復元走行でヒノキの原木18本をけん引する「運材列車」。多くの鉄道ファンらが見守った
王滝村の松原スポーツ公園で4日、かつて木曽の山々でヒノキの原木を運んだ森林鉄道「運材列車」の復元走行があった。木材の代わりに客車を引くデモ走行はこれまでもあったが、愛好家が今年、木材を載せる台車を修復。開催中の「2007森林鉄道フェスティバル」(実行委員会主催)の目玉として披露した。
列車の走行は午前と午後の計4回。ディーゼル機関車が、長さ5メートルのヒノキ原木計18本を載せた台車3両をけん引し、延長約400メートルの線路を2往復した。小柄な機関車が軽々と台車を引く様子を、鉄道ファンがカメラを構えて見守った。
台車は、首都圏の愛好家十数人でつくる「りんてつ倶楽部(くらぶ)」が、腐食した木材部分を取り換えるなどして修復。代表の高橋滋さん(51)=横浜市=は「機関車も台車も当時使われた本物。久しぶりに木曽谷に運材列車が走ったわけです」と笑顔を見せた。
実行委の藤沢滋・前村教育長(59)は「木曽の森林鉄道は、大正から昭和にかけての文化遺産。歴史の道として後世に残したい」と話していた。