ユニークな踊りで知られるひょっとこ踊りは、江戸時代から五穀豊穣を願って、また、庶民の娯楽として各地で演じられてきました。
九州では宮崎県日向地方が発祥といわれていますが、実は福岡県筑前町にも全国大会で優勝するほどのグループがあり、人気者となっています。
何と、下田文代記者がひょっとこ踊りに挑戦してみました。
秋空のもと、会場を沸かせているのは、「日向ひょっとこみわ愛好会」のメンバーです。
これほど会場を沸かすひょっとこさんたち。
一体どんな素顔なんでしょう。
農家に嫁いで33年の小島好美さん。
慣れない農作業に苦労する日々もありました。
この女性は、姑の介護が一段落して会に参加しました。
自動車販売会社を経営する姿からは、ひょっとこ姿は想像できません。
そのうわさのリーダーは、「小学校の給食のおばちゃん」でした。
7年ほど前、興味を持った桑野さんが知人から踊り方を教わり、周囲に声をかけたところ、あっという間に人が集まりました。
今では7歳から、70代までの男女30人が、週に1度練習をしています。
練習でも、ひと踊りで10分続きます。
これほど息が上がるのはお面のせいでもあります。
目や鼻、口の穴が小さいので、呼吸がしにくいのです。
激しい動きで面がずれ、顔をすりむいたりします。
私も、踊り方を教わりました。
このひょっとこ踊り、最初は桑野さんが趣味で始めたものでしたが、2004年には、宮崎県で行われた「日向ひょっとこ夏祭り」で最高賞の大賞を受賞。
そして今年も金賞を受賞しました。
大会24年の歴史で、宮崎以外のチームが大賞や金賞を受賞したのは初めてのことでした。
こうした「実績」が評判を呼び、愛好会のメンバーは色々なところから「お呼び」がかかるようになりました。
もちろん、地元の秋祭りでは一番人気です。
元気で明るい踊り手たちは、見ている人からもエネルギーを得て、すべてを笑顔にしていました。