電気抵抗で、もうひとつ重要なものに抵抗率という単位がある。
同じ断面積 1mm2 、長さ1m の導線でも材質によって電気抵抗値が大きく違ってくる:
同じ形状であっても、金は少し電気抵抗が大きく、鉄は銀の6倍程度の電気抵抗を持つ。鉄は意外にも金属の中では電気を通しにくい方である。
どの材質でも断面積が2倍になれば、電気抵抗が半分になり、長さが2倍になれば、電気抵抗は2倍になる。
電気機器には、銅の電線が多く使われるが、それは入手のし易さ(コスト)と、電気抵抗の低さにある。
銀は金属でも最も電気抵抗が低いが、銀の電線が無いのは、価格が銅電線の数10倍以上にもなるためである。
抵抗率は、材質によって固定であり、以下の式で電気抵抗を算出できる:
または 
材質毎の抵抗率を以下に示す:
電線の電気抵抗計算の例〕
直径 2mm 、長さ 15m の軟銅線の電気抵抗は?
先ず電線の断面積を求める: 断面積 S = πr2 = 3.1416 ×(1.0 ×10-3 ) 2 ≒ 9.87×10-6
(rは半径なので直径の半分、πは、円周率 3.1416を示すことに注意。)
軟銅線の抵抗率 = 1.68×10-8
求める電線の電気抵抗 : R = ρ × (L ÷ S) = 1.68×10-8 × (15 ÷ 9.87×10-6) ≒ 0.02553 → 25.53mΩ
抵抗率による区分で材質には、導体・半導体・絶縁体の3種類の区分がある。絶縁体は不導体といわれることもあるが、大抵は「絶縁体」と呼ぶ。
導体は電気抵抗が低い材質、絶縁物は電気抵抗が高く、電気を殆ど通さない材質である。
そして、その中間に位置するのが半導体である。珪素(シリコン)、初期の半導体材料でよく使われたゲルマニウム、酸化鉄、またここには出ていないが、セレンも半導体(104 Ω・m程度)である。
また、抵抗率は材質自身の温度でも変わってくる。
このうち、導体は、温度に比例して抵抗率は上昇する。しかし、その上昇度合いは材質によって異なる。
また、半導体は、温度に反比例して抵抗率が変化する。即ち、温度が上昇すると抵抗率が下がる特性がある。
そして、半導体の場合は、導体よりも敏感に抵抗率が変化し、不純物の混入度合いでも大きく変化する。
絶縁体における温度と抵抗率の関係はあまりよく判っていない。
ρ:抵抗率 (ローと言う) L:材質長 S:材質の断面積 |
銀 | 1.59×10-8 | 鉄 | 10.00×10-8 | |
軟銅 | 1.68×10-8 | 白金 | 10.40×10-8 | |
金 | 2.21×10-8 | すず | 1.90×10-8 | |
アルミニウム | 2.65×10-8 | 鉛 | 20.80×10-8 | タングステン | 5.29×10-8 | 水銀 | 96.20×10-8 | 亜鉛 | 6.02×10-8 | ニッケル | 6.99×10-8 | 〔導体の低効率/20℃〕 | 黄銅 | 8.00×10-8 | 〔単位:Ω・m〕 |
コンクリート | 4.2×102 | ポリエチレン | 1014 | |
大理石 | 107~108 | エポナイト | 1013~1016 | |
木材 | 108~1010 | 琥珀 | 5.0×1014 | |
ベークライト | 1010~1012 | パラフィン | 1014~1017 | 陶器・磁器 | 3.0×1012 | 硫黄 | 1.9×1015 | 雲母 | 1012~1015 | ゴム | 1013~1014 | 〔絶縁物の抵抗率/20℃〕 | 塩化ビニル | 1014 | 〔単位:Ω・m〕 |
電線の電気抵抗計算の例〕
直径 2mm 、長さ 15m の軟銅線の電気抵抗は?
先ず電線の断面積を求める: 断面積 S = πr2 = 3.1416 ×(1.0 ×10-3 ) 2 ≒ 9.87×10-6
(rは半径なので直径の半分、πは、円周率 3.1416を示すことに注意。)
軟銅線の抵抗率 = 1.68×10-8
求める電線の電気抵抗 : R = ρ × (L ÷ S) = 1.68×10-8 × (15 ÷ 9.87×10-6) ≒ 0.02553 → 25.53mΩ
抵抗率による区分で材質には、導体・半導体・絶縁体の3種類の区分がある。絶縁体は不導体といわれることもあるが、大抵は「絶縁体」と呼ぶ。
導体は電気抵抗が低い材質、絶縁物は電気抵抗が高く、電気を殆ど通さない材質である。
そして、その中間に位置するのが半導体である。珪素(シリコン)、初期の半導体材料でよく使われたゲルマニウム、酸化鉄、またここには出ていないが、セレンも半導体(104 Ω・m程度)である。
また、抵抗率は材質自身の温度でも変わってくる。
このうち、導体は、温度に比例して抵抗率は上昇する。しかし、その上昇度合いは材質によって異なる。
また、半導体は、温度に反比例して抵抗率が変化する。即ち、温度が上昇すると抵抗率が下がる特性がある。
そして、半導体の場合は、導体よりも敏感に抵抗率が変化し、不純物の混入度合いでも大きく変化する。
絶縁体における温度と抵抗率の関係はあまりよく判っていない。