YOMIURI ONLINE
現在位置は
です

本文です

20歳田村さん 「登竜門」優勝

「ロン・ティボー」ピアノ 明和高卒業生の快挙


田村響さん

 【パリ=林路郎】若手演奏家の登竜門として知られるロン・ティボー国際音楽コンクールのピアノ部門の最終選考会が28日、パリで開かれ、愛知県安城市出身で、オーストリアのザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学に在籍する田村響(ひびき)さん(20)が優勝した。

 世界屈指の同コンクールは、1943年にドイツ占領下のパリで創設され、チャイコフスキー国際コンクールやショパン国際ピアノコンクールと並ぶ。ピアノ部門で日本人演奏家が優勝したのは5人目で、1992年の野原みどりさん以来となる。

 田村さんはこの日、難曲として知られるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏。「20歳という若さながら極めて成熟した表現力を示した」との審査員評を得て、栄冠を勝ち取った。

 田村さんは3歳でピアノを始め、小学1年のころから国内の数々のコンクールに出場しているが、大きな国際コンクールでの快挙は初めて。

 田村さんは優勝後、本紙などの取材に、「まだ実感がないけれど、いろいろな人たちのお世話になった。まず、日本で寝ている(はずの)両親に伝えたい」と喜びを語った。

母校 「すごいね」

 田村さんは愛知県立明和高校(名古屋市東区)の音楽科出身。在学中の3年間、ピアノの指導に当たった清水皇樹教諭(40)は「当時から演奏家になりたいという強い意志を持った生徒でした。世界でその力が認められ本当にうれしい。謙虚で、優勝してもてんぐになるようなタイプではないから、将来がますます楽しみ」と喜びを語った。

 清水教諭によると、田村さんは音楽科の後輩たちにとっても、あこがれの存在だという。「学校でも生徒たちが『すごいね』と話題にしていました。とても励みになったようです」

2007年10月30日  読売新聞)
現在位置は
です