■レッスン

「回数」や「時間」は、あくまで目安です。
無理せず個人の体調や状態に合わせてトレーニングを楽しんで下さい。

1ウラ声とオモテ声をはっきり分けて出す

●息もれのある高いウラ声で「ホー」。これを10回位
(フクロウの鳴き声(約1秒)や犬の遠吠え(約2秒)のような声の高いウラ声です)

※アゴを動かさず遠くに届くような大きな声で!

※「ハ」の発音にするとノドを痛め易いので「ホ」の発音で!

●低いオモテ声で「アー」と発声。これを1〜2秒ずつ10回位

※大きな声で響くように発声しましょう!(無理はしないように!)

2ウラ声とオモテ声で色々な高さの音を出す

●息もれのある高いウラ声で「ホーッ・ホーッ↑・ホーッ↑↑」と一声ずつ高さを変えて!これを5回位

●オモテ声で「ア・ア↑・ア↑↑」と一声ずつ高さを変えて!これを5回位

※ド・ミ・ソなど色々な音階でためしてみて下さい。

3ウラ声とオモテ声で簡単なメロディーを歌う

●息もれのない高いウラ声(「オー」や「ウー」の母音)で「かえるの合唱」などを歌う。
オ〜オ〜オ〜オ〜オ〜オ〜オ〜(か〜え〜る〜の〜う〜た〜が〜)これを3回位

●次に低いオモテ声(「アー」の母音)で同じメロディーを歌う。
ア〜ア〜ア〜ア〜ア〜ア〜ア〜(か〜え〜る〜の〜う〜た〜が〜)これを3回位

※なめらかに歌えるようにしましょう!

4両方の声を行き来して歌う

高いウラ声から低いオモテ声に下りていく。(5秒間程度)
●「オー(息もれのないウラ声)」○高────境───→○低「オー(オモテ声)」これを5回位

次はこの逆です。(5秒間程度)
●「オー(オモテ声)」○低────境───→○高「オー(息もれのないウラ声)」これを5回位

※途中で声がひっくり返る感じがあっても音程が外れなければOKです。徐々に慣れて行き(ひっくり返る感じの境が無くなって行き)、オモテ声とウラ声が混ざっていく感覚を覚えましょう。

5両方を混ぜて歌う

オモテ声とウラ声が混ざって行く感覚が実感できてきたら、両方を混ぜて歌いましょう。「ウー」の母音で、高い息もれのないウラ声から2オクターヴくらい下のオモテ声に音を下げていきます。(5秒間程度)

●「ウー(息もれのないウラ声)」○高────なめらか───→○低「ウー(オモテ声)」これを5回位
4の時のように途中で声がひっくり返ることが無いようになればOK。

できるようになったら次は逆です(5秒間程度)
●「ウー(オモテ声)」○低────なめらか───→○高「ウー(息もれのないウラ声)」これを5回位

どちらもスムーズにできるようになったら他の母音でも同じように練習しましょう。

※ウラ声が強く、オモテ声が弱いという人は、
最初に「○低→○高」で練習し、それができたら「○高→○低」という順にして下さい。

6両方の声をより強め、混ぜる

さらにウラ声・オモテ声の両方をそれぞれ強め、ウラ声・オモテ声を混ぜ合わせて一体化させ、ウラ声・オモテ声の境目が無いようにし、広い音域を強い声で出せるようにトレーニングしましょう。

※ウラ声・オモテ声・混ぜた声を多用し、色々な歌を練習してみて下さい。

■おわりに

このトレーニング法ではアゴに無駄な動きをさせず、テンポをとりながらタイミングよくしっかりとした声で発声するのがポイント!
動いてしまうときには、壁に頭をつけて練習すると効果的です。

※効果には個人差があります。

指導者

弓場徹(ゆうばとおる) 三重大学教育学部音楽教育学科教授 発声研究家
所属学会:
日本音声言語医学会員 日本声楽発声学会員
主な著書:
「奇跡のハイトーンボイストレーニング プログラムCD付き」 
「歌のうまい子になる超簡単ボイストレーニング 」
「声美人・歌上手になる奇跡のボイストレーニングBOOK」
「歌う筋肉」(CD)

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