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ACL決勝のアウェー戦を終え、チャーター機で帰国したワシントン(右)ら浦和イレブン [写真を拡大]
7日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦でセパハンと1―1と引き分けた浦和は8日、イラン・イスファハンからチャーター便で帰国した。しかし同乗予定のサポーター139人が、乗り継ぎ便の問題で中継地に“置き去り”となるトラブルが起こった。これに付随し、チームも約4時間、ドバイ空港で足止めを食った。被害を受けたサポーターは9日に帰国予定だが、被害総額は4000万円にも上る見込みだ。
死闘で疲労困ぱいの赤い悪魔を待っていたのは、忠誠心厚いサポーターの悲劇だった。浦和はイスファハンからチャーター便で中継地のUAE・ドバイに到着。ところが「社長大変です。イランからの飛行機が消えました…」と藤口光紀社長に凶報がもたらされた。西鉄旅行が募集した0泊3日の「弾丸ツアー」組139人を乗せたチャーター機が、空調故障を起こしたのだ。
総勢250人のサポーターとチームは、イスファハンから3つの便に分乗。ドバイで合流して日航機で帰国する手はずだったが、第1便が出発後に緊急Uターンを強いられた。想定外の事態に、空港ラウンジで緊急幹部会が開かれた。
選手は疲労のピーク。イランを再び出発した第1便を待っていては、8日中の帰国ができない。結局、ドバイで4時間足止めされたあげく、1時間遅れで日本へ向かったが、帰国便では同乗できた111人のサポーターに対し、藤口社長が「空調の故障では仕方がない。選手の体調も考えてご理解賜りたい」と機内アナウンスで状況を説明する前代未聞の事態も起きた。MF鈴木啓太は「イランという場所まで一緒に行って、戦ってくれた仲間。最後まで一緒に帰ってきたかった。残念」と唇をかんだ。
チームでは被害者の宿舎と帰国便確保などの対応で由井常務が残留し、全員分の9日中の帰国便を押さえた。139人のうち65人はクアラルンプール経由で、他にもドバイ経由や名古屋空港着で帰国する。だが、断食月明けでドバイのホテル価格が高騰する中、スイートルームを提供。正規価格の航空機代も含め、損害額は合計4000万円にも上る見込み。藤口社長は「誠心誠意対応したい」と話した。航空各社、Jリーグ、西鉄旅行社などで折半予定だが、2冠を目前に浦和が心身両面で打撃を受けた。
(2007年11月9日06時06分 スポーツ報知)