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恋空に対抗して小説書いたw

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:31:54.88 ID:NSuw27up0
でも昨夜は801板の襲撃を受けたために途中でスレ消えてしまったwww
既にメモ帳に最後まで書き溜めしてあったのにwww
悔しかったから凸参加してやったぜwうぇwww

他スレで動きがなくて暇な方とか、読んでやっても良いという奇特な方だけで
良いんで見てくれると嬉しいですw

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:32:42.14 ID:rluScTx+0
問題ない
続けろ

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:33:34.54 ID:NSuw27up0
>>2
ありがとうw


実話をもとに作成していく。
説明的な台詞以外はほぼ実話。
だからチラシ裏である事は否めないw
読んで何かどうか感じてしまったらスイーツ(笑)

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:33:56.28 ID:kxOGzrjFO
超お腹減ったし♪
それが美嘉の最期の言葉だった・・・

5 ::2007/11/08(木) 12:34:34.86 ID:NSuw27up0
●第一章 出会い(∀`*ゞ)●

 「なぁ、ビップ!お前一時間目の授業なに?」
校舎の窓からひょいと身を乗り出して、男子生徒は昇降口にいる
女子に声をかけた。彼の真っ赤に染めた長い髪が風に揺れる。
「一時間目は国語でーす」
女子は眠たげな間延びした口調で答えた。
「国語か、だるくね?俺らこれから遊びに行くことになったんだけど、
お前も来る?」
ビップは首を左右にぶるんぶるんと振った。
「授業はちゃんと出なきゃダメですよ、誠先輩。今年高校受験でしょ」
「うっせーな。二年が先輩に反論してんじゃねぇよ。給食までには戻ってくる。
今日カレーだから」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:35:03.27 ID:dkE1bsry0
楽しみヤキモキ♪

7 ::2007/11/08(木) 12:35:32.86 ID:NSuw27up0
>>4
冒頭から死亡フラグwww



 ビップは思わずくすっと笑った。誠は校内外問わず幅を利かせている不良生徒で、
体格も良い上に顔立ちも整っているから、誰からも一目置かれている存在だった。
その誠がカレーのためだけに学校に戻ってくるらしい。
「先輩って意外と可愛いですよね」
「だーまーれ。お前、放課後は良いよな?」
「先輩のバイクに乗せてくれるなら良いですよ」
「上から目線なのがうぜぇ」

 誠は窓をぴしゃりと閉めて、仲間達の輪の中に戻っていった。
ビップもそれを見届けて昇降口から校舎に入った。

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:35:44.19 ID:XL2uUGY/O
変空

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:35:46.36 ID:accJkG1BO
いいから早く書け

10 :伊藤 誠:2007/11/08(木) 12:35:59.71 ID:4zCKY18hO
これはいい

11 ::2007/11/08(木) 12:36:53.22 ID:NSuw27up0
>>6
まぁヤキモキ♪zkdkしてくれwww



―ビップ―

 今年の4月に中学二年になったばかりの女子生徒。
二年になってからまだ三ヶ月足らず。
 
 一年の時に部活で女子の先輩達に目をつけられてからは、誠達のような
不良の男子生徒とつるむようになった。元々、誠とは家が近所で親同士も仲が
良かったし、昔から男子と遊ぶ機会の方が多かったから自然と彼らに馴染めた。

 チビだし
 天然の茶髪だし
 特別可愛いってわけでもないし
 特技なんてパソコンとテニスやサッカーくらいだし
 将来の夢なんてパソコンで何かするくらいしか考えてない。
 友達は人並みにいるけれど
 異性と付き合った経験はゼロ。
 もちろん処女だ。
 微妙な関係になることはあっても
 いつも自分からフラグを折ってしまう。

 それが、当時のビップのスペックだった。しかし、このまままるで男子のような
スペックに終わるはずだったビップの人生は、ある一人の男性に出会ったことに
よって変わっていく・・・。

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:37:41.78 ID:m6Prk5dk0
ネタで書いたのか真剣に書いたのか
どっち?

真剣に書いたんならこのスレ静かに閉じるよ

13 ::2007/11/08(木) 12:38:14.81 ID:NSuw27up0
>>10の優しさに泣いたwwwスレ立ての時間帯って重要なんだなwww
昨夜は801板に襲撃されて涙目www



 いつもようにビップは教室で退屈な授業を受けていた。授業の時はさっきまで
騒いでいた生徒達が嘘のようにもくもくと無言でノートをとっている。

 ビップのいる学年は学校史上最も優秀だった。問題を起こす生徒がおらず、
教師の言葉に逆らう子供もいない。そのため、不良生徒達とつるんでいるビップは
教師達から目をつけられていた。

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:39:03.71 ID:dkE1bsry0
でも801ってのがどうにも気にかかるな

15 ::2007/11/08(木) 12:39:36.69 ID:NSuw27up0
>>12
真剣と言えるほど真剣には書いてないなぁ。恋空の文ぱくりつつ書いたからw
実話ベースではあるけどww



 四時間目の授業が終わった直後、教室のドアがガラガラと音をたてて開いた。
真っ赤な髪をかきあげながら、誠が中に入ってくる。
「おかえりなさい。でも教室間違えてますよ」
「知ってるよ。今日の放課後お前に会わせたいヤツがいんだよね」
誠は突然話の本題に入った。
「ロリっていうヤツ。二十二なんだけど、お前と友達になりたいとか言ってた」

16 ::2007/11/08(木) 12:40:42.76 ID:NSuw27up0
>>14
私の友達の友達は腐女子だが私は違うwwwテラノーマルw



 ビップは目を瞬いた。
「二十歳超えた人がぁ?何か怖いです」
「俺も一緒だから心配すんな」
「むしろそれが心配なんですけど」
誠は大きくため息をついた。
「変なことはさせねぇ。それにあの人、彼女いるらしいし。もし別れたら食って
いけないとか言ってた」
 それってヒモ、と言いかけてビップは言葉を飲み込んだ。胸の中にさらに別の
不安が広がっていった。出来れば行きたくないと思った。

17 ::2007/11/08(木) 12:41:47.18 ID:NSuw27up0
 授業が全て終わり、待ちに待っていない放課後がやってきた。誠はビップが逃げない
ためにか教室の前で座り込んで待っている。その腕には二つのヘルメットが抱え
られていた。

 観念したビップは誠のバイクの後ろに乗った。
「安全運転モードと超ハイスピードモード、どっちが良い?」
「無免なんだから安全運転にしてください」
「じゃ、超トリプルスピードね」
「・・・トリプル?」
 ビップは面倒なのであえてトリプルの意味は突っ込まないことにした。

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:42:40.96 ID:re2Do3HeO
ウホッこれは良い忍空

19 ::2007/11/08(木) 12:43:32.91 ID:NSuw27up0
 誠の危険な運転の末、二人はよく仲間達とつるむ空き地に到着した。そこには
いつもと同じ面々が揃っていたが、一人だけ見慣れない顔があった。ビップはすぐに
この男がロリだと察した。

 「ビップちゃん。初めまして」
ロリは人懐っこい顔でビップに微笑みかけた。
「初めまして・・・、ロリさん」
ビップはおどおどしながら返事をした。

20 ::2007/11/08(木) 12:44:31.62 ID:NSuw27up0
>>18
何か801板か喪女板みたいな発言が見えるんだがwww



 ロリの風貌を一言で表すのなら、「ゲームの悪役」が最もしっくりくるだろう。髪は
綺麗に脱色され金色に近く、その長さは腰の辺りまである。長い髪には軽くウェーブが
かかっていて、首の辺りで一つに束ねられていた。顔立ちはどこか日本人離れしているが、
均衡がとれていてカッコいいというよりは綺麗という感じだった。
 
 ビップは息を呑んだ。生まれて初めて初対面の人に威圧された。

21 ::2007/11/08(木) 12:45:25.82 ID:NSuw27up0
 ロリは近くにあったブロックに腰掛け、蛇革のズボンを履いた足を投げ出した。
「俺が怖い?」
「怖いというか、ちょっとびっくりしました。髪の毛とか女の人みたいに長いし、
身長も高いし」
「正直、俺もびっくりした。ビップちゃんってもっとはっちゃけた子かと思ってたから」

