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北九州にIT産業の集積加速、ソフトバンクIDCが進出へ


データセンター建設を発表した記者会見で握手する真藤・ソフトバンクIDC社長(中央)ら(6日、北九州市役所で)

 ソフトバンクIDC(東京)は6日、北九州市八幡東区にある新日本製鉄の工場跡地に、企業のサーバーの運用を代行するデータセンター「アジアン・フロンティア」を建設すると発表した。同市内ではここ数年、データセンターやコールセンターの立地が相次いでおり、IT産業の集積が一層厚みを増すことになる。

 データセンターは顧客のサーバーを預かり、運用や保守作業を行う施設。計画では、2008年秋までに、3万平方メートルの敷地に2階建ての2棟(計延べ8000平方メートル)を建設し、社員ら約20人で運営する。投資額は約70億円。さらに数百億円をかけ、12棟まで増設する構想もある。すべて完成すれば、国内最大級となる。

 ソフトバンクIDCは北九州市への進出理由について〈1〉施設を増設する土地の余裕がある〈2〉地震が少ない〈3〉交通の利便性が高い――などを挙げている。

 この日、北九州市役所で記者会見した真藤豊社長は、同市と韓国・釜山市との間に、高速大容量の光海底ケーブル「日韓IT光コリドー」が敷設されていることに触れ、「韓国は(インターネットを使った)オンラインゲームが普及し、かなりの利用者がいる。このデータセンターの開設で、日韓双方の顧客をカバーできる」と、立地のメリットを強調した。

 北九州市は、港湾、空港に続く「情報の港」を整備する「e―PORT構想」を掲げ、IT関連企業の誘致に力を入れている。ソフトバンクグループでは、03年に日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)がデータセンター、06年にはソフトバンクBBがネットワークの監視センターと顧客センターを、いずれも八幡東区に開設しており、一大拠点を形成しつつある。また、NTT西日本も10月、小倉北区にデータセンターをオープンさせた。これまでに同市に立地した主なIT関連企業の雇用創出は約2800人にのぼる。

 現状では、IT関連の施設の多くは東京と大阪に集中しているが、地震などの災害への対応策として、地方への分散が進むと見られている。

 北九州市は「ソフトバンクグループの進出がこれだけ続けば、他の企業にも注目してもらえる」としており、今回の立地をテコにIT関連企業の誘致を加速させる構えだ。


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