８日午前７時４０分ごろ、佐賀県武雄市朝日町甘久の篠田整形外科（篠田侃院長）で、入院していた同市山内町３間坂の自営業宮元洋さん（３４）が男に拳銃で数発撃たれ、死亡した。撃った男は拳銃を持って現場から逃走。県警は殺人事件として武雄署に捜査本部を設置し、約１００人態勢で男の行方を追っている。

　同外科西側のグリーンコープ生活協同組合配送センター事務所の窓が割れており、事務所内と外に流れ弾とみられる弾丸が一発ずつ見つかった。

　県警によると、宮元さんは同外科２階の個室に入院。職員が発砲音を聞いて駆けつけると、宮元さんは床に倒れていた。背中から複数発撃たれたとみられ、病室からは少なくとも３発が発射された痕跡が見つかった。病院のスタッフや他の患者にけがはないという。

　男は、病院駐車場から白っぽい乗用車で伊万里市方面に走り去った。身長一６０‐１７０センチで小太り。茶色のジャンパーとベージュ系のズボン姿で、黒いニット帽、白い手袋とサングラスを着用していた。

　同外科は、通院患者のために午前６時半に正面玄関を解錠。男はその後侵入したとみられる。

　同外科は整形外科や内科など５科があり、ベッド数は１９床。病院から約１．５キロメートルの場所に小学校があり、事件発生時と登校時間帯が重なっていた。武雄市教育委員会は市内１６小中学校に児童、生徒の安全確保と警戒を呼びかけた。現場はＪＲ佐世保線武雄温泉駅の北東約１キロの住宅街。

＝2007/11/08付 西日本新聞夕刊＝