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2007年11月8日(木) 19:15 |
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男性不妊症の原因解明への糸口発見
男性不妊症の原因解明への糸口となる発見です。精巣の中で精子が作られる時に重要な働きをしているたんぱく質を、岡山大学の研究グループが発見しました。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の山田浩司講師らの研究グループは、精子の成熟過程を研究しています。 今回発見されたのは、これまで脳の神経細胞で機能することが知られていたアンフィファイジンと呼ばれるたんぱく質が、男性の精巣の中で重要な働きを担っているということです。 精子は精巣の中にあるセルトリ細胞と呼ばれる場所で成熟していきます。うまく成熟できなかった精子細胞は、ここで取り込まれ排除されます。また、精子の頭の部分についた余分なたんぱく質がここで取り除かれ、精子が精巣から出ていきます。 遺伝子操作で作られたアンフィファイジンを持たないマウスの精巣と、正常なマウスの精巣を調べると、正常なマウスではうまく成熟できなかった精子細胞が取り込まれていますが、アンフィファイジンを持たないマウスでは、この作用が見られませんでした。アンフィファイジンが精巣内で働くというのは世界で初めての報告だそうです。 男性不妊症のメカニズムには、まだわからない部分が多く残っていますが、このアンフィファイジンによる消化作用は成熟した精子を多く作り出し、精子が精巣から出て行く上で重要な働きをしていると考えられています。 不妊症に悩む夫婦のうち、男性側に原因があるケースは2〜3割といわれています。ヒトの不妊治療への応用にはまだ課題が多いですが、これからの研究に期待がかかります。
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