22 ::2007/11/08(木) 12:46:13.65 ID:NSuw27up0
 周りにいた男子たちがくすくすと笑い出した。ロリは誠の方をちらっと見た。
「誠がね、べったり構ってる女の子がいるって噂を聞いてね。どんな子なのか見て
みたかったんだよ。誠、お前の彼女小さくて可愛いな」
「彼女じゃねっすよ!ただ家が近所でチビの時から一緒に遊んでただけで。ていうか
俺は年上が好きなんで」

23 ::2007/11/08(木) 12:48:05.41 ID:NSuw27up0
 ロリは立ち上がって髪紐を解き、頭を左右に大きく振った。綺麗な金髪が日の光を
受けて輝く。その姿は芸術作品そのものだった。

 「そう、誠。聞いたよ。部室にA子連れ込んでヤッたんだって?」
誠はぎょっとした顔をした。
「いやいやいや!まー・・・、しましたけど。一度だけですよ」
「生意気に。もしビップちゃんが彼女だったらチクってやろうと思ったのに」

 ビップは悪戯っぽく笑うロリの顔をただボーっと眺めていた。ここにいる男達は
中学生から大学生まで揃っているが、今までこれほど衝撃を受けた人間はいなかった。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:48:36.08 ID:re2Do3HeO
>>20
ブヒヒッww

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:49:00.25 ID:4zCKY18hO
いいよーいいよー

26 ::2007/11/08(木) 12:49:54.30 ID:NSuw27up0
 「俺、そろそろ仕事戻るね」
ロリは髪をおだんごにまとめながら言った。
「バイクの修理とかの仕事してんの。だからまたね、ビップちゃん。これ俺の連絡先
だから、誠に何かされたら連絡しな」
「ありがとうございます・・・」

27 ::2007/11/08(木) 12:51:13.04 ID:NSuw27up0
>>24
ちょwwwおまwwwせめて昼間は落とさないでくれよwww
>>25
どうも〜w



 ロリは自前のバイクに跨ると、真顔でビップの方に顔を向けた。しかしすぐに顔を
進行方向へ向けなおすと、ハンドルに手をかけた。ハンドルは異常なまでに改造されていて、
腕が疲れそうな構造になっていた。

 豪快なエンジン音と共に、ロリの姿は見えなくなった。ビップはロリの連絡先が
書かれている紙を見つめていた。

 この時は、
 ロリに恋するなんて全然思ってもいなかったんだ・・・。

28 ::2007/11/08(木) 12:52:10.89 ID:NSuw27up0
●第二章 初めて((o(´∀`)o))●

 ビップがロリに出会ってから一週間が経った。あの日以来ロリと会うことはなく、
ビップはいつも通り誠達と一緒に遊んでいた。
 
 昼休みになると、誠がケータイで誰かと話しながらビップの教室に入ってきた。
「ビップ、ロリさんが話があるんだって」
ビップはまだ自分の携帯を持っていなかった。誠から電話を受け取ると、恐る恐る
口を開いた。

29 ::2007/11/08(木) 12:53:47.34 ID:NSuw27up0
 「えっと・・・。お電話代わりました」
「ビップちゃん、久しぶり」
電話から低くてよく通る声が聞こえてきた。
「急なんだけどさ、今日の六時くらいって空いてる?」
「はい、まぁ」
「じゃー、放課後そのまま学校で待っててよ。迎えに行く。あ、戸締りの先生に
見つからないように気をつけてね。あと誠には内緒ね」

30 ::2007/11/08(木) 12:54:46.26 ID:NSuw27up0
 どうして学校で待ち合わせなのか、と聞く前に電話は切れてしまった。首を傾げながら
誠にケータイを返す。
「ロリさんなんだって?」
「誠先輩に変なことされてないかって」
誠はビップの頭を軽く叩いて教室から出ていった。

31 ::2007/11/08(木) 12:55:55.46 ID:NSuw27up0
 六時十分前になった。ビップは自転車置き場の隅にしゃがみこんでロリを待っていた。
ここからなら校門に現れたロリをすぐに見つけられるし、昇降口を閉めに来た教師の
目にもとまらない。ビップは父親の書斎から盗ってきた本を開いた。

32 ::2007/11/08(木) 12:56:52.21 ID:NSuw27up0
ずっと1のターンwwwでもそんなの関係ねぇw



 本を一ページ読み終わるか終わらないかというタイミングに、ロリはやって来た。
彼は小声でビップの名前を呼んだ。ビップが立ち上がって駆け寄ろうとすると、彼は
手のひらをこちらに向けて立ち止まるように促した。辺りをよく見回してから、彼は
こっそりとビップの隣に座り込んだ。ビップも彼に合わせてその場にしゃがんだ。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:57:32.56 ID:Ak7ZvyyF0
恋空マジ最高最高過ぎて脱糞

34 ::2007/11/08(木) 12:58:45.33 ID:NSuw27up0
>>33
恋空最高だよなwwwでもちゃんとトイレでしろよ?www



 「誠に何か言われなかった?」
「特に何も」
「そう、良かった」

 特別やましいことをしているわけではなかったが、ビップの気持ちは高潮していた。
生徒が全員帰宅した校内で、教師の目を盗んで男の人と息を潜めて隠れている。
ちょっとした冒険をしているようで、わくわくする気持ちを抑えられなかった。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 12:59:25.37 ID:dkE1bsry0
さあレイプショーの始まりですよ!

36 ::2007/11/08(木) 12:59:44.50 ID:NSuw27up0
 「懐かしいな。俺ね、ここの卒業生なんだよ」
「そうだったんですか」
「久しぶりに校舎見てみたくてね。来てみた。でもさすがに中には入れそうもないね」
「そろそろ教頭が玄関閉めに来ますしね」
「今忍び込んで教室で一晩過ごせば良いんじゃない?」
ビップは言葉を詰まらせた。エッチなことをようやく知り始めた中学二年生女子には
刺激の強い一言だった。

37 ::2007/11/08(木) 13:01:26.09 ID:NSuw27up0
>>35
ごめんwwwレイプシーンはないwwwミカロスの人生が異常に濃いだけwww



 「いや、冗談だから!しかもめちゃくちゃ犯罪だし」
ロリは慌てた口調で否定した。
「不法侵入ですか?」
「それもあるけど・・・。ほら、大人はね子供と変なことしちゃいけないの」
「それって犯罪なんですか?」
「罪になるね。ビップちゃんに変なことしたら俺が捕まっちゃう」

 ビップは何も言わずに地面に目を落とした。暫く沈黙が続いた。

38 ::2007/11/08(木) 13:02:48.94 ID:NSuw27up0
 「誠は」
ロリが突然話し始めた。
「ビップちゃんにまだ手出してないんだね。何つーか、意外」
ビップはわからないという顔をした。
「誠はガキのくせに女ったらしだから。何人の女の子に手出してんだろね。
モテるからなー、どういうわけか。でもいつか刺されるよ」

39 ::2007/11/08(木) 13:03:37.21 ID:NSuw27up0
 二人は一時間くらい特別内容のあるわけでもない会話をして別れた。しかし、ロリは
翌日も翌々日も六時になると学校に現れるようになった。そしてやはり一時間程
他愛ない会話をして帰宅する日々が続いた。


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:03:55.68 ID:C1j3O0WHO
閉まるの早いな
wktk

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:04:02.01 ID:4zCKY18hO
誠生首化はあるのか…?

