以前、耐震偽装事件のときに出た話なんだが、ワケありの安い土地ばかり開発してマンション建てたりしていたわけだ。元赤線地帯とか、産廃捨て場とか、ガソリンスタンド跡地とか。ガソリンスタンドの跡地がなんでワケありかというと、オイルが染み込んでいたりして汚染されている可能性が高いわけだ。そういう土地は汚染された土壌を除去してどこかから新しい土を持って来ないと農業も出来ないし、住宅にする場合も重要事項説明の義務があったりする。で、日本でも最大の汚染土壌の話なんだが、他でもない、沖縄だ。
昭和50 年ごろの事ですが、東アジア最大の米軍基地と言われる『嘉手納基地』の周囲で、汲み上げた地下水が燃えたのです。火を消す水が火に油を注ぐ事になってしまったのです。原因は明らかです。嘉手納基地のジェット機の燃料が長期間に渡って漏洩し、地下水の流れに乗って拡散したのです。井戸には数センチの油層が出来てしまいました。当時は日本に返還されたとはいえ、主導権は米軍が握っていました。米軍は基地の施設を修繕しましたが、住民の水については沖縄県が処理しなくてはなりませんでした。沖縄にはまだまだ多くの米軍基地が存在しています。徐々に返還されるものと思いますが、基地には油槽施設が数多く存在しています。それが全て漏洩しているとは断言できませんが、米国本土でも基地からの油汚染の事例が多く報告されている事からも、基地での油汚染は避けられないものと考えられます。
凄いね、井戸水が燃えるんだってよw で、地下水まで届くほど染み込んでいるとなると、どれだけ土を除去して入れ替えればいいのか、見当もつかない。で、お次は厄介なシロモノが出てきちゃいました、という件で、
北谷町が区画整理を進めるキャンプ桑江北側跡地から16日、複数の油送管、小銃弾480発、不発弾1発が発見された。
確認した北谷町職員によると、現場付近で油臭を確認したという。那覇防衛施設局は油送管発見に伴う土壌汚染の範囲調査を6月以降に実施するという。
米軍は産廃とかもほったらかしで、浄化槽の管理なんかもやってなかったらしい。平気でウンコ垂れ流しにしていたそうで、治外法権なので手が出せないのだ。もっとも、60年にわたってそんな汚し放題された土地なんか、今さら返されても困る、という話もないわけじゃない。
「軍用地料」を始めとして飛行場・軍事基地には各業界の莫大な利権が絡むため、後述する危険性にもかかわらず、現地世論が返還・撤去で一本化しないというのが返還がなかなか実現しない最大の理由である。また万一返還された場合には飛行場から排出された有害物質による土壌の汚染などで返還後の跡地利用(水源利用による畑作)の困難性を懸念するなど、現地ではなにかと理由をつけて、基地を長期に存続させたがるという実情がある。
うっかりこんなモノを返された日には、大量の汚染土壌をどこかに運んで処分したり、新しい土を運んできて埋めたりしなきゃならない。しかも、協定によれば
米軍には原状回復の義務はない、のだ。
二○○○年度までに見つかった土壌汚染は全国で千九百三件。三大都市圏などで目立っている。土壌汚染は年々増加傾向にあり、国民の健康を守るためにも対策法の施行による歯止めを期待したい。再開発を行う企業にとって土地の浄化費が経営に負担を強いることになっても、環境へのコストが求められる時代になった。
一方、民間企業には厳しい義務を課しているが、日本にある米軍基地は土壌汚染対策法の対象外となっている。
だが沖縄では戦後、基地からのさまざまな被害・公害に悩まされてきた。一九九五年に返還された恩納通信所跡地ではPCB(ポリ塩化ビフェニール)や水銀による土壌汚染が発覚、跡利用計画が大幅に遅れた。昨年一月には、北谷町美浜の米軍射撃場跡地から廃油入りドラム缶が大量に見つかった。
