今月5日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、前の週から4.9円も上がり、149.9円。1987年の統計開始以来の最高値だった今年8月の145.4円を大きく上回った。全都道府県で上昇し、東京など22都府県ではすでに150円を突破した。
急上昇の直接の要因は石油元売り各社が11月出荷分から卸価格を一気に6円程度引き上げたことだ。これまでは卸価格が上がってもガソリンスタンドでは競争が激しいため、店頭価格の大幅値上げを我慢してきたが、今回は右へならえで店頭価格に転嫁した。これまで値上げできなかった分も含めて、1リットル当たり10円以上引き上げたガソリンスタンドもあるようだ。
12月分の卸価格も引き上げられるとみられ、全国平均のガソリン価格も来週には150円突破が確実視されている。
一方、原油先物価格も7日のニューヨーク市場の時間外取引で一時1バレル=98ドル台まで上昇するなど高値を更新中で、市場関係者の間では、「今後は120ドル−130ドルまで上昇する」との観測すら広がってきた。
原油価格が上昇すれば、当然ながら原油を精製してできるガソリン価格も上昇する。
一般に、為替が1ドル=110円前後の場合、原油価格が1バレル当たり1ドル上がると、ガソリン価格にかかるコストは1リットル当たり約0.7円上がるといわれる。原油価格を7日のニューヨーク原油の終値96ドル、ガソリン価格を150円で試算すると、原油が120ドルまで上がるとガソリンは168円、130ドルまで上がると173円にまで上昇することになる。
ガソリンだけでなく、灯油価格も1缶(18リットル)が1594円と過去最高を更新し、石油製品も値上がりしている。今年の冬は身体も懐も厳しい寒さにさらされそうだ。