42 ::2007/11/08(木) 13:05:19.19 ID:NSuw27up0
 二人で会う度にロリの素性が少しずつ明らかになっていった。

 ロリは職場であるバイクの工場で客として来た誠と出会ったそうだ。
ビップはバイクには興味がないから詳しい事はよくわからないが、ロリと誠は
時々一緒にバイク談義に花を咲かす仲らしい。

 ロリの彼女は高校の時の先輩後輩の関係で、数年前から同棲している。
大きな会社に勤めている彼女の収入が家計の大部分を占めているようだ。

43 ::2007/11/08(木) 13:07:01.57 ID:NSuw27up0
>>40
当時学校の側で上半身裸の変質者が出てたりしたからwww
>>41
生首にはならないwwwいつなってもおかしくないヤツだったがw



 二人の密会に最初に気がついたのは、いつも誠の傍にいるスネオだった。
偶然学校の側を通りかかった時に二人の姿を目撃したらしかった。それを聞いた
誠は授業中にも関わらずビップの教室に侵入してきた。

44 ::2007/11/08(木) 13:07:54.01 ID:NSuw27up0
 先生の怒声と生徒達の騒然とする声の中、ビップは誠に腕を掴まれて廊下へ
引きずり出された。誠は黙りこくったまま屋上へ続く階段を上がっていった。
屋上は常時立ち入り禁止になっていて、鉄製の扉にはいつも鍵がかかっている。
誠はその扉の前で足を止め、壁に背中をつけてそのまま音をたてながら座り込んだ。


45 ::2007/11/08(木) 13:08:37.02 ID:NSuw27up0
 「ここ一月くらい、放課後にお前とロリさん会ってるらしいじゃん」
ビップは何も答えなかった。誠はポケットからライターを取り出してタバコに火を点けた。
「やめとけー。ロリさんは良い人だけど大人の男だし」
誠の口から何度も細い煙が吐き出される。ビップは無言でそれを見つめていた。
「ただね、俺がこう言ったところでお前が言う事きくとは思ってないんだけどね。
毎日二人で何してんのよ。エロい事とかしてねぇよな」
「してないです。ただ一時間くらい話してるだけ」
「ふーん。で、お前はどうなの。ロリさんの事、好きだったりすんの?」
「どうしてそういう話になるんですか・・・」
ビップは顔を赤くして小声で言った。顔の火照りが怒りからではない事はビップにも
誠にもわかっていた。

46 ::2007/11/08(木) 13:09:56.01 ID:NSuw27up0
 誠は立ち上がって、上履きでタバコを踏み潰し火を消した。そして背の低い
ビップの顔を覗き込んだ。
「好きなんだ?」
ビップは俯いた。両手でスカートを握り締める。
「わからないです」 
蚊の鳴くような声で答えた。
「好き、なんだろうね。お前が傷つきたくないならやめた方が良いと思うけど、
こういう話今までお前から聞いたことなかったしな。・・・何かあったらいつでも
相談しろよ」
誠の大きな手がビップの頭を荒々しく撫でた。その時ビップは初めて自覚した。

――私はロリさんの事が好きなんだ。

 それは今までに経験したことのない気持ちだった。

 ビップにとって初めての恋だった。

47 ::2007/11/08(木) 13:11:00.76 ID:NSuw27up0
もうちょいスイーツ(笑)全開な文にしとけば良かったなぁwww



●第三章 花冠ヽ(*´∀`)ノ●

 「もうすぐ夏休みだね。休みになったら車でどっか遠出しよっか。軽井沢とか」
ロリの提案にビップは二つ返事で賛成した。期末試験さえ終われば、好きな人と
初めてのドライブが出来る。その想いだけでビップは必死になって試験勉強をした。

48 ::2007/11/08(木) 13:12:38.42 ID:NSuw27up0
 周りからは意外だと言われるが、ビップは試験の点数はいつも良い。どの科目も
最低でも八十点以上はとる。しかし授業態度が悪いため、通知表は人並み以下の
数字が並んでいる。

 今期もいつも通りの成績だった。それでもビップの心は躍っていた。ロリとの
ドライブは夏休み初日にすると約束していたからだ。

49 ::2007/11/08(木) 13:13:43.44 ID:NSuw27up0
 約束の日の朝、ビップは初めて髪の毛を巻いてみた。が、あまりにも髪型だけが
大人びて見えたから肩のところで二つ結びにした。後々、この髪型には大学入学
直後までお世話になることになる。

50 ::2007/11/08(木) 13:14:58.44 ID:NSuw27up0
 ロリとの待ち合わせ場所はあまり人気のない山道の入り口だった。とはいえ、
そこはビップにとっては小学生時代の遊び場だったから特別恐怖はなかった。
ビップが山道に着いた時には既にロリが車の中で待っていた。


51 ::2007/11/08(木) 13:16:19.56 ID:NSuw27up0
ちょっと過疎ってきましたよw



 ビップが助手席に乗り込むと、ロリはビップの頭を撫でた。この時ビップは初めて
彼に触れた。
「おはよう。何だよー、おめかししちゃって」
ビップは挨拶を返そうとしたが、緊張して声が出なかった。ロリはそれに構う様子も
なく、エンジンをかけた。
「軽井沢までは一時間半くらいだよ。あっちに着いたら上手いもん食おう。あそこは
夏でも涼しいしね」

52 ::2007/11/08(木) 13:17:37.13 ID:NSuw27up0
 走行中、ビップはロリの運転姿をまじまじと見つめていた。父親や友達の親などが
運転する車には何度も乗った事はあるが、若い男性の運転する車に同乗するのは
初めてだった。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:18:38.05 ID:2dEYBsHDO
支援

54 ::2007/11/08(木) 13:19:01.97 ID:NSuw27up0
勢い67かwww微妙www



 「ロリさんといると色んな初めてな事、経験します」
「え?」
自分で発言しておきながら日本語が支離滅裂だと思ったビップは、顔を赤くして
口に手をやった。ロリはハンドルから左手を離すと、またビップの頭を撫でた。
「ここにいるのがビップちゃんじゃなかったら、結構きわどい台詞だよね」
その言葉を聞いて、ビップの顔はさらに赤くなった。


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:19:18.05 ID:4zCKY18hO
ビップかわゆし

56 ::2007/11/08(木) 13:20:26.42 ID:NSuw27up0
 軽井沢にはあっという間に到着した。その日はよく晴れているのに涼しかったから、
二人は弁当屋で弁当を買って、木立に囲まれた別荘地の草の上で食べた。鳥のさえずりが
耳に心地よかった。

57 ::2007/11/08(木) 13:21:40.91 ID:NSuw27up0
>>55
実物見たら泣くかもよ?www当時からネラーだったしw



 昼食を終えると、ビップはいつもの癖でその場に寝転んだ。誠と一緒に外で食事を
する時は、きまって二人ともその場に寝そべって昼寝をしていたからだ。ロリは一瞬
驚いたような顔をしていたが、何も言わずにビップの隣に寝転んだ。

 「木が迫ってくる感じがするね」
「そうですね」
「ね、ビップちゃん。あれって教会だよね」
ロリが指差す方を見ると、そこにはこじんまりとした教会があった。
「本物の教会って初めて見ました」
「行ってみよっか」

58 ::2007/11/08(木) 13:23:04.89 ID:NSuw27up0
 教会の扉には鍵がかかっていなかった。扉を少し開けて中を覗いてみても誰も
いない。それでも二人は忍び足で建物の中に入った。

 左右の壁の窓にはステンドグラスが施されていた。テレビややゲームでしか見た
ことがなかったその光景にビップは我を忘れて見入った。しかしふと、ビップは
左手を引っ張られる感触を覚えた。手の方に目をやると、大きな手がビップの左手を
包み込んでいた。その手は確かに車の中でビップの頭を撫でた手だった。

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:23:42.37 ID:cvKbMfmFO
つまり、ここttp://c-au6.2ch.net/test/-/juku/1193843247/nに
『見に行く人はマキャベリズム
と書かねば、これみた奴一生童貞でござる

60 ::2007/11/08(木) 13:26:02.74 ID:NSuw27up0
>>59
でっていうw



 二人は手を繋いだまま教会をあとにした。お互いの手を握り合っている以外は
いつもと何ら変わりはなかった。他愛ない会話、ロリの子供をあやす様な口調、
それに対してムキになるビップの顔。それでも車に乗るまで、その手が離れることは
なかった。

61 ::2007/11/08(木) 13:29:32.72 ID:NSuw27up0
一瞬規制にかかったwww



 軽井沢での一件の後も、二人は週一回はどこかで落ち合って会話や買い物を楽しんだ。
その事に誠も薄々気づいていたようで、ビップの顔を見る度に恋愛話を持ちかけてきた。

 その後も手をつなぐ以上の進展はなく、夏休みは幕を閉じた。新学期が始まると
真っ赤だった誠の頭が真っ黒に染め直されていたり、クラス内にカップルができて
いたりと様々な変化があった。しかし相変わらずビップは誠達とつるんでいたし、
夕方六時になるとロリが学校へやって来る日々がまた始まった。


