米国のサブプライム住宅ローン(信用力に劣る顧客層向けの住宅ローン)事態で世界的な信用格付け会社の信頼度にしわ寄せが出ている。
欧州連合(EU)は、世界3大信用格付け会社であるムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ、ピーチが米国のサブプライム危機への対応が遅きに失したものだとそろって批判している。
EU執行委員会は16日「信用格付け会社がタイムリーに危機を警告できなかったのが、信用格付け会社の構造的な問題によるものかどうかをEUが調査する予定だ」と明らかにした。
EUは、信用格付け会社のコーポレートガバナンスと利害衝突関係(Conflict of interests・会社と顧客の利害が対立する関係)、信用格付けの評価方式などを、多岐にわたって調査する計画だ。
EU執行委員会のスポークスマンのアントニオ・モカンは、「米国のサブプライム貸付の不良債権化問題は、すでに昨年中ごろ以降から取り上げられていたものなのに、信用格付け会社がなぜそんなに遅い反応をしたのか不思議だ」と述べた。
信用格付け会社は、今年3月米国の第2位住宅ローン融資会社ニューセンチュリー・ファイナンシャルが破綻の危機に直面した際にはもちろん、同月1位の住宅ローン会社であるカントリーワイド・フィナンシャルが破綻の危機に追い込まれたときも事前に警告できなかった。一部の証券会社は、危機直前にこれらの会社の信用格付けを格上げしたりもした。
EUは、来年4月までに信用格付け会社に対する検討報告書をまとめる計画だ。必要な場合には、EUの法規定を変え、信用格付け会社のコーポレートガバナンスと格付け評価方式の改善を要求することに決めた。
休暇中のサルコジ・フランス大統領も、同日主要先進7カ国(G7)の首脳会談議長であるメルケル・ドイツ首相に緊急書信を送り、「10月に予定されているG7定例会談以前に、特別会談を開き、金融市場の透明性を高める方策を共同で模索しよう」と提案した。
サルコジ大統領は手紙で「金融危機への警報システムが効率的かどうかをチェックすべきだ。信用格付け会社がきちんと評価できていなかったことに対して、G7レベルの調査が行われるべきだ」と指摘した。
サルコジ大統領の手紙に対し、プロディ・イタリア首相は共感するという意向を明らかにした。しかし、サルコジ大統領の考えは「国際金融に対する規制が必要だ」という平素の所信を反映したもので、金融市場の自律を重視する米英の見解とは程遠いものだ。