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小沢一郎・民主党代表が辞意表明(会見全文)
2007/11/04
 民主党の小沢一郎代表は4日夕方、党本部で緊急記者会見を行い、辞意を表明した。会見で小沢氏は、自民党との連立政権に関する報道により「党内を混乱させた責任を取る」ために、鳩山由紀夫幹事長に辞職願を提出したと説明した。

※以下は記者会見での小沢代表の発言全文

民主党本部での会見で辞意を表明する小沢一郎・代表(NHKニュース映像より)
小沢一郎・民主党代表の辞意表明会見(全文)

 民主党代表としてけじめをつけるにあたりまして、私の考え方を申し上げます。福田総理の求めによる、2度の党首会談で総理から要請のあった、連立政権の樹立をめぐり、政治的混乱が生じたことを受け、民主党内外に対するけじめとして、民主党代表の職を辞することを決意し、本日、鳩山由紀夫・幹事長に辞職願いを提出し、執行部をはじめとして同僚議員のみなさまに、私の進退を委ねました。

 一つ、11月2日の党首会談において、福田総理は衆参ねじれ国会で、自民・民主両党がそれぞれの重要政策を実現するために、民主党と連立政権をつくりたいと要請をするとともに、政策協議の最大の問題である、我が国の安全保障政策について、きわめて重要な政策転換を決断されました。

 そのポイントは、
 1、国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は、国連安保理もしくは国連総会の決議によって設立あるいは認められた、国連の活動に参加することに限る。したがって、特定の国の軍事作戦については、我が国は支援活動をしない。

 2、新テロ特措法案は、できれば通してほしいが、両党が連立し、新しい協力体制を確立することを最優先と考えているので、連立が成立するならば、あえてこの法案にこだわることはしない。

 福田総理はこの2点を確約されました。これまでの我が国の無原則な安保政策を根本から転換し、国際平和協力の原則を確立するものであるだけに、私個人はそれだけでも政策協議を開始するに値すると判断をいたしました。

 二つ、民主党は先の参議院選挙で与えていただいた参議院第1党の力を活用して、マニフェストで約束した年金改革、子育て支援、農業再生をはじめ、「国民の生活が第1」の政策を次々に法案化して、参議院に提出していますが、衆議院ではいまだ自民党が圧倒的多数を占めている現状では、これらの法案を今成立させることはできません。逆にここで政策協議を行えば、その中で国民との約束を実行することが可能になると思います。

 三つ、もちろん民主党にとって、次の衆議院総選挙に勝利し、政権交代を実現して、「国民の生活が第1」の政治を実行することが、最終目標であります。私もそのために民主党代表として全力を挙げて参りました。

 しかしながら、民主党はいまださまざまな面で力量が不足しており、国民の皆さまからも、自民党は駄目だな、民主党も本当に政権担当能力があるのか、という疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は大変きびしい情勢にあると考えております。その国民の皆さまの疑問を払拭するためにも、政策協議を行い、そこで我々の生活第1の政策が取り決められるならば、あえて民主党が政権の一翼を担い、参議院選挙を通じて国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績を示すことが、国民の理解を得て民主党政権を実現する近道であると私は判断をいたしました。

 また、政権への参加は私の悲願である、政権交代可能な2大政党制の定着と矛盾するどころか、民主党政権実現を早めることによって、その定着を実現することができると考えております。

 四つ、以上の考えにもとづき、2日夜の民主党役員会において、福田総理の方針を説明し、政策協議を始めるべきではないかと提案をいたしましたが、残念ながら認められませんでした。それは、私が民主党代表として選任した役員のみなさまから不信任を受けたに等しいと考えています。よって、多くの民主党議員・党員を指導する民主党代表として、また党首会談で誠実に対応してもらった福田総理に対し、けじめをつける必要があると判断をいたしました。以上が私のコメントであります。

(編集部注:一呼吸おいて、以下の発言)

 もう一つ、中傷報道に厳重に抗議する意味において、私の考えを申し上げます。

 福田総理との党首会談に関する新聞・テレビの報道は、明らかに報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、私は強い憤りをもって厳重に抗議いたしたいと思います。特に11月3、4両日の報道はまったく事実に反するものが目立ちます。私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が自民・民主両党の連立を持ちかけたとか、はては今回の連立構想について、小沢首謀説なるものまでが社会の公器を自称する新聞・テレビで公然と報道されております。いずれも事実無根です。

 もちろん党首会談および会談に至るまでの経緯と内容について、私自身も、そして私の秘書等もどの報道機関からも取材を受けたことはありませんし、取材の申し入れもまったくありません。それにもかかわらず、事実無根の報道が氾濫していることは、朝日新聞、日経新聞等を除き、ほとんどの報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、自ら世論操作の一翼を担っているとしか、考えられません。それにより、私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを決定的にダウンさせることを意図した、明白な誹謗中傷報道であり、強い憤りを感ずるものであります。