62 ::2007/11/08(木) 13:31:20.73 ID:NSuw27up0
 「彼女と別れた」
ロリは地面に生えているコスモスの茎を千切りながら、ぶっきら棒に言った。
ビップは何も答えなかった。というより、何一つ言葉が浮かんでこなかった。
心の中で喜びと不安が同居して渦巻いていた。


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:31:47.29 ID:2dEYBsHDO
規制回避用

64 ::2007/11/08(木) 13:32:53.86 ID:NSuw27up0
 ロリもそれ以上何も言わずに、ひたすらコスモスを収集していた。そして左手が
いっぱいになるくらいのコスモスを集めると、今度はそれを地面に置いて一本一本
繋ぎ始めた。ビップが怪訝そうに覗き込んでもロリは無言でもくもくと作業を
続けていた。


65 ::2007/11/08(木) 13:33:59.67 ID:NSuw27up0
ID:2dEYBsHDOって優しいなwww



 五分程するとロリの手の中にはコスモスの花冠が完成していた。ロリはそれを
そっとビップの頭に乗せた。
「本当はもっと小さな花で作りたかったんだ。ビップちゃんのイメージ的には
スズランなんかが似合いそうだしね。でもそうしてるとお姫様ーって感じ」


66 ::2007/11/08(木) 13:35:10.12 ID:NSuw27up0
 ビップはロリの目を見られなかった。右手で花冠に触れながら、目線は地面に
散らばった花びらに向けられていた。何か言わなければいけない、花冠を作って
くれたお礼を言わなければ。しかし気持ちだけが先走って、ビップの口は思うように
動かなかった。結局ビップはまともにお礼を言えずじまいでロリと別れた。

67 ::2007/11/08(木) 13:37:17.76 ID:NSuw27up0
 帰宅途中、ビップはロリからもらった花冠を指で撫でたり匂いを嗅いだりしながら
ゆっくりと歩いた。初めて好きになった人から初めてモノをもらった事がたまらなく
嬉しかった。それは大人からしてみれば些細な事なのかもしれないけれど、当時の
ビップの心を満たすには十分すぎるものだった。

68 ::2007/11/08(木) 13:38:35.56 ID:NSuw27up0
 花冠は数日でしおれてしまったが、ロリは一週間おきに新しい花冠を作ってくれた。
そして月日の流れに合わせて花の種類も変わっていった。次第に寒くなり花が咲かない
季節になると、今度は花冠ではなく毛皮の上着を頭から被せてくれた。

69 ::2007/11/08(木) 13:39:39.19 ID:NSuw27up0
 誠達が二人の密会を知っていたように、教師達もその事は把握していた。それでも
何も注意を受けなかったのは、生徒に甘いのではなくてただ見放していただけなの
かもしれない。しかしどちらにせよビップにとって好都合である事に変わりはなく、
来る日も来る日も学校の隅でロリを待ち、毛皮に包まれるのを楽しみにしていた。

70 ::2007/11/08(木) 13:40:22.88 ID:NSuw27up0
 楽しい日々は過ぎるのも早かった。誠は奇跡的に私立高校へ一般試験で合格し、
彼の仲間達もそれぞれ適当な高校への進学が決まった。合格発表の翌日には、誠の
髪は元の真っ赤な色に戻り、今まで以上にビップに絡んでくるようになった。

 「誠先輩、ハメ外しすぎです。ここ学校ですよ?せめて卒業までは大人しくしてた方が
良いですよ」
ビップは冷たく言い放った。日中の会議室には誰もいない。授業をさぼったり
昼寝をしたりするのには丁度良い場所だった。


71 ::2007/11/08(木) 13:41:57.30 ID:NSuw27up0
 誠はビップの都合などお構い無しといった顔でビップの肩に手を回して耳元で囁いた。
「ひょっとしてさー、ロリさんとヤッたりしてねー?」
誠の口からは鼻を刺すような酒の匂いがした。完全に酔っ払っている。ビップは
大きくため息をついた。
「学校に来てまでどうしてお酒なんか飲んでるんですか」
「受験終わったら一気にストレスが押し寄せてきちゃってね。大変なのよ、受験勉強って。
俺はお前と違って偏差値六十もねぇし。早くお前も俺と同じ苦しみを味わえ」

72 ::2007/11/08(木) 13:43:10.42 ID:NSuw27up0
 それだけ言い残すと誠は椅子からひょいと立ち上がり、扉の方へ歩いていった。
「しょーべんしてくる、しょーべん。あとコンビニでメシ買ってくる」
無意味に荒々しく扉を開けて誠は教室をあとにした。誠一人がいなくなるだけで
部屋の中がしんと静まり返った。日の光が会議用の固い机をほんわかと照らしている。
ビップは窓から校庭を見下ろした。トラックの向こうに五面のテニスコートが
広がっている。そこは、去年までビップが部活で使っていた場所だった。

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:43:34.19 ID:eHMImK4dO
期待保守

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:44:07.94 ID:4zCKY18hO
ワクテカ

75 ::2007/11/08(木) 13:45:24.52 ID:NSuw27up0
 元々テニスが好きだったビップは、一年の夏の大会直前に三年の先輩と試合をして
圧勝した。それを見た顧問の教師が二年の選手の中で最弱のツンをレギュラーから
外し、その代わりにビップを選手登録した。だからツンにとってビップが気に入らない
存在である事は容易に想像がついた。しかし中学入学まもなかったビップには、常にツンと
つるんでいるギャル予備軍のような仲間達までもがビップに目をつけるという事まで
頭が回らなかったのだ。

76 ::2007/11/08(木) 13:46:22.44 ID:NSuw27up0
>>73-74
ありがとう!やる気が出るよwww



 大会後にビップはツンに校舎の裏へ呼び出された。しかし現場にはツンだけではなく
ツンの仲間達も待ち伏せていた。ビップは嫌な予感がして足がすくんだ。その日に
限って誠とその側近達はバイクで遠征していたし、そこは職員室からも死角だった。
ビップの予想が裏切られる事はなく、先輩達に散々殴られ蹴られ罵倒された挙句、
天然の茶髪を数本力任せに引き抜かれた。

77 ::2007/11/08(木) 13:47:45.28 ID:NSuw27up0
 その事件以後、ビップはツンに完全に無視され続けた。ツンによるビップへの
嫌がらせはこの程度で済み、陰湿ないじめに発展する事はなかった。しかしリンチごっこを
受けた後遺症としてビップの右手首の筋がテニス選手として使い物にならなくなった。
通常の生活をする上では全く支障はないが、ラケットを振るたびに右手首が軋む様に
痛んだ。医者からはテニスを止められ、顧問からは見放された。だが、同学年の仲間達
とは今でも仲が良いし、よく遊んだりもする事だけがせめてもの救いだった。

 ツンがリンチ後に嫌がらせをしてこなくなったのは、誠の脅しが効いたからだとビップが
知るのは、中学卒業後の事である。


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:48:40.32 ID:55oQBdz20
sen

79 ::2007/11/08(木) 13:48:53.99 ID:NSuw27up0
●第四章 恋の終わり(´;ω;`)●

 受験生の一年は、ビップが思っていた以上に早く過ぎた。誠が卒業し、受験生となった
ビップは、都内の私立校を目指して受験勉強に励んだ。ビップは一年時から塾へ通って
いたが、三年になってからはその頻度も格段に上がった。しかし相変わらず誠や仲間の
先輩達とは遊んでいたし、ロリとの放課後の関係も継続していた。

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:49:07.14 ID:2dEYBsHDO
支援っと

81 ::2007/11/08(木) 13:50:58.63 ID:NSuw27up0
>>78
ゆとり「se・・・n・・・?」
いやwwwありがとうwww
>>80
君のIDは覚えちまったんだぜw



