市民団体「市民オンブズマン北九州」は8日、北九州市が市議会議長の公用車を1118万円で購入したのは不当だとして、購入予算を市議会に提案した末吉興一前市長に損害賠償請求するよう、北橋健治市長に勧告することを求める住民監査請求を市監査委員に申し立てた。
対象は06年12月に購入したトヨタレクサスLS460。排気量4600ccのV型8気筒エンジンを搭載するレクサスの最上級車種で、00年に購入した日産プレジデント(購入額799万9800円)から買い替えた。
オンブズマンによると、全国17政令市の議長公用車の平均購入価格は662万円で、北九州市は最高額だった。一方、北橋健治市長の公用車は02年12月に495万円で購入したトヨタクラウン。オンブズマンの我那覇東子弁護士は「税金無駄遣いに敏感であるべき議会の姿勢として疑問だ」と批判。監査請求が認められなければ住民訴訟を起こすことも検討している。
市議会事務局の三坂敏博次長は「市の重要なお客様を乗せる目的も兼ねている。用途に適した車と判断した」と語った。公用車にはこれまで、市を訪問した高円宮妃久子さまと韓国・仁川市の副議長が乗車したという。
自治体の公用車は、価格が高く燃費も悪い黒塗り高級セダンからハイブリッド車などに買い替える動きが全国で広がっている。宮崎県の東国原英夫知事は職員と共用のハイブリッド車を使っている。【平元英治】
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