名張市議会の総務企画委員会(石井政委員長)が11月6日開かれ、その中で同市消防本部は市役所横に建設が予定されている新消防庁舎について、これまでの建設基本構想での総事業費約28億円から約15億円に削減するなどとの見直しを行ったことを報告しました。
消防本部によると、現在使用されている同市栄町の消防庁舎は昭和36年建設。同43年に増築され、現在まで使用されていますが、耐震診断では震度5弱で倒壊の恐れがあるとされ、早期の新庁舎建設が望まれています。
昨年5月に策定した基本構想では、新消防庁舎と防災拠点施設が入った施設棟は3階建て、延べ床面積は庁舎と防災拠点施設を合わせ約5100平方メートル、庁舎約20億円、防災拠点施設約8億円の総事業費約28億円とされていました。しかし、基本構想策定後、市の財政問題などのために同消防本部内の検討委員会で昨年夏ごろから他市の消防本部などの視察を行うとともに構想の見直しを実施したそうです。
今回発表された構想では、施設棟の延べ床面積を約4100平方メートルに縮小したほか、庁舎では建築構造を免震構造から耐震構造に変更、仮眠室や更衣室などを部署ごととしていたものを共有、現在の通信指令台をそのまま移設することなどで事業費は約9億円の削減。さらに、防災拠点施設では、視聴覚室と研修室を統合するなどで約4億円の削減となり、庁舎と防災拠点施設合わせ約13億円の事業費削減となったそうです。
また、この日新消防庁舎の建設スケジュールとして、平成20年1月から6か月の基本設計を行い、同年9月から7か月の実施設計、21年6月から14か月の建設工事に入り、22年秋に開設という予定が発表されました。
これに対し、委員からは「あまりにも減らしすぎではないのか。本当にこれまで以上の消防署になるのか」「22年9月の開設では遅いのではないのか」などの意見が出され、消防本部は「財政状況をはじめ、基本構想などを損なわない範囲で見直しを行った」「開設は22年の春ごろにしたいとは思うが、設計や発注を短縮しなければならない」と理解を求めました。