原油価格が1バレル=93ドルまで高騰したことで、日本国内のガソリン代も来月から6円引き上げられ、ついに1リットル=150円台に突入する。4、5年前と比べたら5割増し。これじゃ若者は車に乗れず、国内の自動車販売にも大ブレーキだから深刻だ。
防衛策は、原油価格のつり上げを狙う米国・ロシアに「バカヤロー」と言うしかないが、福田政権にそんな勇気があるわけがない。となると唯一の“特効薬”は「揮発油税」の撤廃だ。
これをやればガソリンは、1リットル=100円程度に軽減できる。
「日本のガソリンが高いのは有名ですが、それは1リットル当たり53円の税金が上乗せされているからです。うち48円が揮発油税。1974年以来、租税特別措置法で本来の倍の税率が課せられるぜいたく品課税となったのです」(自動車業界関係者)
そして、その税収は道路特定財源として、全国の道路建設にバラまかれているのは有名だが、実は来年3月31日をもって特別措置法は期限切れとなる。自民党は、テロ特措法みたいに延長を図っているが、一般財源化の問題もあって、自動車・石油業界が猛反対、野党も延長阻止の姿勢だ。
「揮発油税措置法の延長は、通常国会の最大の焦点であり、台風の目。福田政権は衆院の優位性で予算は成立できても、予算関連法の措置法は逆転参院で否決されるから、追い詰められる。“道路建設のために、ぜひ延長を”と頭を下げても、野党が“措置法をやめてガソリン代を引き下げよう”とアピールすれば、世論は野党の言い分を支持する。来春の衆院解散になれば、この問題が最大の争点になりますよ」(政界事情通)
衆院解散で自公政権が負ければ、150円のガソリン代が100円になることも可能なのだ。
来月中旬に訪米する福田首相はブッシュに「原油価格の引き下げ」を頼むしかないが、それが無理なら、年内に解散を打ってしまうかもしれない。
【2007年10月31日掲載記事】