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政論「民主党の”珍騒動”を笑う」

2007.11.6 19:36
このニュースのトピックス民主党

 民主党の小沢一郎代表の辞意表明を受けた一連の「珍騒動」には、平成12年秋の「加藤の乱」を見ているような既視感を覚えた。加藤の乱では、森喜朗政権打倒を唱えた自民党の加藤紘一元幹事長が野党提出の内閣不信任決議案に賛成しようとした。谷垣禎一元財務相ら側近議員が加藤氏を必死に食い止め、この造反劇は不発に終わった。

 一方、今回の民主党の騒ぎは造反劇ではなく、党首自身の辞任をめぐるものだけに、よけいに滑稽(こっけい)だ。小沢氏に「政権担当能力があるか」とまで言われて、それでも小沢氏にすがる民主党執行部の姿が、加藤の乱での谷垣氏らの姿と二重写しとなった。

 今回の珍騒動を生んだ福田康夫首相と小沢氏との党首会談における大連立構想の背景には、参院での与野党「ねじれ」現象がある。参院で野党が過半数を占めているかぎり、野党が反対する法案は成立困難になる。国会審議も停滞しがちになり、国民生活にも影響が出かねない。

 ねじれ状況を打開するには、(1)大連立や小連立などを通じて与党の組み合わせを変更する政界再編(2)自民党か民主党、あるいはその双方が分裂・合併して、政党の中身そのものも変更する政界再編(政党再編)−を起こすしかない。

 だが、それはあくまでも与党側の論理だ。民主党には、他の手段がある。2年以内に必ず実施される衆院選で、自民党を打ち負かして政権を奪取すればいい。しかも、党首会談以前、民主党はそういう方針をとってきたのではなかったのか。

 小沢氏によれば、民主党は「次期総選挙での勝利は大変厳しい状況」であり、「民主党政権を実現する近道」として、当面の大連立の道を選んだという。だが、そんな突然の方針変更を、小沢氏以外の民主党議員が理解できるはずもなかった。党内は自分の決断に従うだろうと思いこんでいたのだとしたら、甘い判断だったと言わざるを得ない。

 小沢氏を慰留する理由も部外者としてはよく分からない。そもそも、なぜ小沢氏が党首でなくてはだめなのか。民主党は、小沢氏以外は全員腰抜けなのか。小沢氏が党首でなければ選挙に勝てないと泣き言を並べているようでは、民主党は次の衆院選には勝てないだろう。(五嶋清)

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