紀元会信者集団暴行

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長野・小諸の信者集団暴行:「神様の水」うたう 治癒名目に信者集める

 ◇暴行現場隠ぺいか

 長野県小諸市で15日朝に始まった宗教法人「紀元会」の家宅捜索。本部施設で会合中に同居の家族を含む複数の信者から暴行を受け、奥野元子さん(63)が死亡した疑いが持たれている。教団は“神様の水”による治癒をうたい文句に信者を集めていたというが、県警は傷害致死容疑で教団関係者を逮捕する方針だ。家族による暴行現場の隠ぺい工作の疑いも浮上しており、捜査の行方が注目される。

 関係者によると、教団は群馬県富岡市から運んだとされる水を「紀元水」と称し「不治の病を治す」というふれこみで信者に配り、数万円単位でお布施を募っていた。

 教団本部近くの60代の主婦は「知り合いの信者ががんだったが、病院に行ってはいけない決まりがあるらしく、末期になるまで(教団の配る)水を飲まされたと聞いている」と証言。別の主婦は「施設裏の工場に給水車がやってきて、茶色や白のビンが運び出されているのを見かけた。いつかこういう事件が起こるのではないかと心配していた」と話していた。

 奥野さんも家族ぐるみで信者だった。近所の自営業の男性は奥野さんについて「関西方面から来た人で、教団幹部が連れてきたとも聞いた。しかし、近所づきあいがほとんどなく、よく分からない」と話していた。

 奥野さんは9月25日未明、病院で死亡が確認された。傷害容疑(その後、傷害致死容疑に切り替え)で逮捕された家族は「自宅で暴行した」と話し、家に争った跡もあったが、県警は教団内での事件だったとみており、教団との関係を隠すための偽装だった可能性もあるとみている。

 家宅捜索は午前6時過ぎに開始。車両が到着して捜査員約120人が施設内に入り、敷地外で信者らしき人たちが不安そうに様子を見守った。一方、小諸署には任意同行を求められた教団関係者たちがマイクロバスで到着。うつむき加減で捜査員に署内に入るよう促されていた。

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 ◇宗教団体が絡んだ主な事件◇

95年 3月 オウム真理教による地下鉄サリン事件

95年 7月 福島県須賀川市に男女6人の腐乱遺体。動物の悪霊を払う「御用」と称して殺害したとして、祈とう師の女と信者3人を殺人容疑で逮捕

99年11月 千葉県成田市のホテルで、自己啓発セミナー開催団体「ライフスペース」メンバー男性のミイラ化遺体発見。00年2月、団体元代表ら10人を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕

00年 1月 宮崎市「加江田塾」ミイラ事件。男児を祈とうで治すとしたまま放置、死亡させたとして、2月に塾代表ら2人を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕

00年 5月 「足裏診断」で信者から現金をだまし取ったとして、「法の華三法行」の元代表らを詐欺容疑で逮捕

00年 8月 大阪府泉南市で姉弟5人の遺体発見。「神のお告げ」などとして医師に診せなかったとして、10月に母親と伯父を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕。「心神喪失だった」と後に不起訴処分

03年 8月 白装束集団「パナウェーブ研究所」の福井市の施設内で男性死亡。12月にメンバー5人を傷害容疑で逮捕

06年11月 北九州市・小倉北区のマンションで男女3人の遺体発見。「死者を蘇生できる」と語る祈とう師と信仰していた部屋の女性を別の死体遺棄容疑などで書類送検

07年 5月 韓国や日本で女性信者に性的暴行したとして、強姦(ごうかん)容疑で国際手配された新興宗教団体「摂理」の教祖を中国で逮捕

毎日新聞 2007年10月15日 東京夕刊

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