オトコが、アンダーヘアをカットするのがブームになりつつあるらしい。そもそも日本では、60年代まで体毛はオトコの象徴だった。加山雄三やショーン・コネリーなどに人気があったのは胸毛のおかげだ。「毛深い＝オトコらしさ」だったのだ。

だが、そうした傾向は70年代から下火になり、80年代になるとオトコでもスネや腕の毛を剃るようになった。そして90年代からは眉毛のカットや、ヒゲの永久脱毛まで行われるようになった。そして、いま、最後の牙城アンダーヘアまでもがカットの対象になりつつあるという。

日本のホストに詳しい佐々木氏は次のように語る。「ホストのほとんどが、アンダーヘアの手入れをしています。量を少なくするのと、長さを短くするのと、周りのヘアを永久脱毛するんです。この三点をしなければホストとして失格ですね」

この傾向は、一般のオトコにも広まっているようだ。アパレル業界に勤める宮崎氏（33）はこう話す。「僕は、ジーンズをはくときは下着をはきません。その時にヘアが伸ばしっぱなしだとダサいですよね。だから、短くするようになったんです。それに、長いと、チャックにヘアが挟まっちゃうんですよ」

海外では、アンダーヘアのカットは普通に行われている。欧米はもちろん、アジアなどでも、アンダーヘアは通常半分ぐらいにカットするとされている。理想は、3センチ前後だ。それより短いとチクチクするし、長いと剛毛に思われてしまう。これは男性でも女性でもそうである。

脱毛専用のエステに勤める美由紀さん（35）は次のように語る。「女性のブームが数年遅れて男性に回るものです。02年前後から女性のなかで、ビキニラインの脱毛の延長線で、Ｉライン脱毛がブームになりました。男性がアンダーヘアの処理をするようになったのは、その3年後ぐらいからですね。凝っている人だと、脱色もします。」

では、女性はこうしたアンダーヘアの脱毛についてどう思っているのか。独自調査をしたところ、評判は芳しくない。「遊んでいるように見える」「格好つけすぎ」「信用できない」などという意見が大半だった。しかし、美由紀さんは次のように言う。

「今はまだ受け入れられていません。けど、女性のＩラインだって最初はそう言われていました。やっぱり慣れですよ。高校性のほとんどが眉毛をカットしているのと同じで、あと数年したら『それをしなきゃ、オトコじゃない』みたいに思われちゃいますよ」

■取材協力 佐々木さん
・女性用風俗情報館

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