民主党は5日午後、小沢一郎代表の辞意表明を受けた緊急役員会で、小沢氏が進めた自民党との大連立構想は認めないことを前提に、慰留に努める方針を確認した。これを受け、鳩山由紀夫幹事長らが小沢氏と会い辞意撤回を要請したが、小沢氏は「心の整理が必要」として回答を保留した。このため、党内には小沢氏が翻意する可能性があるとの見方が出ている。一方で小沢氏の言動に対する党内の反発も強く、混乱が続いている。
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役員会では、個別政策については自民党と協議することを容認した。鳩山氏は終了後、記者団に対し「役員会の総意として小沢代表に続投していただきたい。慰留をお願いする」と説明。大連立構想については「与野党で必要に応じて政策議論をすることはあっていいが、その先に連立がある話ではない」と述べ、連立を前提とせず、安全保障などの政策協議開始で小沢氏の理解を得たいとの考えを示した。
これを受けて鳩山氏、菅直人代表代行、輿石東参院議員会長の3人が小沢氏と東京都内のホテルで会い、続投を求めた。小沢氏は回答を保留したが、「4日に辞表を出したばかりだ。心の整理の時間がいるので待ってほしい」と語った。
また、役員会に先立ち菅氏は同日午前、小沢氏と協議した。鳩山氏によると、小沢氏は菅氏に大連立構想について「自分は連立にこだわったわけではないし今、連立にこだわっているわけではない」と説明。「連立は役員会で否定されたので、一番大事なことは選挙で勝つ態勢をいかに作るかということに尽きる」と語ったという。
鳩山氏ら執行部は、6日も当選回数別に党所属衆参国会議員の意見集約を進め、小沢氏に翻意を促す方針だ。【川上克己】
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