幸い住民に直接的な健康被害はなかったものの、米軍のずさんな管理は県民の不安と怒りをかった。基地返還の際、土壌などの汚染調査を徹底していれば、こうした問題は起こらなかったはずである。
米軍施設内から有害物質が検出されても日米地位協定第三条により、基地立ち入りは米国側が主導権を握っている。しかも第四条では、「返還にあたり合衆国に原状回復などの義務はない」と明記している。
で、この汚染問題については、ふんだんにばら撒かれたジェット燃料のみならず、色んなモノが含まれているんだそうで、カドミウムなんぞも出てくる。カドミウムといえばイタイイタイ病という公害病で問題になったんだが、
ダイオキシン問題がクローズアップされている中で、基地跡地の環境汚染は、米本国、ドイツ、パナマなど海外の米軍駐留地などでも大きな社会問題になっているという。
地下への化学物質の浸透、病原菌や細菌の処理、地下水や土壌汚染の浄化処理など課題は山積している。処理年数も15年から20年はかかるといわれ、県内でも米軍恩納通信施設跡地の汚水処理槽内の汚染から、安全基準を3倍も超えるカドミウムが検出されている。
アメリカ人は肉食なので重金属が蓄積されるのかも知れない。で、アメリカでは中国から輸入した玩具の塗料に鉛が含まれていたと問題になっているようなんだが、まぁ、ちょっと待ってくれ、だったら、盛大に鉛のカタマリをばら撒いている演習場ってどうなのよ、というんだが、
2002年
1月 キャンプ・コートニーのクレー射撃場跡地における鉛問題を研究事例として選定。
2月 米海兵隊が調査した報告書を入手し、問題の背景や鉛濃度について検討。
3月 ・ヒジキの中の鉛の濃度をはかるために調査を計画。
・防衛庁への調査立会い要請。質問状送付。
・沖縄県環境審議会で、米軍、防衛庁の調査不十分を指摘。県独自の調査を行うように要請。
答申に意見が盛り込まれる。
あるいは、最近では劣化ウラン弾なんぞも使っているかも知れないわけだ。で、かつては枯葉剤を散布していたそうで、そこに含まれたダイオキシンを問題視する人もいる。ベトちゃん、ドクちゃんてのがいたな。片方死んだけど。
米軍は1961-62年頃に沖縄県の北部訓練場で枯葉剤を散布していたことが明らかになりました。枯葉剤には不純物としてダイオキシン類が含まれていることから、その影響が懸念されています。
7/9
・北部訓練場で枯れ葉剤 国と米軍に事実究明要求(琉球新報)
・北部で枯れ葉剤散布/米軍、60年代訓練場一帯(沖縄タイムス)
ところで、こうなると心配なのは
誰が汚染除去費用を負担するの?という問題なんだが、米軍が負担しないと明言している以上、日本政府が負担せざるを得ない。今のところ政府は口を拭って黙っているんだが。で、ひと足早く米軍が逃げ出した韓国なんだが、同じ問題に悩んでいるようで、
韓米連合土地管理計画(LP)協定によって返還される14の在韓米軍基地の汚染土壌浄化費用を韓国が負担することになった。
政府は13日、韓米駐屯軍地位協定(SOFA)合同委員会委員長であるチョ・ビョンジェ外交通商部北米局長とスティーブン・ウッド在韓米軍副指令官が14の基地返還報告書に署名し、手続きが終了したと明らかにした。しかし在韓米軍は汚染した土壌を浄化することなく返還し、その費用を韓国政府が負担するほかなくなった。
こちらは規模が違うのでせいぜい400億ウォン程度だそうだが、沖縄はそうは行かない。なんでも
1兆円かかるそうで。そういえば中国の遺棄化学兵器の処理費用も1兆円だったな。理屈から行けば、遺棄化学兵器の処理費は中国が負担すべきモノなんだが、しょせん、大人しい金持ちはいいようにタカられる運命にあるのだった。
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