秋山復活１回ＫＯ！次は“柔道夢対決”吉田戦も…ＨＥＲＯ’Ｓ

　◆ＨＥＲＯ’Ｓソウル大会　○秋山成勲（１回４分４５秒　右アッパー→ＫＯ）デニス・カーン●（２８日、ソウル・ジャンチェン体育館）　昨年大みそかの桜庭和志（３８）戦で、保湿クリーム塗布事件を起こした秋山成勲（３２）＝フリー＝が、デニス・カーン（３０）＝カナダ＝に１回４分４５秒、右アッパーでＫＯ勝ち。約１０か月ぶりの復帰戦で快勝した。鮮やかなＫＯ勝利に、谷川貞治実行委員（４６）は、大みそかの「Ｄｙｎａｍｉｔｅ！」（京セラドーム大阪）の出場を確約した。

　復帰戦での劇勝に、秋山が歓喜を爆発させた。コーナーに上がり、雄たけびを上げた。祖国で大歓声を浴び「今までのことが走馬灯のようによみがえりましたね。あのことがあっても、応援してくれたファンのみなさんの気持ちが何よりの支えになった」と感謝した。

　昨年大みそかの保湿クリームを使用した桜庭和志戦と同様、柔道着で入場した。正座して一礼し、仲間と手をつないだのも同じだった。違ったのは試合直前に柔道着を脱いでから。レフェリーに入念なボディーチェックを受けた。もちろん、クリームは塗っていない。反則行為がなくても、秋山は強かった。

　左ジャブでカーンの鼻から出血させてペースを握った。コーナーに追い込み、左ジャブから右アッパーを一閃（いっせん）。カーンは試合後、病院に直行するほどのダメージを負った。フルラウンドを想定していた秋山は「この勝ち方は想像してなかったので、コメントは用意してません」。自分も驚く衝撃的な勝利だった。

　ヌルヌル事件は、抗議が殺到する大騒動に。自分の過ちとはいえ、無期限出場停止と、先が見えない日々を過ごした。母・銀華さんと抱擁し「喜びは、やっぱり母親に伝えたいですね。自分の命を捨ててでも、僕を守ってくれる」と目を潤ませた。

　谷川氏は、秋山を大会ＭＶＰに挙げ、大みそか出場を確約した。秋山は「出してもらっていいんですかね」と慎重な姿勢だったが、谷川氏は「吉田（秀彦）選手と当てたい。交渉はしてませんけど」と、“柔道夢対決”をぶち上げた。次は日本で、事件を起こした大会で、改心した姿を見せる。

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