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「大連立」翻弄される政界 「渡辺恒雄氏仲介」 (2/3ページ)
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一方、小沢代表が自衛隊海外派遣に向けた恒久法制定を持ちかけると、福田首相は熱心に聞き入っていたが、「小沢理論」は難解だったようで、会談中にもかかわらず、あちこちに電話で問い合わせをし始めた。
会談開始から1時間12分後、福田首相は中断を申し入れた。首相の表情には何としても合意を取り付けたいとの強い意志がにじみ出ていた。
会談は午後6時半過ぎに再開され、その後約1時間続いた。
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10月30日に行われた1回目の党首会談で、福田首相と小沢代表はともに会談内容を一切明かさなかったため、数日間、永田町は憶測で持ちきりとなった。
福田首相は首相秘書官らにも徹底して秘密主義を貫いた。
首相は1日夜、ひいきにしている東京・帝国ホテル内の「レ セゾン」に秘書官らを連れていき、ワインを堪能した。
「そういえば、小沢さんもワインが好きだって言っていたなあ…」
だが、結局、秘書官らが知り得た内容はこれだけだった。
「口が堅い」のは小沢氏も同じだった。
恒久法制定に向けて動き出せば、民主党の足元はグラつく。菅直人(かんなおと)代表代行(61)は、小沢代表に近い議員らを訪ね、「恒久法に協議するなんてダメですよ」とクギを刺して回った。
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会談内容が漏れない中で、2人の仲介者が、読売新聞の渡辺恒雄(わたなべつねお)グループ本社代表取締役会長(81)だったことがジワジワと知れ渡り、与野党の混乱に拍車をかけた。
渡辺氏は、熱心な政界再編論者で、自民、民主両党の大連立を提唱し続けてきたからだ。