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麻疹ウイルスの侵入構造解明 エイズ対策に応用も
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九州大の柳雄介教授(ウイルス学)と前仲勝実准教授(構造生物学)の共同研究グループは6日、はしかの原因の麻疹(ましん)ウイルスが細胞に侵入する際、ウイルスの表面にあり、細胞側の受容体と結合するタンパク質の立体構造を「世界で初めて解明した」と発表した。
構造解明はウイルスの細胞侵入を食い止める手法を究明することにつながり、グループは「エイズを含むさまざまなウイルスの新ワクチン開発にも応用できる可能性がある」としている。論文が今週にも米国科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。
研究グループによると、ヒトの細胞を使い大量に精製したタンパク質を結晶にして、エックス線で解析。6つの羽根を持つプロペラ状の構造をし、大部分が鎖状の糖で覆われていることが分かった。
プロペラ状の先端の一部は糖に覆われていない部分から突き出ていて、細胞と結合し、ウイルスが増殖していくメカニズムも解明できた。
はしか予防に有効な麻疹ワクチンは、抗体がこの結合部分を覆ってウイルス侵入を防ぐ仕組みになっており、エイズなどほかのウイルスにも応用可能という。