<大阪知事>企業懇談会から謝礼970万円受け取る
11月7日2時34分配信 毎日新聞
大阪府の太田房江知事(56)が03年4月〜07年9月、府の公共工事入札参加資格業者を含む中小企業経営者らでつくる「関西企業経営懇談会」(関企懇)の飲食会に計11回参加し「講師謝礼」名目で計約970万円を受け取っていたことが分かった。太田知事側は「講演などへの謝礼で、問題ない」としているが、府の公共工事にかかわる業者も参加する会合に繰り返し出席し、毎回50万〜100万円を受け取っており「謝礼を装った事実上の献金」との指摘も出ている。
関係者によると関企懇は03年4月、名簿会社の経営者と元副知事が呼びかけ人となり、関西の中堅中小企業の経営者ら約30人が集まって発足した。07年4月現在の会員32人のうち少なくとも10人は、府の公共工事入札参加資格業者か補助金受給法人の経営者で、公共工事を頻繁に受注する業者も含まれる。発足当時からの会員は「太田知事と交流し、金銭的にも知事を援助しようと誘われて入会した」と話す。
活動は知事との飲食会のみで、これを「講演会」と位置付け、知事に講師謝礼を支払ってきた。会合は03年4月の設立総会から07年9月までに大阪市内のホテルで11回あり、毎回、会員十数人〜二十数人が参加。会長と知事が冒頭で話した後、知事と参加者が飲食を共にする約2時間の催しで、知事側に1回50万〜100万円の現金が会場で手渡された。あらかじめ差し引かれた所得税を含めると総額約977万円になるという。
知事が資産公開で所得に毎年、計上している「講演料」の大部分は関企懇からだった。謝礼の財源は会員らの年会費で、03年と04年は1人24万円、05年以降は3万円。飲食会の経費も年会費から支出してきた。
会合では最初に知事が1、2枚の説明資料を配って平均10〜15分、府政状況などを話した後、飲食しながらテーブルを順に回って出席者と意見交換や雑談をしたという。毎回、特に演題は決められていなかった。
関企懇の幹部の一人は「知事の応援団的な団体で、飲食会の目的は、知事と親睦(しんぼく)を深めることと知事にポケットマネーを提供することだった」と認めた。別の関係者も「知事に小遣いを渡すのが会の主目的だった」と話している。【岩崎日出雄、鮎川耕史】
◇実質的には献金
政治資金問題に詳しい岩井奉信・日本大教授(政治学)の話 知事が、府の公共工事にかかわる業者が集まる場所へ行って高額報酬をもらうのは政治倫理上あまりに不適切だ。数万円ならともかく、50万〜100万円は講師謝礼としても高すぎる。所得に計上しているから違法とはいえないとしても、実質的には抜け道を使った献金であり、倫理的には通らない。
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