 朗らかな春の光に包まれながら、ビップはロリのせわしなく動く指先を眺めていた。
「この季節は良いね。明るい花がいっぱい咲くし」
そう言うとロリはビップの頭にいつも通り花冠を乗せた。今までいくつの花冠を作って
もらったのだろうとビップは思った。塾があってロリに会えない日でも、道で咲き誇る
花を見ると、ビップは自然とロリの事を頭に思い浮かべていた。

82 ::2007/11/08(木) 13:52:18.94 ID:NSuw27up0
 ロリの長い、ウェーブがかった淡い色の金髪が風にふわふわとなびく。髪に反射する
日の光に、ビップは目を眩ませた。

 ビップは足元に生えていた茎の長いタンポポを摘むと、それを丸めて輪を作った。
ロリの目は出来るだけ見ない。ビップはただ自分の手元だけに集中するよう努めた。
ロリはその様子をあぐらをかいて目を細めながら見ていた。その目は親が小さな子供を
あやす時のそれに似ていた。
「これ・・・」
ビップはロリの手のひらにタンポポを置いた。
「指輪?ナツいなー。俺もガキの頃によく作った」
「ナツい」とは当時やたら流行っていた言葉で、「懐かしい」という意味だ。ロリは
タンポポの指輪を左手の薬指にはめた。
「ありがとう」
ロリの右手がビップの頭を優しく包み込んだ。その瞬間、ビップは声を立てずに泣いた。
ロリは慌てたが、ビップにも何故涙が止まらないのかわからなかった。ただ次から次へと
涙が溢れてきて止まらなかった。

83 ::2007/11/08(木) 13:53:48.35 ID:NSuw27up0
 それからも、ロリと密会したり塾で授業を受けたりする毎日が当たり前のように続いた。
塾で帰りが遅くなった時には誠が自転車で迎えに来てくれた。さすがの誠も制服姿で
塾の前にバイクで乗り付けるのは気が引けたらしい。二人で帰ろうとすると、ビップは
しばしば同じ塾の友達にからかわれたが、特別気にはかけなかった。
「女の子って本当噂話が好きだよね。俺が迎えに行く度に騒ぐんだもん。うぜぇ」
「仕方ないよ。嫌でも目立つもん、”まこちゃん”は」
お互い中学に在学していた時には一応先輩後輩という関係を意識していたが、誠の卒業後は
すっかり昔の口調に戻ってしまった。

84 ::2007/11/08(木) 13:54:55.85 ID:NSuw27up0
 「お前もねー、良い加減”ちゃん”はやめろ。ダサいしバカっぽいんだよ」
「じゃ、誠」
「誠だぁ?生意気だな。呼び捨ては彼女と家族以外禁止」
「誠君」
「偉そう」
「だったら何て呼んで欲しいの」
「”誠様”ってどうよ」
ビップは大きく息を吐き出した。
「”誠様”、チョコあるんだけど食べる?」
誠はしばらく沈黙してから自転車を止めてビップの方に顔だけ向けた。
「キモいからその呼び方やめてくんない?」
「何それ!まこちゃんが呼べって言ったのに」
「もう良いよ、まこちゃんで。面倒くせぇ」
誠は荒っぽくペダルを漕ぎ出した。

85 ::2007/11/08(木) 13:56:10.97 ID:NSuw27up0
 受験生の夏休みはほぼ勉強一色で終わった。全く遊ばなかったというわけではないが、
ビップは生まれて初めて頭痛がする程勉強した。

 秋が来て、冬が来る。二学期になって急激に学校の成績が伸びたビップは、推薦で
の東京の私立高校への進学が決まった。ビップがその話を誠にすると、誠は中学時代の
仲間を集めて合格祝いを開いた。ビップが「まこちゃん」と呼ぶ度に仲間の中から
笑いが漏れた。

86 ::2007/11/08(木) 13:57:32.74 ID:NSuw27up0
 合格発表から卒業式までの月日は駆け足のように過ぎていった。校歌を斉唱し、
校長から卒業賞与を受け取る。ただそれだけの式典なのに、ビップの胸には熱いものが
込み上げてきていた。中学校生活は嫌な事も色々とあったが、毎日一つは楽しい事が
あったし、友達もたくさん出来た。そして校舎の隅で密かにロリと二人で会っていた事を
思い出し、ビップの心の中は卒業したくない思いでいっぱいになった。

87 ::2007/11/08(木) 13:58:33.95 ID:NSuw27up0
 閉式し、最後のホームルームが終わった。名残惜しい気持ちを感じながら、ビップは
一年間通い続けた教室をあとにした。

 ビップが廊下で友達と話をしていると、校舎の下から爆音のようなエンジン音が聞こえてきた。
それはビップの聞き覚えのある音だった。二年前に全く同じ音をビップは聞いた事がある。
だからすぐにその音の主はわかった。
「ロリさん!」
ビップは急いで窓を開け、地上に向かって叫んだ。派手に改造されたバイクに乗ったロリが、
三階にいるビップを見つけて手を振った。ビップの周りにいた友達はビップに矢のように質問を
浴びせたが、ビップの耳には入らなかった。

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 13:58:56.23 ID:+yeX+Ya9O
タイトルは「愛海」な

89 ::2007/11/08(木) 13:59:39.91 ID:NSuw27up0
 ビップは階段を飛ぶように駆け下りて、ロリの前に姿を現した。ロリは長髪を縛らず、
風まかせになびかせていた。ビップはヘルメットを受け取ると、ロリの後ろに乗った。
「バイクの二ケツは誠ので慣れてるとは思うけど、ちゃんと掴まっててね。落ちちゃうから」
「あ、えっと・・・、はい」
ビップはロリの腰に手を回して、顔を金色に光る髪の中に埋めた。耳を裂くようなエンジン音と
体を激しく撫でる風の仲で、ビップは目を瞑ってロリの体温を感じていた。

90 ::2007/11/08(木) 14:00:50.30 ID:NSuw27up0
>>88
「恋空」に対抗しまくりなタイトルwwwしかも海ってw



 十五分もしないうちに、二人は川原に到着した。三月とはいえまだ寒く、とても川に入る
気温ではなかったが、ロリは水辺に座り込んで水中を見つめていた。
「何かいますか」
ビップは中腰になってロリの後ろから声をかけた。
「ここにはいないみたいだね。もうちょっと奥の方へ行かないといないかも」


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:01:01.88 ID:eHMImK4dO
やべぇ、ロリさんかっけぇwww

92 ::2007/11/08(木) 14:02:12.69 ID:NSuw27up0
 ロリは両手で水を少し掬うと、それをビップに思いきりひっかけた。
「冷たい!何するんですか」
ビップは負けじと両手いっぱいに水を掬い、二度ロリにひっかけた。
「二倍返しです」
ロリはぶっと吹き出して笑った。
「ガキだなぁ」
「あんまり言うともっと水かけますよ」
むきになるビップをよそに、ロリは微笑を浮かべてビップの頭を撫でた。
「ビップちゃんは今十四歳なんだよね。きっとこれから色々なモノを見て、色々な事を
経験して大きくなっていくんだろうな。そうしたらどんどん価値観なんかも変わっていくん
だろうね」


93 ::2007/11/08(木) 14:03:45.39 ID:NSuw27up0
>>91
あれは少女漫画のようだったwww廊下走ってる途中先生に怒鳴られたがw



 ロリはまるで独り言のようにそう呟くと、ビップの額にそっとキスをした。ゆっくりと
ロリの顔と手が離れていく。ビップは不思議そうな目でロリの動作を見つめていた。
「もう帰ろう。家、誠ん家の近所でしょ?近くまで送ってく」
「はい」

94 ::2007/11/08(木) 14:04:57.83 ID:NSuw27up0
 行きと同じくビップはふわふわの髪に顔を埋めながらロリの体に掴まった。そして
川原での出来事を思い出していた。ロリの唇が静かに自分の額に触れた。ビップはこの時
初めて人の唇の柔らかさを知った。しかし自分が何度もキスを思い返している事が急に
恥ずかしくなり、ロリの背中に強く顔を押し付けた。

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:05:13.48 ID:crY5MKtGO
恋陸 恋海 恋空の三部作な

