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混合診療訴訟:清郷さん「国は制度改めて」 弁護士に断られ一人で争う

 「厚生労働省の法解釈は誤り」として混合診療を原則禁止してきた国の政策は違法とする判断を示した7日の東京地裁判決。判決後、会見した原告の清郷伸人さん(60)は「全国の重病患者に影響する判決だ。一刻を争う患者が望む治療を合理的な費用負担で受けられるように、国は制度を改めてもらいたい」と感極まった表情で語った。

 清郷さんは「保険医療を受けている患者が、効果があると言われて保険対象外の薬を使おうとしても、全額自己負担になれば踏み切る人はいない。それで、命を落とすこともある。混合診療は弊害よりメリットが大きい」と訴えた。

 清郷さんの場合、保険外診療を併用すると、保険対象のインターフェロン療法の負担額が月6万~7万円から、約20万円に膨れ上がるという。清郷さんは「判決は、国の制度に根拠がないことを明確にした。日本の医療が大きく変わることを期待している」と話した。

 混合診療が全額自己負担とされることに疑問を感じ、解禁すべきだと考えた清郷さんは法律相談などを通じて提訴を決意した。だが、医療を専門とする弁護士には選任依頼を断られた。このような裁判の経験がないというのが理由。清郷さんはインターネットなどで制度の勉強を重ね、自分一人で訴訟の書面などを作成し、国と争ってきた。【北村和巳】

毎日新聞 2007年11月8日 東京朝刊

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