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【やばいぞ日本】第4部 忘れてしまったもの(2)「お前ら全員辞めさせる」 (4/4ページ)
このニュースのトピックス:脅迫
関係者によれば、この教員はそれまで、指導力が高いと校長からも信頼されていた。
ところが一部の親のメールがきっかけで、児童にあなどられても強い指導ができない“ダメ教員”になってしまった。教員は結局、自ら希望して別の学校に異動した。
親が身勝手な要求を行い、教員が萎縮(いしゅく)するようになれば、それは学級崩壊につながり、子供たちに悪影響を及ぼす。
今年6月以降、東京都港区教委や北九州市教委などが、公立学校で保護者との間にトラブルが生じた際、校長が法律上の問題などを弁護士らに直接相談できる態勢を整え始めた。だが、こうした取り組みはまだ緒に就いたばかりだ。
公教育は、秩序ある社会生活を営むための学力や規範意識を身につけさせるものだ。昨年12月に改正された教育基本法の前文にも「公共の精神を尊び」という文言が追加された。こうした当たり前の意識が社会全体に欠けていることは否めない。「公共の精神」を考えようとしてこなかったつけは大きい。(川瀬弘至)