96 ::2007/11/08(木) 14:05:59.68 ID:NSuw27up0
 誠の家の前まで来ると、ロリはバイクを停めた。背の低いビップはよろけながら降りる。
「今日はありがとうございました」
ビップは深々とお辞儀をした。
「そんなに改まらなくても良いよ。俺が会いたくて来たんだから」
ロリは髪をかけあげて笑うと、ビップの頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でた。
「ビップちゃん、バイバイ」
「はい、バイバイ!」

97 ::2007/11/08(木) 14:07:24.71 ID:NSuw27up0
>>95
恋海はロマンチックな名前だけど恋陸ってwww
「私が好きになった人は陸のような人だったよ」とか?w



 この時のビップは、ロリの言葉の意味を深く考えていなかった。言葉が少し違うだけで
いつも通りの別れと同じだと思っていた。ロリの姿が見えなくなるまで、ビップは
無邪気に手を振り続けた。

 しかしこの日を境に数年間、ロリがビップの前に現れる事はなかった。


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:09:24.05 ID:1/B8l8CJ0
>>97
「私が好きになったのは陸軍、海軍、空軍の人だったよ」でよくね

99 ::2007/11/08(木) 14:09:25.42 ID:NSuw27up0
●第五章 再会。・゚・(ノД`)・゚・。●

 狭いアパートの部屋は甘い匂いで満たされていた。絨毯の上には数枚のCDが投げ出され、
部屋の角には無造作に上着が投げ出されている。キッチンから聞こえる忙しない食器の音で
ビップは目を覚ました。

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:11:17.33 ID:ST2SKG6UO
支援

101 ::2007/11/08(木) 14:11:27.72 ID:NSuw27up0
>>98
今読み返したら微妙に台詞間違えてたよwwwすまないw
「あたしの初めての恋の相手は、陸軍、海軍、空軍の人だったよ。
勢いよく周りを巻き込んで、止まる間もなくどこまでも連れ去っていく・・・」だったw



 ビップは寝ぼけた顔をして布団から這い出した。薬缶がしゅんしゅんと鳴っている。
「何してるの?良い匂いがする」
ビップの声を聞くとキッチンから長身の男が出てきた。腰にはエプロンを巻き、手には
菜ばしを持っている。
「さっきケーキ焼いたんだ。今はパスタ作ってるからちょっと待ってて。チーズいっぱい
入れてやったよ、ビップ好きだろ?」
「うん、好き。ね、デンシャ。半熟卵ものせて欲しい」
デンシャはくすっと笑うと自慢げに卵を掲げた。
「もう作ってあるよ。今日は特別。ビップの大学合格祝いだもんね。本当はもっと早く
してあげたかったんだけど、結局卒業式前日になっちゃったしね。盛大に祝わなきゃ」
「大袈裟だなぁ。でもありがとう」

102 ::2007/11/08(木) 14:13:22.51 ID:NSuw27up0
>>100
お、ありがと!



 ビップはYシャツのボタンを全部閉め、布団の近くに畳んでおいた制服のセーターと
スカートに手を伸ばした。気だるそうにのろのろと制服を着る。スカートのチャックを
閉めると、ビップは布団から降りてシーツの皺と掛け布団を直した。


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:13:31.14 ID:C1j3O0WHO
デンシャふいたwww

104 ::2007/11/08(木) 14:14:46.34 ID:NSuw27up0
>>103
本当に電車男なヤツだからこの名前にしてみたwww



 ゆっくりと動いたつもりだったがデンシャの調理はまだ終わらなかった。そこでまた
ビップは布団の上に座り込んで一人暮らしの男の部屋を眺め回した。高校へ入学してから
三年の間通い続けたデンシャの部屋は、以前と比べるとファンシーな雰囲気になった。
もっともビップがぬいぐるみ好きで、ゲームセンターで取ったり店で買う度に持ち帰れない
分を彼の部屋に置いていくからなのだが。しかし一見しただけでは大学三年生の男の部屋とは
思えない女々しさだった。

105 ::2007/11/08(木) 14:15:50.62 ID:NSuw27up0
 デンシャとの出会いは電車の中だった。ビップは高校入学後まもなく登校途中の電車内で
痴漢に遭った。その時丁度乗り合わせていたデンシャに助けられ、その日以来二人は
電車で顔を合わせる度に話をしながら登校するようになった。そして出会ってから三ヶ月くらい
経ったある日、ビップはデンシャから告白され、付き合う事にしたのである。


106 ::2007/11/08(木) 14:16:47.40 ID:NSuw27up0
 ビップはロリと川原に行って以来、彼とは全く会っていなかった。誠によると、ロリは
仕事を辞めてどこか遠くへ越していったらしい。仲間内でもその後のロリの行方を知る者はなく、
ビップは彼に再会する事を半ば絶望的だと考えていた。その矢先にデンシャからの告白が
舞い込んできたのだった。

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:17:20.42 ID:1/B8l8CJ0
>>101
戦場へと連れて行かれて恋愛小説から戦記小説になるわけか


ケータイ小説(笑)なんぞ読むぐらいならまだラノベのほうがマシだと思うがね

108 ::2007/11/08(木) 14:17:46.40 ID:NSuw27up0
 ビップはロリの事を忘れたわけではなかった。しかしデンシャの包み込むような優しさや
安心感も無視出来なかった。その上、ロリにはもう二度と会えないのだろうという思いが、
ビップの気持ちをデンシャの方へと向けさせた。

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:18:50.35 ID:81CLzbh8O
恋空じゃなく忍空に対抗してくれよ

110 ::2007/11/08(木) 14:19:43.47 ID:NSuw27up0
>>107
戦争の悲惨さを伝える良作になりそうだねwww
最近のラノベはレベル高いもんねw
スイーツ(笑)文章よりクオリティ高いw



 デンシャは両手に皿を持ってビップの前に座った。
「布団、直してくれたんだ。でもそんな事しても無駄だよ?またすぐぐしゃぐしゃにしちゃうし」
「エッチだよ」
「エッチだよ、男だもん」
ビップは床に置かれた皿を手に取って、デンシャに背を向けて食べ始めた。
「すぐスネるなって。ビップの嫌がる事はしないよ」
そう言うとデンシャは後ろからビップを抱き寄せて太ももの上に座らせた。そしてポケットから
何かを取り出し、ビップの首につけた。
「これってネックレス?指輪がついてる」
「うん。親父に教えてもらって俺が作ったの。だから世界で一個だけ。ビップにあげるよ」

 デンシャの父親は指輪を作ったり売ったりする会社の社長だった。行く行くはデンシャも
父親の跡を継いで社長になる事になっている。彼は所謂「御曹司」という人種だった。

111 ::2007/11/08(木) 14:21:21.51 ID:NSuw27up0
>>109
いつかやってるみるwwwこの流行が終わらないうちにw



 「何それー。良いな、彼氏からもらったの?」
ビップが教室に入るのと同時に、甲高い声が上がった。
「しぃ、声でかいよ。耳がキンキンする」
しぃはハッとした顔をして口元を手で隠した。
「ごめんね。ねぇ、それってやっぱり大学の合格祝いなんでしょ?」
ビップは机に鞄を置き、机に頬杖をついてそっぽを向きながら答えた。
「うん。まぁ、そんなところ」
「来年から六大学に行くんだもんね。でもビップなら推薦じゃなくても実力でもうちょっと
上行けたんじゃない?」
「上の大学行っても興味ある学部がないんだもん。それよりしぃが本当に来年まで受験
先延ばししちゃうとは思わなかったよ」
しぃは机の上で両腕を伸ばしながらため息をついた。
「今の私の実力じゃW大はさすがに無謀というか何ていうか。だから一年間受験勉強頑張る。
それで絶対に弁護士になるから」
「もし私が捕まったらしぃに弁護頼むよ」
「その前に捕まるなよ!」

112 ::2007/11/08(木) 14:22:44.19 ID:NSuw27up0
 しぃはビップが高校に入学して最初に仲良くなった女子だ。見た目はギャル系でいつも騒いで
いるからうるさいが、芯はしっかりとした子だった。彼女との関係は、高校卒業後から変わらず
今でもずっと続いている。

