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2007年09月28日
富士経済の外食市場の調査結果、2007年の外食市場は前年比0.2%増の33.5兆円の見込み
富士経済は、外食市場の調査結果(ファーストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、料飲店、交通機関、レジャー施設、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、給食、宿泊宴会場の14分野)から外食市場を総合的に分析した。その結果、2007年の外食市場は、前年比0.2%増の33.5兆円の見込である点などを明らかにした。詳細は、調査報告書「外食産業マーケティング便覧 2007 総括編」にまとめた。
> 今回の外食市場の調査では、4月~7月にかけて調査した14分野129業態の外食市場の結果に基づき日本の外食市場の総合的な分析とともに、エリア別の動向、業態別の成長性などの分析も行った。
外食市場は、2006年が33.4兆円(前年比0.1%減)に達し、2007年が33.5兆円(前年比0.2%増)を見込む。
外食市場は、1998年にマイナス成長となってから2004年まで7年連続で縮小してきたが、2005年に8年ぶりに前年を上回った。2006年は微減となったものの、2007年はファーストフードの伸びが全体をけん引し、前年比0.2%増と2年ぶりに前年を上回る見込みだ。ファーストフードは、2001年から2003年まではプラスで推移してきたが、その伸び率は1%未満にとどまっていた。2004年にはわずかながらもマイナスに転じたが、2005年、2006年と2年連続前年比4.1%増と拡大を続け、2007年も前年比4.8%増が見込まれると分析する。
ファーストフードの中では、「ハンバーガー」、「アイスクリーム」、「ギョーザ」、「回転ずし」、「牛丼」、「とんかつ・かつ丼」、「定食チェーン」が、とくに好調に推移。「ハンバーガー」は「マクドナルド」、「アイスクリーム」は「サーティーワンアイスクリーム」の両トップチェーンの復活によって、「牛丼」は米国産牛肉の輸入解禁による“牛丼”の販売再開によって、「定食チェーン」は上位チェーンの積極的な出店と新興勢力の台頭によって、それぞれ高成長を続けている。
また、ファミリーレストラン(FR)は2005年に2年ぶりに前年を下回ったが、「チャンポンFR」、「ステーキ・ハンバーグFR」、「イタリアFR」、「バイキングレストラン」が好調で、2006年はわずかながらも前年を上回り、2007年も引き続き拡大する見込みだ。「バイキングレストラン」は、新規参入が相次いでおり、また、オーガニックビュッフェの台頭などによって高成長を続けている。「ステーキ・ハンバーグFR」はハンバーグ主体のチェーンが拡大し、「イタリアFR」は小さな商圏でも出店可能な客単価の低いチェーンが市場をけん引している。
狭義の外食市場(中食を除いた市場)は、2006年が26兆4619億円(前年比99.7%)に達し、2007年は26兆4833億円(前年比100.1%)を見込む。また、中食市場は、2006年が6兆9364億円(前年比100.8%)となり、2007年は6兆9782億円(100.6%)に達すると予測する。
中食市場(テイクアウトとホームデリバリー・ケータリングの合計)は、縮小する外食産業の中で成長を続けることで注目を集め、「デパ地下」「ホテイチ」などの流行語を生み出した。2006年は、ホームデリバリー・ケータリングが前年比0.5%減と前年を下回ったものの、テイクアウトが前年比1.1%増と拡大し、中食市場は前年比0.8%増となった。宅配ずし、宅配釜めし、病者・高齢者食宅配などの市場は拡大しているが、宅配ピザと最大の売上規模をもつ仕出し弁当・ケータリングの減少が影響し、ホームデリバリー・ケータリング市場は縮小した。
イタリアン(クイックパスタ ・宅配ピザ ・イタリアFR ・イタリア料理の合計)市場は、2006年が5906億円(前年比0.1%増)に達し、2007年が5937億円(前年比0.5%増)を見込む。
