中長期的な認知症対策をさまざまな角度から検討する「東京都認知症対策推進会議」(議長=日本大学文理学部・長嶋紀一教授)は11月6日、2回目の会合を開き、地域での生活支援の仕組みづくりを話し合う「仕組み部会」と、症状に応じた医療支援体制について話し合う「医療支援部会」の2つの専門部会における検討状況を確認した。 同会議は、認知症になっても認知症の人と家族が地域で安心して暮らせるまちづくりを推進する具体的な施策を検討するため今年7月に初会合を開催。さまざまな検討を総合的に進めるにあたって、仕組み部会と医療支援部会の2つの専門部会を設置し、それぞれ精力的に議論を行っている。
仕組み部会が目指すのは、認知症の人と家族に対する地域での「面的」なシステムの具体化。部会では、都が選定したモデル地区である練馬区と多摩市が社会資源を連携させながら認知症支援に取り組む「認知症地域資源ネットワーク事業」と、認知症高齢者への自主的な取り組みを行う5つの介護サービス事業者に都が補助を与える「認知症支援拠点モデル事業」という2つの事業を並行して実施していく。
これまで開いた会合は2回。認知症支援拠点モデル事業については、補助を受けていない他事業者へも取り組みを普及させていくための措置や、効率的な地域資源との連携などを図るため、部会委員から活発な意見が出されている。
医療支援部会は、認知症の人の医療支援体制を検討する専門部会で、これまで2回の会合を開催している。議論の進め方としては、まず、軽度から終末期までの認知症の段階ごとに検討を進めていき、各段階で認知症・身体症状双方で必要とされる医療について整理する。その上で@本人・家族AケアマネジャーなどのコーディネーターBかかりつけ医C認知症の専門医・専門医療機関D身体疾患を対象とした一般病院―の医療にかかわる5つの立場が、各段階の医療をどの程度担うべきかを話し合う。
これまでの会合では、軽度の認知症段階における課題を検討。早期の受診を促す方法や、より迅速に的確な診断を得る体制、さらに本人や家族の負担感の軽減と医療資源の有効活用の両方の実現について模索している状況だ。具体的には、かかりつけ医と認知症専門医との連携などに言及。何らかの簡易なフォーマットを共用して情報の共有することが解決策の一つとして挙がっている。
この日開かれた同会議の会合では、両部会の部会長がこれらの検討状況を報告。委員らは内容を確認し、両部会において引き続き専門的な議論を深めていくことを求めた。
更新:2007/11/07 キャリアブレイン
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