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【社会】

混合診療、国の解釈は誤り 東京地裁判決

2007年11月7日 16時40分

 健康保険がきく診療ときかない自由診療を併用する「混合診療」をすると、通常の保険適用診療まで含め医療費が全額自己負担となるのは違法として、神奈川県のがん患者の男性が訴えた訴訟で、東京地裁は7日、国の法解釈を誤りとして男性勝訴の判決を言い渡した。

 国側は「混合診療は、保険診療と自由診療の一体の医療行為と見るべきで全額負担になる」と主張したが、定塚誠裁判長は「規定上、一体と解釈できる根拠は見いだせない。法は個別診療ごとに、保険適用診療かどうかを判断する仕組みを採用している」と判断した。

 混合診療をめぐっては、がん患者らが「保険外の抗がん剤などを使えば自己負担が膨大」と解禁を求めるなど規制緩和の要望が多い一方、医師会側は「高所得層だけが良い治療を受けられる」と反論。判決は、こうした議論や医療現場に大きな影響を与えそうだ。

(共同)
 

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