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2007年11月6日

 松井秀喜選手の遅刻癖は、ヤンキースでも直らないらしい。小紙の番記者によると、松井とは逆に、球場一番乗りを続けたのは、ボスのトーリ監督

ボスは、正選手重視を貫いた。日本ではチーム一丸の「全員野球」が好まれるが、トーリ監督はめったに選手起用をいじらない。だから、不調の時でも正選手は信頼を寄せたが、出番の少ない控えからは不満が漏れたという

信頼できる少数の実力者を重視するか、大勢に目配りして和を重んじるか。指導者もいろいろである。共通するのは、誇りの高さ。世界一を逃した監督は、再契約の条件を不満として退団した

民主党の小沢代表の突然の辞意表明とそれに伴う混乱で、あらためて引き際の難しさを思う。野球と政治の世界は異質だが、指導者でなければ分からぬ苦悩や決断はあるに違いない

松井のもう一人のボス、星稜高の山下総監督がキャンプを視察した折、小紙記者が戯れに尋ねた。「一人連れて帰れるとしたら誰を選びますか」「決まっとる。背番号6や」。背番号6のトーリ監督は来季、新チームで松井と敵味方に分かれる。それ以上に耳目を集める豪腕党首の去就である。


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