全ての曲に当てはまるわけではないですが、多くのJ-POPで使えるテクニックについてです(テクニックとまでは言えないかもですけど・・・(´ヮ`;
Bメロからサビにつながる直前の部分(多くは1~2小節くらいです)。メロディーはサビへのつなぎなのでそうでもないのですが、オケ部分に関してはサビに向けての場面転換前の一波乱といった感じで、派手なブラスやストリングスやドラムフィルインなどなど、見せ場のひとつになっている場合がとても多いです。
このシーンを無為に過ごすのはすごく勿体ないです!アニメのOPなどを参考に見てみましょう、派手なアクションや印象に残るシーン(登場キャラが見得を切ったり技を披露したり変身したり(笑))が入れられていることが多いと思います。魅せる音に合わせて、素早いカット切り替えや複雑な動き、対比効果の大きなシーン等、演出も頑張って有効に使いましょう(´ヮ`
というわけで、
ALcotさんのFairChildデモムービーを題材に、いっちょ前にメイキングとかをやってみようと思います(´ヮ` とは言ったものの難しいことやっていないので本気で書くことがない・・・(TヮT まあ雰囲気が伝われば(笑。
私の場合、ムービーの絵素材は背景等を含めて、ほぼALcotさんから提供されたゲーム用のリソースしか使っていません。自分で描くの面倒(´¬` というのもありますけど、ムービーの中で統一感を出したいというのも大きいです。今回自分でゼロから作ったのは・・・後奏部分の背景くらいかも(´ヮ`;
ネタバラシ的なとこでは、前奏の雲間抜けるシーンの雲は青空の背景CGから雲だけ抽出、恋鳥紹介シーン前の満天の星空はTriptychのイベントCGから色を調整、随所のレンズフレアはイベントCGで使われているものの使いまわしetc。手抜きじゃないですよ・・・!!本業の傍らで作っているので、まとまった作業時間が週末くらいしかないのです(涙。
いきなりサビ最後の恋鳥の見せ場のシーンです(´ヮ`
販促用なので印刷を考慮して描かれているので、デカいです。このままじゃ使えません!Photoshopで開くのに1分以上かかりました○rz 縮小して、エフェクトレイヤーや背景を外し、キャラのみを統合して素材とします。
AfterEffectsに取り込みます。スクロールさせるために別途準備した横長背景CGと、遠景用・近景用のキャラCGを用意します。それぞれのレイヤーについて、トランスフォームの位置とスケールを
イイカンジに動いてくれるまで気合でいじります。もう少し上手くすればまだなめらかで自然に動いてくれそうですけど・・・でも雰囲気が良ければそれでいいんです(´ヮ` テキトーバンザイ。
それにしてもAfterEffectsを使っていると、マルチモニタにしたくなりますね(T¬T
先ほどのコンポジションをメインのコンポジションに取り込み、ちょっと回転して傾けて雰囲気を出します。さらに光やレンズフレアCGのレイヤーを加算モードで入れたり、カモメを一瞬飛ばしたりして出来上がりです。このシーンの調整だけで丸一日近くかかってたりします・・・しんどすぎっ!アニメーターさんとかってやっぱり偉大ですね(TヮT
(画像の著作権は
ALcotさんにありますので転載禁止ですっ)
なんだかえらくカウンタが回っててびっくりです!どこかで紹介されたのかな?(´ヮ`; 読んでもらえることは嬉しいのでちょこちょこ更新を心がけよう・・・気が向いたらですけどっ(笑。
というわけで、ムービー出だしの部分はすごく大事!というお話です。
見せ場とまでは言わなくても「おっ?」と思ってくれる程度の演出を持ってくるのがベスト。OPムービーというよりデモ(プロモーション)ムービーとしての考え方ですねっ(汗。トータルのバランスを考えている製作者側としては、あまり好きな考え方ではないのですが、やっぱり見てもらってなんぼなのです。いきなり停止ボタン押されても悲しいですし(TヮT
最近(近年と言うべき?)はJ-POP等の曲もサビから始まるパターンがすごく多いです。曲のノリが良くなるからというのもありますけど、キャッチーな曲作りという商業的な面から見ても、この構成はすごくマッチしているのかもしれません(´ヮ`
さてさて、前章まででとりあえずわたしの書きたかったことはほとんど書いちゃいました。OPムービーの作り方というよりも、映像の構成や演出の基本みたいな話になっちゃいましたけど(´ヮ`;あんまりここら辺の話って話題になっていない気がしていたので。
もちろんわたしは自分のムービーは、これらが完璧に出来ているとは思っていないですし、これらが絶対でも全てでもありません。でも目標というか理想みたいなのは常にあって、それに近づくために基礎を知っておくことは大事だと思うんです。
(ちなみにわたしは、昔季刊で出ていたMT(マンガテクニック)という雑誌に載っていたマンガの構成・演出に関する連載講座にすごく影響を受けています。デッサン講座の方はまとめた本が出ていたのに、こっちは出ませんでした・・・(TヮT)
さて、ムービー講座と言えばAfterEffectsの使い方!みたいな気もしますが、はっきり言って全然高度な使い方をしていないので、ここに書いてもしょうがないかなみたいな; きっと探せば色々基本から難しいことまで教えてくれるページが見つかると思います。(
ayato@webさんとかすごくお勧めです。
まあそれだけというのも何なので(´ヮ`;とりあえず知っていると便利かもしれない機能などなど。
コンポジションの入れ子
コンポジションの中で別コンポジションを素材として使います。例えば複雑な動作をさせた画面をさらにスクロールさせたい、というときなどにすごく便利。
グローと加算モード
グローエフェクトとレイヤーの加算モードは、ギラリとさせたい時定番の機能です。使いすぎに注意・・・!