113 ::2007/11/08(木) 14:23:35.48 ID:NSuw27up0
 卒業式を終え、ビップが地元の駅に降り立った丁度その時、携帯に着信が入った。
相手は誠だった。
「もしもし、まこちゃん。どうかした?」
電話の向こうの誠の声は異常に慌てているように聞こえた。
「どうしたっていうか何つーか・・・。ロリさんが帰ってきたんだよ!今俺の家に来てんだ」


114 ::2007/11/08(木) 14:24:39.80 ID:NSuw27up0
 ビップは頭を思いきり叩かれたような気がした。誠が何か喋っていたが、ビップは電話を切り、
誠の家へと走り出した。駅から誠の家まではかなりの距離があったが、不思議な事に全く疲れは
感じなかった。

115 ::2007/11/08(木) 14:25:43.20 ID:NSuw27up0
 ビップが誠の部屋のドアを開けると、そこには見慣れない男が床に座っていた。髪は黒く、
少し耳にかかるくらいの長さで少しだけウェーブがかかっている。顔立ちは日本人離れしており、
その顔に微笑を浮かべながらビップの不思議そうな顔を見上げていた。
「ロリさん?」
男は呆然と立ち尽くしているビップの腕を引っ張り、自分の前に座らせた。そして両手でビップの
頭をぐしゃぐしゃに撫でた。
「久しぶり。ずっと会いたかった」
その声は確かにロリのものだった。突然の思いがけない出来事に、ビップは何も言葉が出てこなかった。
誠は黙って部屋の外へ出ていった。

116 ::2007/11/08(木) 14:26:51.87 ID:NSuw27up0
 「ビップちゃん、中学時代から顔変わってないね。来月には大学生になるのにすっげぇロリ顔」
ビップは顔を赤らめた。
「ロリさんは変わりすぎです。この三年間何してたんですか?誠にすら何の連絡もしないで」
「うん、ごめん。東京で真面目に仕事を探してたんだ。今は普通の会社で営業なんかやっちゃってる」
「どうして突然・・・」
ロリはビップの頬を軽くつねって笑った。
「どうしてだろうね。子供には内緒だよ」
ビップはロリの両頬をつねり返した。
「もう子供じゃないですよ。女です」
「いてぇし。どの辺が子供じゃないんだよ」

117 ::2007/11/08(木) 14:28:05.01 ID:NSuw27up0
 ビップは手を放すと、改めて懐かしいロリの顔を見つめた。暫くの沈黙の後、ロリはビップの背中に
両腕を回して抱き寄せた。
「誠から聞いた。今彼氏いるんだって?」
「・・・はい」
「ごめん。それなのにこんな事されて困るかもしれないけど、少しだけこのままでいさせて」

118 ::2007/11/08(木) 14:29:26.73 ID:NSuw27up0
 ロリは次第に腕の力を強めていった。少しずつビップに体重をかけていく。ビップは床の上に押し
倒され、ロリはその上で四つんばいになった。ふと、ビップの視界の端に小さな袋状の物が見えた。
ビップは机の下に落ちていたそれに手を伸ばして、自分の体の方へ引き寄せた。
「ゴム?」
ロリは素っ頓狂な声をあげた。恐らく誠がわざと置いていったのだろう。ビップがゴムの袋を指で
弄んでいると、ロリはそれを取り上げてゴミ箱に投げた。
「何度も謝るけど、ごめん。そういうつもりで来たわけじゃなかったんだけど、実際抱きしめたら
我慢出来なくなった。本当はビップちゃんが中学生の時からずっとこうしたかったんだよね」

119 ::2007/11/08(木) 14:31:02.08 ID:NSuw27up0
 ロリはビップを抱き上げて起こした。そして手でビップの乱れた髪を直しながら言った。
「もし、ビップちゃんが俺としても良いって思ってくれてたらこのアドレスか番号に連絡して。
今しても困らせちゃうだけだろうし、俺は適当に待ってるよ」

 部屋に連絡先を書いた紙だけを残して、ロリは家へ帰っていった。部屋に入ってきた誠はゴミ箱に
捨てられているゴムを見つけて嘆いた。

120 :1なわけだが:2007/11/08(木) 14:36:16.67 ID:cOZVGe98O
ばいばいサルさんされたー!

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:36:20.09 ID:55oQBdz20
まだ追いついてないから落ちちゃやだよ支援

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:37:40.41 ID:eHMImK4dO
ロリさん大人だわ。
俺が女なら絶対惚れてる。

123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:38:19.56 ID:UUkww6sKO
さるブローック

124 :1:2007/11/08(木) 14:39:23.39 ID:cOZVGe98O
すまない
サルさん規制ってどうやって解除したら良いんだ?
教えてエロい人

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:41:13.97 ID:dkE1bsry0
まあブログに乗るだろうから寝るわノシ

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:42:02.47 ID:Q3XfXwcW0
支援

127 :1:2007/11/08(木) 14:42:11.09 ID:cOZVGe98O
一番上の長男〜♪

128 ::2007/11/08(木) 14:43:02.56 ID:NSuw27up0
●最終章 想い( ´∀`)人(´∀` )●

 ロリと再会してから一週間後、ビップはデンシャと別れた。このまま付き合っていっても
デンシャの気持ちには応えきれない気がしたからだ。彼は大人しく別れる事を認めてくれたが、
同時に
「暫くは諦めないつもり。そのロリって人って人次第じゃ、きっとまた奪い返すと思うから」
と笑いながら言っていた。

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:44:30.17 ID:Q3XfXwcW0
追い付いたと思ったら
もう最終章なのか〜

130 ::2007/11/08(木) 14:45:11.87 ID:NSuw27up0
>>121-126(自分は省く)
支援ありがとう。おかげで解除されたw
これからはやばそうな時は携帯から随時自演するwww



 そしてその数日後、ビップはロリに電話をして東京にある彼のアパートへ行った。ロリが玄関の
ドアを開け、静かに閉める。ビップが靴を脱いでいると、すごい力でロリが抱きついてきた。
あまりの力にビップが抵抗してもびくともしない。ロリはそのままひょいとビップを抱き上げて
ベッドへ寝かせた。


131 ::2007/11/08(木) 14:48:48.00 ID:NSuw27up0
>>129
あまりgdgd続けてもねwww引き際が大事w



 長い時間キスをしていた。数年分のキスを一度にまとめてしているかのように、お互いがお互いを
求め合った。ロリの唇がゆっくりとビップの首筋をなぞる。
「好きだ。初めて会った時からずっと好きだった」
その言葉を聞いてビップは涙を流した。どうしようもなく胸が苦しくて、涙が止まらなかった。
「大好き」
ビップはロリの耳元で小さく囁いた。ロリはうん、うんと何度も頷き、指でそっとビップの涙を
拭った。

132 ::2007/11/08(木) 14:50:33.04 ID:NSuw27up0
 ビップが目を覚ますと、窓からは既に夕方の光が差していた。ビップは隣でぐっすりと眠っている
ロリの唇を指でつついた。そして指を頬から耳にかけて這わせ、柔らかい髪を静かに撫でた。
ロリが低く短いうなり声を上げて寝返りをうった。ビップはロリの背中に自分の額をそっと
押し付けて、また目を閉じた。全身からロリの体温が伝わってくる。ビップはまた目を潤ませた。


133 :1:2007/11/08(木) 14:51:29.86 ID:cOZVGe98O
ちょっと洗濯物いれてくる

134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:54:13.91 ID:KRJjh01qO
う〜、トイレトイレ

135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:54:31.87 ID:Q3XfXwcW0
wktkしながら待ってる

136 ::2007/11/08(木) 14:55:20.82 ID:NSuw27up0
>>134
遠慮せずに行きなさいwww
>>135
ただいまw



 ロリは目を覚ますと、上体だけ起こしてタバコに火を点けた。ビップは猫の箱座りのような姿勢で
それを見つめていた。
「誠が相手でも譲れなかったんだよね、ビップの事」
「え?」
ビップは少しロリの方に体を近づけた。
「鈍いよなぁ。ちょっと誠が可哀想かも。まぁ、誠が何て言ったって俺は譲るつもりはなかったけど」


