文化家庭部のデスクになり、二カ月が過ぎた。史記にある「日暮れて道遠し」を実感するようだ。
担当する「くらし面」は医療をはじめ、子育て、福祉、ファッションや食文化まで実に幅広い。生活のほとんどが対象といえる。
紙面は、本紙記者が取材した話題・解説と、通信社が配信する全国ニュースをバランス良く配分。さらに、専門家による寄稿、読者のお便りを織り交ぜて構成する。毎日、何十本という原稿に目を通すが、何よりの苦労は読み応えあるトップ記事を仕上げること。
例えば本日の紙面。「医療・健康」のページは、インフルエンザの学級閉鎖が相次いでいることに着目した通信社の記事。異常行動との関連が指摘されている治療薬タミフル、医療機関や患者の不安などの関心事をまとめて取り上げている。
もう一方の「くらし」のページは、映画化されたベストセラー小説「バッテリー」の著者で、美作市在住の児童文学作家あさのあつこさんのインタビュー。読書週間(九日まで)にちなみ、あさのさんのお薦め図書を紹介した。
記事については部員たちと綿密なミーティングで意見を出し合う。今後掲載を予定している生活習慣病と高血圧のかかわり、“離婚ラッシュ”につながると注目されている「年金分割制度」―なども知恵を絞る中、アイデアが生まれたものだ。
どのような記事が地域の暮らしに役立つのか、試行錯誤が続く。部員ともども、推敲(すいこう)に推敲を重ねた紙面づくりを目指したい。
(文化家庭部・赤井康浩)