3Dレイヤー
使い方を覚えておくと色んな場面で便利。エフェクトの3Dだけではちょっと貧弱ですので。ばりばりにカメラを動かしたりとかは、わたしはしていないです;
トラックマット
1段上のレイヤーのオブジェクトをマスクに出来ます、超便利!フェアチャOPでも、流れ星や写真のギラリ、5人娘立分割で横スクロールなどなど、色々使っています。
ネタが尽きました!また思い出したら、色々記事を追加していきますね~ヽ(´ヮ`*
ちょっとしたメイキングみたいなのも載せてみようカナ。
4~5章のお話はとても分かりづらかったと思いますので、
具体的な例を挙げてみますね。例によってフェアチャイルドのムービーから、Aメロ最後からBメロに繋がる展開部分です(´ヮ`
1)悠姫は
ツンデレキャラなので、紹介において怒り顔は外せません(´¬`*
2)曲がBメロに備えて寂しいコードに変化・歌詞も「切なく」なので表情もそれっぽく、愛いやつめな印象付けもかねて(笑
3)4)5)Bメロ直前で一気に盛り上げます。夕焼けで感情度を上げ、路面電車の進むシーンから海辺のカメラを急速にアップ(ズームイン)させてさらに感情度を上げます。期待感を抱かせつつ光の中(白)へフェードアウト。お話としても、その後恋鳥の紹介シーンの夜の浜辺に繋げるため、時間と場所の変化を表現しています。
6)7)画面を一気に黒くして感情度クールダウン。黒から夜空にフェードインして、ゆっくりとズームアウト。Bメロの寂しく静かな感じに合わせています。
8)9)恋鳥の夜空を見上げたシーンに静かにクロスフェード。物憂げな表情から振り向き笑顔へ、ここで恋鳥の可愛らしさを強調します(´ヮ`* 表情変化で感情度を上げつつ、カメラもズームインでそれに便乗させます。
・・・と、こんな感じなのですが、実際にこんな細かいこと一々考えながらコンテ作っているかというと・・・やっぱり考えてるかな(´ヮ`;でも結構フィーリングです。あれです、自転車乗ってるとき
「次はカーブだ!体傾けなきゃ!」なんて考えてないのと同じかもです(わたしの尊敬する漫画家さんのコトバを引用(´ヮ`
(画像の著作権は
ALcotさんにありますので転載禁止ですっ)
4章でも少しお話しましたが、ロング(広角でカメラを引いた)ショットの大事さについて(´ヮ`
ムービーに限った話ではないのですが、登場キャラに焦点を当てているとどうしてもアップの構図が多くなってしまいます(特に静止画ムービーでは素材的にもなかなかロングが難しいです(TヮT
アップの構図が続くと、書き割りの前でお芝居をしているように見えてすごく窮屈です。
広々として雄大でゆったりとした感じを出すために、意識してロングショットを演出に取り入れましょう(´ヮ`*
例えば、空の広さを表現するにはアップよりもロングが効果的!(足元まで入ると理想的デス・・・)
また、ロングショットはある程度の尺を持たせた長いシーンにすることも大切です。せっかくの雄大なシーンなのに、すぐに切り替わると忙しないですしっ。
長尺のカットがあると、対比されて短いフラッシュバック的なカットも生きてきます。コンテの時点でバランス良く演出を考えることが大事です。
さて、OPムービーと言ってもわたしが作ったことあるのは、いわゆる静止画MADムービーとかと同じで、曲に合わせてキャラ絵が動く!というタイプのものです。だから使っている道具も多分一緒かな?全部Adobeです(´ヮ`
AfterEffects 6.0 Professional Edition
Photoshop CS2
Illustrator CS2
Audition(シェアウェアのGoldWaveとかでもOK)
こんだけです。と言っても揃えようと思うとかなりお金がかかっちゃいますね(TヮT でもプロの人が使っているものも基本は多分全く同じです。プロもアマチュアも同じ製作環境が揃えられるなんていい時代になりました(´ヮ`*
ちなみに3Dはわたしの技量や作業時間とかを考えて、全く使っていません。使えるとカッコ良さそうですけど;
完成までの基本的な作業の流れは以下のような感じです。
1)曲を何度も聴いてイメージを妄想!思いついたことをメモ
2)メモを元に、曲を小節単位に表にして演出コンテ作成(Excelを使っています)
3)Photoshopで、キャラや背景画像を下ごしらえ
4)Illustratorで、ロゴ関連を下ごしらえ
5)AfterEffectsに素材を取り込む
6)Auditionで波形から曲のタイミングを測り、コンテに沿ってAfterEffectsで動きをつける
やり方は色々あると思います。あくまで私の一番やりやすいと思っている方法です。
1)2)は作品作りにおいて一番大事な部分。それ以降は、それを組み上げるための作業でしかありません。頭の中ではコンテが完成した時点で、ムービーもほぼ完成している感じかな。もちろん細かな調整や試行錯誤はありますけどっ!