137 ::2007/11/08(木) 14:57:00.01 ID:NSuw27up0
 ロリはタバコを灰皿に押し付けた。ジュゥッという小さな音がした。
「俺ね、一週間後には外国の空の下なのよ」
「え・・・。え?」
ビップは掛け布団を跳ね除けて体を起こした。ロリは微笑を浮かべながら、真っ裸のビップの肩に
布団をかけた。
「俺ね、こう見えても英語はぺらぺらなんだ。親とか親戚がアメリカ人だから、昔から何度も
あっちに遊びに行ってたしね。外国には仕事で行くんだ。帰ってくるのは何年先なのか・・・むしろ
帰ってくるかすらよくわからない」
ビップは目を丸くした。
「またいなくなっちゃうんですか?」
「うん。もしかしたら今度こそもう二度とビップと会えなくなるかもしれない。俺が帰国しない限り」
「外国ってどこの国なんですか?私も行く。行きたい」
「国は内緒。もちろん誠にも。誰にも教えるつもりはないよ」

138 ::2007/11/08(木) 14:59:15.94 ID:NSuw27up0
 ビップは大きく首を左右に振った。ロリはそれをなだめるように額にキスをした。
「さっきも言ったけど、俺はこの先どうなるのか自分でもわからない。もう一生ビップに会えない
かもしれない。だからビップは俺の事、待ってくれたりなんかしなくて良いからね。むしろ俺は
そんな風にビップがいつまでも俺の影に縛られてるのは望まない。ビップはまだ若いんだから。
これからまだまだ成長していくんだろうし、自分ではまだ気付いていない色んな可能性だって秘めてる
かもしれない。それにきっと色んな人にも出会うはず。だからビップは俺の事なんか考えないで
自分の思うように生きていけば良い。もしこの先、俺じゃない誰かを好きになったとしても
ビップが付き合いたいと思えば付き合えば良いし、結婚したい相手と巡り会えたら迷わず結婚
するんだよ。でも仮に俺が帰国した時にビップが他の人のものになってたとしても、俺は必ず
ビップを奪い返すから。もしかしたら不倫とかしちゃう羽目になるかもね」

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 14:59:44.22 ID:Q3XfXwcW0
おっ早いな。おかえり〜

140 ::2007/11/08(木) 15:01:03.63 ID:NSuw27up0
 ロリはビップを抱き寄せてお互いの額を合わせた。
「だけどもし、ビップが辛くて苦しくて自分に自信をなくした時は俺の事思い出して。俺はこの
数年間ずっとビップだけを愛してた。ビップは俺の人生を大きく変えてしまうくらい、俺に愛されて
いたんだ。ビップはそれだけ人に愛される価値のある人間なんだよ」

141 ::2007/11/08(木) 15:03:39.29 ID:NSuw27up0
>>139
タオル以外乾いてなかったんだぜwww



 ロリが日本を経つまでの一週間、二人は毎日同じ時間を過ごした。ロリは一日一つずつ花冠を作って
ビップの頭にのせた。夜はお互いの手を握りながら眠りに落ちた。

142 ::2007/11/08(木) 15:05:34.87 ID:NSuw27up0
 「今日だったっけな。ロリさんが経つ日」
喫茶店で必要以上にリラックスした体勢で誠が言った。
「見送りしたかったな」
ビップは誠が乱暴にかき混ぜているコーヒーのスプーンを眺めながら呟いた。
「仕方ねぇよ。行き先は秘密にしたかったらしいし、お前が見送りなんかしたら多分あの人飛行機
乗らねぇだろ」
「そうだったらちょっと嬉しいかも」

143 ::2007/11/08(木) 15:07:44.06 ID:NSuw27up0
 誠はコーヒーを一気飲みすると、カップをガシャンと音をたてて置いた。そして大きく息を吸うと
ビップの顔を睨みつけた。
「ビップ。早速なんだけど俺、お前を狙う事にするから」
「は?」
「昨日ロリさんに電話で言われたんだよ。すっげぇ悔しかった。『本気で好きな子がいるんだったら
誰かから奪い取るくらいのつもりで落とせ』だってさ。あの人俺の気持ち知ってて言いやがった。
俺がずっと前からビップを好きだってとっくに気付いてたんだ」

144 :1:2007/11/08(木) 15:08:17.91 ID:cOZVGe98O
そろそろサルガードw

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:08:33.15 ID:55oQBdz20
追いついた

146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:09:41.12 ID:Q3XfXwcW0
支援

147 ::2007/11/08(木) 15:09:47.15 ID:NSuw27up0
>>145
ずっと読んでくれてたんだなwありがとうw



 ビップはジュースを飲み干すと、暫く考え込んでから言った。
「内藤から聞いたんだけど、ロリって今彼女いるんでしょ?この間家に連れ込んでたらしいじゃん」
「ばっか、お前・・・あの子は別に彼女じゃねぇし。ていうか俺は今まで彼女とかいた事ねぇよ」
「嘘!だって中学の時に部室でエッチな事したA子ちゃんって子は?」
「や、あの子はほら・・・。うん。とにかく彼女なんかじゃねぇよ。俺が好きなのは昔からお前だけ。
だから今は無理でもいつか必ず俺のモノにするから。ロリさんにもデンシャとかいうヤツにも
負けないくらい俺に惚れさせてやる」
ビップはふふっと吹き出して笑った。
「自分で言ってて恥ずかしくない?」
「うっせぇな。恥ずかしいに決まってんだろ」

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:10:13.37 ID:zVfmiLcaO
つづきwktk

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:10:47.72 ID:eHMImK4dO
泣ける!恋空より泣ける!

150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:11:09.51 ID:8CfnxwGiO
支援

151 ::2007/11/08(木) 15:11:42.09 ID:NSuw27up0
>>148-149
ありがとうwww最高のほめ言葉なんだぜwww



 二人は喫茶店の扉を開けた。風がビップのもとに桜の花びらを運んでくる。ビップの頭の上も
足元もピンク一色に包まれていた。まるでその場所自体が一つの花であるかのように、視界全てが
花びらで覆われていた。

152 ::2007/11/08(木) 15:14:02.95 ID:NSuw27up0
>>150
支援ありがとーw



 「ビップ」
ビップは後ろからゆっくりとした足取りでついてくる誠の方へ振り向いて立ち止まった。
「なぁに?まこちゃん」
誠はビップの頭に髪飾りをつけるかのように桜の花をつけた。
「可愛い。アレだな、馬子にも衣装とかいうやつだ」
「ばぁか」

 二人は桜の花びらを纏って春の風にまかせて歩いた。



〜おしまい〜


あとは何か質問とか指摘があったら答えていこうと思うw
まだ洗濯物乾かなくて暇だしなwww


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:15:49.36 ID:eHMImK4dO
これって現在進行形?
っていうか>>1いくつよwww

154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:16:15.72 ID:55oQBdz20
乙!おもしろかったよ。

155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:16:24.78 ID:eHMImK4dO
おっと忘れてた。

>>1 超 乙 で し た !

156 ::2007/11/08(木) 15:16:40.02 ID:NSuw27up0
>>153
全部過去形の話w
今はもう21。大学4年ですwww

157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:17:48.84 ID:8CfnxwGiO
短く纏められててすごく良かった。

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:18:27.57 ID:zVfmiLcaO
>>1乙!そしてありがとう。
少ししか読んでないけど良い話だった!最初から読んでみる。

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:19:26.60 ID:55oQBdz20
中学のころは色々女友達もいて遊んでたけど
高校に入って勉強の虫になって
さらに大学に入ってオタクになって、青春なんて全然感じなくなったなorz

160 ::2007/11/08(木) 15:19:55.44 ID:NSuw27up0
>>154-155
ありがとうw君達の支援と保守でここまで来られましたw
ロリさんは良い男w

>>157
書きたい事はもっとあったんだけど、あまり長すぎてもねw
それこそチラシ裏でやれって言われちゃうしw

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/08(木) 15:22:25.93 ID:4zCKY18hO
>>1
乙!

162 ::2007/11/08(木) 15:23:12.59 ID:NSuw27up0
>>158
君のレスにも支えられたよwありがとうw
暇なときにでも思い出して読んでやってくださいw

>>159
今からでも遅くない!遅くない・・・はずw

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