辰野町議会(篠平良平議長)は7日、町立辰野総合病院の移転新築問題に関連し、厚生労働省や総務省、財務省、文部科学省など関係省庁を訪ね、辰野町が直面している医療問題の現状を説明するとともに、「自治体病院の医師確保対策を求める意見書」を提出し、国としての対策を要望した。同町議会が国の関係機関へ直接要望活動をするのは初めて。
意見書は9月町議会定例会で議決したもので、深刻な医師不足から将来的な病院の存続も厳しい状況に危機感を強めた町議会が、「地域医療を守るために議員自らも行動を」(篠平議長)と省庁訪問に踏み切った。
篠平議長をはじめ議員12人は、午後1時半から訪ねた厚生労働省で、舛添要一厚労相あての意見書を二川一男医政局総務課長に提出。約40分間にわたる懇談で、篠平議長らが産婦人科、小児科の医師不足の現状と医師確保の問題点、医療体制の実情などを説明した。
厚労省側は医師不足問題の背景などを説明。二川課長は「地方における医療の問題の現状は承知している。目下、省を挙げて中長期の対策を検討している。制度の見直しを含め予算措置を講じる方向で進めている」と語った。
このあと一行は財務省も訪れ、丹呉泰健官房長、真砂靖主計局次長に陳情した。
国関係省庁への訪問を終え篠平議長は「思いは伝えることが出来た。全国的に厳しい状態にあり、即効性のある対策は難しいことも改めて分かった。辰野病院も特色づけを再研究する必要があると感じた」と話した。