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小諸の集団暴行死 15人起訴4人家裁送致2人釈放

11月6日(火)

 小諸市の宗教法人「紀元会」施設内で9月下旬、同会員ですし店経営奥野元子さん=当時(63)=が会員らの集団暴行で死亡したとされる事件で、長野地検は5日、窪田康子容疑者(49)ら会員の女15人を傷害致死罪で長野地裁に起訴し、少女4人を「刑事処分相当」の意見を付けて傷害致死の非行事実で長野家裁に送致した。高齢の女2人は、関与が薄かったとして処分保留で釈放した。

 この日処分が決まったのは、小諸署の捜査本部が10月15日に逮捕した21人。

 起訴状などによると、窪田被告ら女15人は、9月24日午後11時半ごろから約1時間にわたって、同会施設「大和紀元会館」内で、奥野さんの全身を多数回殴るけるなどし外傷性ショックで死亡させた。窪田被告が集団暴行を指示した。

 地検によると、窪田被告は暴行を指示したことを否認しているが、ほかの被告は指示された−と供述。また、窪田被告を含む全員が暴行したことは認めているという。

 高森高徳次席検事は、処分保留とした80代と70代の2人について「肩などを平手でたたいたくらい。ほとんど暴行を加えていない。年齢も考慮した」と説明した。

 一方、捜査本部は5日、犯人隠避教唆の疑いで窪田被告を再逮捕した。奥野さんの夫の和宏被告(35)に対し、すし店内での家族による集団暴行に偽装するようそそのかし、施設内での会員の女らによる集団暴行を隠した疑い。窪田被告は、容疑を否認している。

 紀元会の舟橋元博代表役員は同日、取材に対し「起訴内容が確認できておりませんので、コメントは控えさせていただきます」としている。

 事件をめぐっては、奥野さんの同居家族4人が逮捕や起訴されているほか、別の7人の会員の女も傷害致死容疑で逮捕されている。