 このようなマスメディアのあり方は明らかに、報道機関の役割を逸脱しており、民主主義の危機であると思います。報道機関が政府与党の宣伝機関と化したときのおそろしさは、亡国の戦争へと突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかであります。また、自己の権力維持等のために報道機関に対し、私や民主党に対する誹謗中傷の情報を流し続けている人たちは良心に恥ずるべきところがないか、自分自身によくよく問うてみていただきたいと思います。

 各種報道機関が1日も早く、冷静で公正な報道に戻られるよう希望をいたします。

(以上が会見における小沢氏の発言)
(編集部)
◇ ◇ ◇
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[30943] 何か一つ、皆さんお忘れでは?
名前:中村孔治
日時:2007/11/05 15:04

安倍氏は辞める前、小沢氏が党首会談に応じないなどと、言った趣旨の卑劣な事も言っていましたね。

今回の、小沢辞任の辞に、痛烈なメディア批判のあることを、銘記しておいて下さい。これを忘れてはならないと存じます。


我々の経験から痛感致しますが、およそ言論機関なるものは、大いに民主的である事を標榜していても、一歩誤ると、非常に権力的・専制的に堕ちる事もありますね。


ましてや、ナベツネやウジイエ達は相当に手強い相手でしょう。


国民が彼らに、今後も踊らされるのか、それとも真実の報道を嗅ぎ分ける力量を持ち得る様になるかが、真底よりこの国が成熟し得るか否かの分水嶺となると存じます。


小沢氏の11月3&4日の報道が事実無根であったと強く指摘致しておりますね。彼n言う事を受け止めて然るべきとも思われます。


どうも、皆様のご議論を読んでおりますと、一部の方は以外は非常に情緒的に流れているとも受け止められます。


冷静な判断をなすべき、非常に良い機会に遭遇しているのではないでしょうか?


最後に述べますが、「人死ぬや、その言やよし」と言う言葉も有るようですね。



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[30936] 良かないですよ
名前:斉喜広一
日時:2007/11/05 10:48

本間さん。
私ゃ、本気で小沢民主の政権獲得に期待してのですよ。
何せ今は、メディア界のドンといわれる人が筋を書いた、福田政権やからね。
何と、小沢氏までがその筋書きに乗っちゃって。
ま、正直、小沢一郎という人物を、参院選後から見直していたのに、結局素の小沢に戻っちゃった。
恥ずかしながら見誤ったということ、正直認めます。

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[30935] 歴史は夜つくられる?舞台裏のドロドロにおいてであろうよ!
名前:中村孔治
日時:2007/11/05 07:01

ほんまに、この数ヶ月が見ものであリましょうね。

勿論、敗戦後以来持ち続けた日本の病状は中々回復には向かわないでしょうが、何回も繰り返される大きな刺激で、ヘイワボケの膿をだしていけば、やや健康体になり得る可能性もありましょうね。


小沢氏には以前から、私は批判的ではありましたが、参議院選以来彼の政治家としての最後の戦いに若干の期待をしたのは事実ではありました。


「男子会わずして三日・・」は小沢氏は小泉と違って、柔軟性もあるようですから、どのように定石を外して新手を打つか、若干の期待を持っていたわけです。


何方か、中村さん残念でしたと、ご同情を賜ったお人もおられたようでしたね。「ハイハイその通りで御座います」と言いたいのですが、「勝負は下駄を履くまで判らないですよ!」と申し上げさせて下さい。


今度の辞任劇で、小沢氏は政治生命を失う事も、或はありましょう。しかし、何物かが残って行くでしょうね。


「達人は物外のものを観る」と言った言葉も、何処かにありました。


さて、従来のJANJANの皆様がなされた、例えば、小沢氏関連の議論を時系列で、詳細に分析する暇が今現在、ありません。しかし、もっと徹底して、世の動きを捉えると宜しいのではないかとと存じ上げます。


少々違う事柄ですが、例えば、「長崎市長の暗殺事件」です。当時、関連した記事で、佐藤記者を少々、ご批判申し上げ失礼申し上げました。


一寸お考え下さい。例えば、「長崎市長の例もあるぞ!」なる脅しが有ったと致します。80過ぎの老いぼれならいざ知らず、働き盛りの者達に対する効果は絶大でしょうね。


ドロドロした舞台裏には、あの手この手、四十八ての裏表がありそうですね。



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[30933] 小沢早くもDOWN
名前:高橋七郎
日時:2007/11/05 01:32




小沢さん早くもリタイヤですか、民主の次なる展開が読めないですね。



福田のクリンチ作戦が功を奏して、一発のパンチも繰り出していないのに、口臭に毒物満載で小沢あえなく敗退というところでしょうか。 (ルールなしなので反則にならないですね)



世の中何が幸いするかわからない。  でも公明党も黙ってはいないですよ、完全に馬鹿にされてますからね。  今後の展開に期待ですね。



でも福田さんの使った毒物って何でしょう? 山田洋行がらみでしょうか? 



