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県:昨年度公営企業決算 10病院すべて赤字、計37億円 /島根

 ◇医師不足、患者減り

 県内10カ所の市町村立病院の06年度赤字が、前年度に比べ21億8000万円も増え、37億8300万円に上ったことが、県市町村課のまとめで分かった。一方で、市町村などからの繰入金も35億8200万円に上る。医師不足や診療報酬のマイナス改定により、経営の悪化に歯止めがかからないと同時に、市町村財政の大きな負担になっている現状が浮き彫りになっている。【酒造唯】

 県市町村課が、各市町村の公営企業の06年度決算を公表した。地方公営企業法の適用を受ける▽上水道▽病院▽工業用水▽交通▽ガス▽駐車場の6事業26企業の純損益は、合計で31億8500万円の赤字。このうち、病院(10病院)だけで37億8300万円の赤字を計上。交通(1億5800万円)、ガス(3億1000万円)の2事業も赤字決算だった。

 病院の内訳では、松江市立病院が、新築による減価償却費が大幅に増えたことや、旧病院の取り壊し費用を損失に計上したことから、23億2124万円(対前年度比261%)の赤字を計上。05年度に黒字だった大田市立病院、邑智病院も、医師不足により入院、外来患者が減って収益が悪化し、06年度は赤字に転落。10病院すべてが赤字となり、うち7病院で収益が悪化した。

 病院事業への繰入金は、対前年度で8300万円増え、35億8200万円となった。10億円以上を繰り出した松江市を始め、各病院とも1億~4億円に上る。財源は各市町村や一部事務組合、広域連合の一般会計がほとんどで、市町村の財源を圧迫している。県市町村課は「市町村の財政は極めて厳しく、これ以上の繰入れを期待するのは困難な状況。経営基盤の強化、安定化を目指す必要がある」としている。

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 ◇市町村立病院の決算

           06年度純損益   05年度純損益  自治体からの繰入金(06年度)

松江市立病院   ▲23億2124万円 ▲6億4296万円 10億5334万円

出雲市立総合医療センター

          ▲3億5172万円 ▲2億1424万円  2億1439万円

大田市立病院    ▲1億4583万円    4093万円  2億2168万円

安来市立病院    ▲2億3858万円 ▲1億6421万円  3億7343万円

奥出雲町立仁多病院   ▲5359万円   ▲9889万円  3億2156万円

飯南病院        ▲6904万円 ▲1億 943万円  2億 474万円

雲南総合病院    ▲4億4618万円 ▲2億4986万円  3億 566万円

邑智病院        ▲3103万円     709万円  3億9106万円

隠岐病院       ▲1億983万円 ▲1億6820万円  3億6423万円

隠岐島前病院      ▲1542万円    ▲360万円  1億3190万円

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計        ▲37億8251万円 ▲16億339万円 35億8202万円

 (▲は赤字、千円以下切り捨て) 

毎日新聞 2007年11月6日

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