◇病棟を改修、医師21人体制へ
経営難による医師不足に悩む銚子市立総合病院(佐藤博信院長、393床)に、11月から新しい内科医1人が着任し、勤務を始めた。来年度からは更に2人増え、医師21人体制の見通しがつき、再建に向けた道筋が見えてきた。
同病院の医師数は、派遣元の日大病院の医師引き揚げで3月末に7人減の22人になった。その後も退職者が出るなどし、10月末には18人になってしまった。こうした事情から内科、小児科、産婦人科の新規入院患者受け入れを制限。手術が必要な2次救急も休止していたが、今回の医師増員で、入院患者受け入れと、内科系患者の平日昼間の救急診療を再開した。
昨年度は総額5億5000万円を一時借り入れるなど、経営が厳しかったが、危機を知った市民からの寄付金で病棟の改修も進み、それに伴って患者数も増加。収入増につながった。
今回の増員に加え、整形外科医など医師数人とも交渉中で、好感触を得ているという。
同病院は、来年度から5年間の「病院事業経営健全化計画」を策定。経営重視の管理運営、奨学金制度の創設、医療病棟(23床)や回復リハビリ病棟(42床)の年間開設、老人保健施設の設置--など、年度ごとの事業目標を掲げている。
佐藤院長は「何よりも医師確保が優先だが、5カ年計画実施なくしては病院の継続はない。施設の有効利用などで健全経営を図り、市民の安心安全を守る」と話している。【新沼章】
毎日新聞 2007年11月7日