 



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[30932] ピンチの時こそ最大のチャンス
名前:山本ケイ
日時:2007/11/05 00:55

安倍首相の辞め方もみっともなかったが、小沢氏のそれは雄弁であっただけに、もっとみっともない。会見を全部聞いたが終始「言い訳」ばかりが目立った。福田首相との会談について自らを正当化する姿はもはや「裸の王様」状態だ。加えて民主党に政権担当能力がないと切り捨て、辞表を提出したとはいえ、会見時点ではまだ党首の立場なのに自党をこき下ろすとは何事だ。


一連の報道が「政府・自民党の情報を垂れ流し、自ら世論操作の一翼を担っているとしか、考えられません。それにより、私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを決定的にダウンさせることを意図した、明白な誹謗中傷報道であり、強い憤りを感ずるものであります」(JanJan記事から)とし、報道機関に怒りの矛先を向けたが、政権担当能力がないと自党をこきおろすほうが余程、党のイメージをダウンさせ、自民党を利してしまったことに氏は気づいていないようだ。それともそれが狙いなのか。


会見で「有権者を裏切ることになるのではないか」というもっとも重要な質問に氏はまともに答えなかった。民主党は慰留など必要ないのではないか。ピンチの時こそ最大のチャンスというたとえもある。ここは党首を刷新して新しい党首の下で王道で政権奪取を目指すほうが国民の支持が得られると私は思う。


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[30931] 安倍みたいなのしかいないのか!
名前:本間康二
日時:2007/11/05 00:31

> 今回の辞任劇は、政界の再編へと突き進むものと見ています。

 百年言ってなさいよ。
 いや、あなたに限らない。そう言って何度騙されたら気が済むかということです。
 中村さん、高橋さん、残念でした。その期待は無理でしょう。のど自慢なら「カーン」というとこでしょう。ははははは・・・あ、こりゃどこかの次郎さんだった(w)。
 斉喜さん、良かったね。
 それにしても……
 3か月。当たったなー。俺の読みも当たることがあるんだ。

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[30928] いやいや化けの皮が剥がれたのです。
名前:赤坂洋
日時:2007/11/04 23:56

気紛れ!なんて気の優しい発言。

私は、彼の本心露呈した発言とみます。・・・(アノ声明で?)
だって、いつもこの人はガキの様にスグ投げ出す。
記者会見でも、いつも本心を隠して記述メモを見ながら眼を伏せて分かり難い発言に終始する。

何か国民には、魑魅魍魎の人と思わせる人格・人物だ。
辞任結構!じゃあないですか!
脱党でもして、再度新党旗揚げか!

信頼されない小澤さん・・・漁夫の利を演出させる小澤さん。


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[30927] 気まぐれでしょう
名前:斉喜広一
日時:2007/11/04 22:44

あと一歩のところまできていた(この私までが、今度は民主を応援しようとまで思っていた)のに。気まぐれとしか言いようがない。
それに、辞意表明だって、自分が辞めたら誰が(代表になる器が)いるのだ、つまりは慰留されることを見越してのことだしね。
ある種の(自分への)過大評価、驕りも感じられるね。

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[30926] 政界再編への道
名前:山田洋一
日時:2007/11/04 22:27

民主党に日本の将来を託すには力量不足を否めない。
日頃からそのような見方をしていました。
今回の小沢一郎代表の辞任劇がそれを証明するかのようです。
寄り合い世帯では政治の確信が持てない。
議論の範囲を越えられない。
政治手法・手腕以前の問題である。
国民の目線に立って国民のために何ができるか。
議論ではなく、実行力が問われるのである。
与・野党が対決するばかりでは真の民主主義は達成できない。
協調すべきは協調し、前進しなければならない。
国民は良き政策の実行を願っている。
対立しつつ、協調し「国家像」を創造しなければなりません。
今回の辞任劇は、政界の再編へと突き進むものと見ています。
民主党から離れる国民が急増するものと予測しています。
何故なら、政策実行に体制面から無理があるからです。
政策実現能力に欠ける現状から、期待できない。
国民の目は厳しい。窮地に追い込まれる民主党。
党勢の弱体化はもはや避けられない。
解散・選挙で新たな断を国民は下すことになる。
何れにしても「国家像」をはっきりして政治生命を賭けて欲しい。
 

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[30925] 政界 スターバースト
名前:高橋七郎
日時:2007/11/04 22:16





小沢さんの言いたいことはよくわかりますね。 民主党の若手は理想だけで空回りしてしまいそうです。   



自民党と合併するわけではないのですから、国民の為に利用できる部分はムダなく利用する。  イザとなったら福田のクリンチを振りほどいて、眼鏡顔の赤鼻へキツ〜イ  ストレートを一発おみまいすればいいということでしょう。   




どの道これから何十年も安定する政治はありえない、離合集散を繰り返し、選挙のたびに国の方向性が変わるという時代になるのでしょう。 



誰が国民の方向を向いているのかをよく見極める必要があります。



いずれにしても今回の件で、日本のマスメディアの質の悪さは露見しましたね。








 

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