2007年 8月 1日 (水) 

       

■  盛岡市保存建造物「浜藤私邸」取り壊しへ

 盛岡市環境審議会自然歴史環境部会(会長・小川惇県建築士会会長)は31日、盛岡市のプラザおでってで開かれ、同市仙北1丁目の市保存建造物「浜藤私邸」の指定廃止を決めた。浜藤私邸は昨年2月に破産した元の所有者の岩手川の管財人から仙台市の不動産業ホットハウスが取得し、土地の活用を計画している。同審議会は建築的価値を踏まえて移築保存には適さないと判断した。市が指定解除を公告後、9月下旬から解体工事に入る。

     
  保存建造物指定解除が決まった浜藤私邸  
 
保存建造物指定解除が決まった浜藤私邸
 
  浜藤私邸の指定廃止は学識経験者らで構成される同部会に盛岡市が諮問し、廃止の結論で答申された。解体後は所有者が土地を活用し、県道の拡幅計画があることから、景観への配慮を求める意見があった。

  盛岡まち並み塾(村井軍一代表世話人)は同日、浜藤私邸の背後にある江戸期の土蔵2棟を解体して譲り受けることでホットハウス側と合意したことを明らかにした。同塾は市民に寄付を募って解体費用をねん出し、土蔵を解体して鉈屋町の岩手川跡地に移す。

  解体費用は2棟で500万円以下を見込み、部材の原形を守るための手壊し解体にかかる割増分を同塾が負担する。同塾はこのために市民からの支援基金を創設した。解体後の部材は鉈屋町にある岩手川跡地のユニバース所有地の中で市取得が見込まれる場所に移し、保存する。

  ホットハウスは岩手川の建物の譲渡先を公募していたが、盛岡まち並み塾は浜藤私邸については断念し、土蔵2棟の解体保存で合意した。盛岡まち並み塾事務局の渡辺敏男氏(日本建築家協会東北支部岩手地域会会長)は浜藤私邸について建築的に調査した結果、「昭和30年代の材料で改修され、施工の質が悪く、維持管理が悪かった」などと話し、解体やむなしとした。

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