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秋山が韓国で復帰会見も“針のむしろ”

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秋山(右)はユン・ドンシクとそろってガッツポーズをつくる
秋山(右)はユン・ドンシクとそろってガッツポーズをつくる

 【ソウル1日=井上真】無期限出場停止中だった秋山成勲(32=フリー)が処分を解除され、復帰会見に臨んだ。昨年大みそかDynamite!!での桜庭戦で、試合前に全身に保湿クリームを塗って出場。1月11日の謝罪会見以来、約9カ月ぶりに公の場で発言した。HERO’S韓国大会(28日、ソウル・奨忠体育館)出場(対戦相手は未定)が決定も、ネクタイ姿で直立してあいさつする顔には、悲愴(ひそう)感が漂っていた。

 すべてを水に流して再出発、という空気ではなかった。秋山は5選手が出席した会見に1人だけスーツ、ネクタイ姿で現れ、直立不動で謝罪。それでも、今後同じリングで戦う可能性のあるファイターたちは本音をぶつけた。ヘビー級のキム・ミンスは「彼の復帰について同じファイターとして直接申し上げることはできない」と言った。ベテラン金泰泳は「言葉よりも姿勢で見せてほしい」と厳しく指摘した。

 「やっとリングに立てる可能性が出てうれしいです。この気持ちをリング上で出せることが喜びです」と話した秋山も、先輩や同僚たちの苦言には黙って聞き入った。認識不足とは懸け離れた、ルール違反により格闘技に与えたダメージは計り知れない。秋山は社会的な批判にさらされ、収入は途絶えた。母劉銀華さん(53)にも地元大阪でつらい日々を強いてしまった。

 「自分は何を言われてもいいです。それは自分が悪いのだから。ただ、家族に迷惑を掛けて本当につらかった」。7月下旬、新潟中越沖地震の被災地を見舞った時、秋山が漏らした言葉だ。悔いと反省の約9カ月。この日も会見の冒頭で、あらためてファン、関係者に謝罪し「桜庭さんに本当に申し訳ないことを致しました」と頭を下げた。

 谷川EPは処分解除の根拠に(1)テレビ局、スポンサーの理解(2)審判団の理解(3)ファンの後押しを挙げ、文書で韓国FEG鄭代表に渡した。5日に日本でも復帰会見を行うが、秋山にとって祖国韓国よりも厳しい空気が待ち構えている。対戦相手は未定も、強豪外国人選手と組まれるのは必至。クリームを塗って招いた汚名だ。自分の手でぬぐい取るしかない。

[2007年10月2日9時16分 紙面から]

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