「再犯者」の犯罪、全件数の6割に 犯罪白書2007年11月06日11時13分 罪を犯した後で再び罪を重ねる「再犯者」による犯罪は犯罪件数の6割を占める――。法務省は6日に公表した今年の「犯罪白書」に、こんな分析結果を掲載した。「少数の者によって多数の犯罪が引き起こされている」と指摘。社会に出た後に仕事に就くための支援や、更生を見守る「保護観察」を充実させることで再犯を防ぐ必要があると訴えている。
ここ数年間、奈良の女児誘拐殺害事件や愛知県安城市の乳児殺害など再犯者による凶悪事件が相次ぎ、法務省は犯罪白書の特集テーマに「再犯者」を選んだ。 調査は同省の法務総合研究所が実施した。故意で罪を犯して48年から06年の間に刑が確定した100万人を無作為抽出して調査。このうち再犯者は29%だった。その一方、100万人による犯罪計168万件のうち58%が再犯者による犯罪で、初犯者に比べて数が少ない再犯者が半数以上の犯罪を起こしている実態が浮かび上がった。 2回の罪を重ねた再犯者による犯罪が最多の18%で、3回が10%、4回の7%と続く。10回以上の罪を重ねた人による犯罪も6%あった。 罪の種類別の再犯率は、初犯で窃盗を犯した人が再犯に至った割合が45%、覚せい剤取締法違反は42%、傷害・暴行は33%だった。年代別では、初犯時の年齢が65歳以上の人は16%が6カ月以内、31%が1年以内に再び罪を犯していることもわかった。どの年齢層よりも高い数値だった。 法総研は「覚せい剤や窃盗は何度も同じ罪を繰り返す傾向が強く、特別な指導が重要。特に窃盗は8割が無職で就業支援の必要性がある」「高齢者は就業が難しく、生活苦や居場所のなさから罪を重ねる場合が多い」と分析している。 PR情報この記事の関連情報社会
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