#コンテというのは、演出やタイミングを記した設計図のようなものです。映画やアニメや漫画ではおなじみのものですっ。
別にムービーに限らず、
「ストーリー」は全ての「作品」と呼ばれるものにおいてすごく大事な要素ですよね。代表的なJ-POPの曲(ギャルゲーOPしかり!)は、基本的に次のような形式を取っています。
イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ
(上記構成+サビが一番最初に入るパターンも多いですっ)
このような「起承転結」の場面展開になっていることを踏まえて、映像もそれに沿った流れでお話を考えます。イントロやAメロは始まりの雰囲気を大事に、Bメロは場面を大きく転換してサビへの期待感を持たせ、サビは一番の見せ場なので出しうる力の限りを使って盛り上げます。
印象に残る良い曲は場面展開がしっかりしていてストーリーの抑揚がついており、また歌詞も曲の展開に沿った内容になっています。だから映像は基本的に曲に合わせるだけで、その曲をより盛り上げることが出来ると思います(´ヮ`
(逆に、ラップや全編に渡るハードロックの曲とかを渡されると、わたしはどうムービーを組めばいいか分からなくなりそうです(TヮT
そして映像の展開を考えるにあたって大事なのが
「主題」と「見せ場」です。
え?最初から最後まで全部が見せ場?それはストーリーの作り方が多分間違ってますよっ(´ヮ`;ぜんざいを甘くするには塩を入れるのは有名な話ですよね。ツンデレは普段ツンツンしてるからたまにデレたときに萌えるんです!無口で無表情な子はたまにほんの一瞬笑顔を見せるから可愛いんです!
というわけで、ここは見せ場だ!というシーンを生かすには、何気ないシーン(意味の無いシーンではありません)もすごく大事なんです。
抑揚とバランスを忘れずにっ!
(特に静止画ムービーはアニメなどと違い、使える演出が限られておりマンネリしやすいので、抑揚をしっかりつけるよう意識する必要があります)
主題は、その映像作品を通して何を訴えたいのか。です。全体を通して一貫性がないと、何が言いたかったのかぼやけてしまいます。ギャルゲーOPムービーにおいては、登場キャラの「可愛さ」を訴えること、これに尽きるでしょう(笑。
(シリアス系でしたら、お話の伏線を暗喩を使って表現することを主題に置くのも良いですね(´ヮ`)
とかくムービーの初心者は、演出技巧を見せることが主題になりがちです。(ムービー慣れしてても、余裕がないとそうなりがちです○rz)それはあくまで主題のための演出補助であるべきであって、見せたいものの本質ではないはずです。(技巧にものすごく自信があれば別ですけど(´ヮ`;
全体を通してこれらのバランスを取るために大事なのが「コンテ」(演出の設計図)です。これを書くことは曲の構成を把握するためにも大事な作業です。
コンテにも色んな書き方があると思いますが、わたしはExcelを使って縦に小節を取り、演出内容をメモ程度に書き込んでいます(´ヮ` 全体を見渡すことによって、キャラの配分や抑揚の付け方が分かりやすくなります。
わたしがムービー作りで一番大事にしているコトは、見ている人が心地よくなってくれるように、
音楽と映像をシンクロさせることです。
わたしの手法は、基本的には曲に合わせて絵を切り替えているだけなので、いたって単純(´ヮ`; 派手で複雑な見栄えのするエフェクトは不得意なので、上手い人には全然敵わないですけど、曲とのシンクロだけは誰にも負けないぞ・・・!という意気込みで作っています(負け惜しみ!?
