学習指導要領の改定作業を進めている中教審教育課程部会は7日、約30年ぶりに小中学校の授業時数を増やして「ゆとり教育」を実質転換する「審議のまとめ」を正式決定した。公募した意見などを踏まえ、年明けごろまでに答申する予定。
文部科学省は来年3月をめどに改定学習指導要領を告示、早ければ2011年度から実施する。
審議まとめが示した改定学習指導要領の基本的な考え方は(1)知識を習得し活用する力を確立するための授業時数確保(2)改正教育基本法を踏まえた伝統や文化の尊重、国を愛する態度の育成(3)学習意欲の向上−など。
これらを実現するため、小中学校で主要教科を中心に授業時数を増やしたほか、小学校の英語活動や中学校体育での武道を必修化。ゆとり教育の目玉だった総合的な学習の時間は削減した。道徳の教科化は今後の検討事項として実質見送った。
授業時数増への対応や、子どもと向き合う時間を確保するため教員を増やしたり、外部の人材を活用したりすることが必要と条件整備にも言及した。