1991年前後に発生したブーム以降、着実な成長を続けてきたが、2006年はイタリア料理、イタリアFRは引き続き拡大したものの、クイックパスタが微減、さらに宅配ピザが売上高、店舗数とも大幅減となったため、トータルでは売上高がほぼ前年並みに、店舗数は前年割れとなった。今後は、宅配ピザの縮小が予想されるが、イタリア料理、イタリアFR、クイックパスタは伸び率こそ鈍化するものの引き続き増加していく見込みで、イタリアン分野は微増の見通しだという。
イタリア料理がイタリアン市場の5割強を占めている。イタリア料理の代表的なメニューであるパスタやピザは、万人から好まれ安定した需要を確保。パスタレストランは、「洋麺屋五右衛門」、「ポポラマーマ」の積極的な出店によって成長を持続している。高級店は、根強いリピーター層に支えられ、また本場で飲食経験をした消費者が増加し、日本でも本場の味を求める傾向が強まってきていることから、安定した需要を維持している。
宅配ピザは、2002年に“ワールドカップ特需”によって一時的に息を吹き返したものの、2003年に再び縮小に転じ、前年を維持した2005年を除き、マイナスに歯止めがかからない状況だ。2006年は、2位の「ピザハット」が2ケタ成長したものの、トップの「ピザーラ」を始め前年割れのチェーンが続出し大幅減となった。イタリアFRは、1990年以降「サイゼリヤ」が低価格を武器に出店攻勢をかけ、さらに2001年にはFR最大手のすかいらーくが低価格業態の「グラッチェガーデンズ」で新規参入し拡大を続けているが、伸び率は鈍化してきていると説明する。
焼肉(焼肉料理・焼肉FRの合計)市場は、2006年が5904億円(前年比2.1%減)に達し、2007年が5877億円(前年比0.5%減)を見込む。
2003年にようやくBSEの影響による市場縮小から回復したものの、同年12月に米国産牛肉のBSE騒動が発生して輸入が禁止されると、翌2004年には再びマイナスに転じ、その後も回復には至っていないという。2006年7月から米国産牛肉の輸入が再開されたものの、上位チェーンの「炭火焼肉酒家 牛角」、「安楽亭」、「焼肉屋さかい」が軒並み減少し、さらに市場は縮小しているとのこと。ただし、回復の兆しが見え始めており、2008年には6年ぶりにプラスに転じると予測される。
個人営業の店のウエイトが大きい焼肉料理が全体の8割強を占めている。焼肉料理は、1990年代後半に急成長した「炭火焼肉酒家 牛角」が市場をけん引してきたが、2006年は大幅に売上を減少させ、市場全体のマイナス要因となった。また、近年店舗数が急増していたジンギスカン料理(焼肉料理に含む)は、ブームの収束にともない2006年に縮小に転じた。焼肉FRも、2004年の米国産牛肉の輸入禁止の影響から抜け切れず、上位チェーンの「安楽亭」、「焼肉屋さかい」が大きく売上を減少させ、市場も前年比6.9%減とマイナス幅が拡大した。
「炭火焼肉酒家 牛角」は、2002年のBSE騒動時も積極的な出店によって売上は減少しなかったが、2003年末のBSE騒動では翌年に大きな影響を被り、2004年こそ新規出店で補いプラスであったものの、2005年には初の前年割れとなり、2006年は店舗数も減少し、売上も大幅減となった。しかし、2007年は、減少幅が縮小する見込である。焼肉FRトップの「安楽亭」は、2003年末のBSE騒動の影響に加え、ロードサイド店を中心に飲酒運転取り締まり強化の影響を受け、大幅に売上を減少させている。「叙々苑」は、2006年に他のチェーンが売上を減少させるなか、店舗数を増やして実績を維持し、2007年は売上を拡大する見込みである。焼肉屋さかいは、「焼肉屋さかい」から、より付加価値を高めた「炭火焼肉さかい」へのシフトを進め、食べ放題の導入などのテコ入れも図ったが、閉店が相次いだため売上も大幅減となった。物語コーポレーションは、「焼肉一番カルビ」「焼肉一番かるび」「焼肉キング」を展開し、多くのチェーンが売上を減少させたり横ばいにとどまるなかで、2006年は店舗数を増加させ売上を拡大。2007年も増加の見込みである。
[小売価格]8万4000円(税込)
富士経済=http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
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