映像がすごくてもサウンドがすごくても、それぞれバラバラじゃ感動は薄まってしまいますよね。新海誠さんの作品が何であそこまでスゴイと感じるのかって、もちろん絵的な綺麗さもありますが、やっぱり映像と音楽のシンクロが素晴らしいからだと思うんです。
映像と音楽と合わせるために一番重要な要素は、何はともあれ
画面を切り替える「タイミング」です。場面転換を曲のテンポに合わせるのです。ちょっとだけ音楽知識が必要ですけど、勉強しましょうっ!
小節の始め・クラッシュシンバル
1234と音楽に合わせてリズムを取る1の部分。ここで変えなきゃ何処で変える!って部分です。特にAメロ・Bメロ・サビといった場面転換後の最初には必ずと言っていいほどクラッシュシンバルが入ります。ここは色んな演出を絡めてシーンが切り替わったことを主張すべきポイントです。
4分
1234のそれぞれのタイミングが4分です。↑以外で画面を切り替えるには一番安定したタイミングです。
メロディー
サビなどの印象的なメロディーでは、リズムではなくメロディー重視で切り替えてみましょう。アニメEVAのサビとかが有名(´¬`
ベル系パッドやブラスやオケヒット、ドラムフィルのタムなどの「魅せる音」「アタック音」
いわゆるオカズ的な音。編曲者の気持ちになって、魅せる音を見つけ出してそれに合わせるのもとても有効です。
タイミングはちょっとでもずれると見ている人は違和感を感じてしまいます。クロスフェードで柔らかく切り替える部分は良いのですが・・・。AfterEffectsでも音声ファイルの波形は見えますが、やはり不便です。AuditionやGoldWaveなどの波形編集ソフトを使って再生しながら1コマ単位でビシッとタイミングを決めましょう(´ヮ`*
さてさて、音楽と映像をシンクロさせるために大事な要素、そのひとつは「タイミング」。そしてもうひとつが「感情度」です。感情度って何だ?えーと、わたしが今考えました(´ヮ`; 簡単に言っちゃえば、その映像を見ている人の心の中の「盛り上がりと盛り下がり」です。心の抑揚は、見ている人を心地よくさせます。
一般的なJ-POPは「イントロ・Aメロ・Bメロ・サビ」といった起承転結パターンを大きな波として、細かく抑揚がついています。これに映像の「感情度」をシンクロさせることで、見ている人の感情を大きくコントロールすることが出来るのです。
感情度 : 低い← →高い
キャラの表情 : 平静・落ち着き | 微笑み・嬉しい | 切ない・哀しい | 笑い | 怒り・泣き
例えばこんな感じ。なんとなく分かりますよね?笑顔を見ているとこっちもなんだか楽しくなってきちゃいます。他にもいっぱいあります↓
感情度 : 低い← →高い
明度 : 黒 | 暗い | 明るい | 白
暗い曲調の部分では暗い画面を、明るい曲調の部分では明るい画面を・・・!
また画面のフェードイン・フェードアウトにおいて、白・黒どちらの色から入るか?どちらの色に抜けるか?も良く使います。白と黒は一番刺激の強い対比です。(この2色を点滅させるとてんかん起こしちゃったりします)
感情度 : 低い← →高い
彩度 : 無彩色 | 地味 | 鮮やか
明度と同じように使えます。
あと、白に抜けるときに同時に鮮やかさを増すと印象が強まって、おまけに眩い光に溶けるような表現になるので、デモムービー等では定番の演出です(笑。
感情度 : 低い← →高い
時間(空など) : 夜 | 朝 | 昼 | 夕方
曲調に合わせて時間変化を持たせる事も、良く使う表現手法ですネ(´ヮ`
感情度 : 低い← →高い
カメラ:ロング(広角・カメラ離れる)| アップ(望遠・カメラ寄る)
画面における対象の大きさです。カメラが寄っているか離れているか。
(話は逸れますが、漫画でも映像でも、慣れないうちは気を抜くとすぐにアップだらけの画面になってしまうので注意が必要!ゲームの静止画ムービーでは全身が使いにくいのでロングが難しいです、大抵風景シーンを使うことでお茶濁し(´ヮ`;
また画面切替だけでなく、ズームを使ってアニメーションすることで
・ロングからアップへ(ズームイン):感情の高まり、何かが起こる予感・期待感
・アップからロングへ(ズームアウト):感情のクールダウン、落ち着きを取り戻す
を表現することができます。
感情度 : 低い← →高い
速度:停止 | 遅い | 速い
画面の中で動いているものの速さです。対象のスピードだったり、カメラのスピードだったり。
これらの要素を上手く組み合わせて音楽と合わせることで、より感情度を大きく動かすことができます。具体的な例がないとわかりづらそう;今回は文字ばっかりで眠くなってきますネ・・・スミマセン(=ω=