する意見もあった。 町は新病院について「全国的に医師不足だが、確保に努力し、安心してもらえる病院にしたい」と強調。建設費については合併特例債や病院事業債で賄うことを説明した。 2次合併は、2010年の法期限内に合併するとすれば、年内に意思決定しなければならない。町は「広報で紹介したが、町民の関心は低い感じがする。合併をしたばかりで、また合併なのか、という声も聞く」と説明し、参加者から意見を聞いた。 参加者からは「合併することで町民に余計に負担が掛かるのではないかと思う」「高齢者を大事にする町になるのか疑問」と合併に慎重論を唱える声が出た一方、「小さな合併ではなく、大きな合併が必要だと考える人もいる」という意見もあった。 町は各会場で町民から意見を聞き、重要課題への対応など今後の行政運営の参考にしたいという。