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11/05-12:37--合意整わない東ビル　天満屋倉敷店の行方注目　ＪＲ倉敷駅前

　天満屋（岡山市）が地権者らと出店の仮契約を結んだＪＲ倉敷駅前の再開発ビル「くらしきシティプラザ東ビル」（倉敷市阿知１丁目）。空きビル解消で駅前の活性化に期待が掛かるが、床全体を貸し出す一括転貸に未合意者がおり、出店が長引いたことで態度を硬化させた地権者もいる。出店に伴う現在の天満屋倉敷店（同市阿知２丁目）の今後も白紙の状態。商店街に影響を及ぼす可能性もあり、駅前の将来像は描けないのが現状だ。同ビルは０５年５月に核テナントの三越倉敷店が撤退。市や地権者などで構成する同ビル対策会議は一括転貸を打ち出し、天満屋を第一交渉先とした。だが、専門店街も相次いで閉店し空きビル状態となる中、同会議による地権者の合意形成は難航。いまだに地権者７８人のうち、地下１階に約２８平方㍍を持つ一人から同意を得られていない。店舗部分にロープを張り「備品持ち出しや解体工事があれば、器物破損の被害届を出す」と張り紙で警告する地権者も出てきた。市の目指した今秋出店が達成できなかったことが背景のようだ。天満屋は合意が得られた段階で本契約を結び、来春の開店を目指す方針。最終段階で足並みがそろわない状況に、交渉に当たる同ビル管理組合法人側は「一括転貸は組合で議決しており、未合意の地権者には協力をお願いしたい。張り紙をしている地権者とは一括転貸の契約をしている」とし、法的手段も視野に強い姿勢を見せるが、難航を示唆する関係者もいる。東ビルの行方とともに注目されるのが、天満屋倉敷店の今後。１９３４年にオープンし、６４年に別の百貨店から営業を引き継ぐ形で、現店舗に移った。売場面積は地下１階、地上６階の約１万４００平方㍍で、敷地面積は約３千平方㍍。年間売り上げは約７５億円。天満屋は東ビル出店後の同店ついて「白紙の状態だが、市街地活性化に役立つ施設にしたい」とするが、駅前商店街の集客施設だけに「人の流れが変わってしまう」と懸念する声が聞かれる。同店が位置する倉敷センター街商店街振興組合の大倉正廣振興組合理事長は「跡地がどういう形になるにせよ、１～３階部分には店舗が入ってほしい。若者向けの店が入れば、商店街を通る人も増える」と話す。また、別の商店主は「駅から美観地区に向かう観光客を、商店街に歩かせる施策がいる」など行政の取り組みを求めている。