3月26日 山本勘助役 内野聖陽
平常心では見られない・・・
毎週、日曜日の午後8時、僕もリアルタイムで「風林火山」を見ています。今、全国でいろんな人たちがこの放送を見ているんだな、アジア、ヨーロッパやアメリカの日本チャンネルで見る人もいるのだなと、少しドキドキしながらの45分間です。
ただ事前に、その週に放送する完パケ(完成したビデオ)は見ています。これが実は大変!ついつい1回目は集中して見てしまうし、現場の記憶が自動的に甦ってきてしまう。ああ、このカット大変だったな、たった3秒のシーンに4時間かけたんだよねとか、そういうことが簡単に思い出せてしまう。
そんな具合だから『どうでした? いけてました?』なんて、周りのスタッフに聞いてしまったり。はっきり言って冷静には見られません。毎週、同じ思いを味わいつつも、先に完パケを見ていることで、放送でやっと少し冷静に見られる自分がいる感じです。
「風林火山」の収録が始まったのは去年の8月。もう8か月もたったとは思えないほど、“あっという間”でした。瞬間、瞬間が真剣勝負だから、密度の濃い“あっという間”だったとも言えます。
現在、スタジオでは6月ごろ放送するところまで収録が進んでいます。ふと気づくと『え、もうそろそろ折り返し地点じゃないか』『早すぎるね、おい』なんて、あわてたり。
きっと最後まで、いろんな思いが錯そうして進んでいくのかなと思います。“大河三昧”では、そんな収録中の出来事や、僕が勘助について考えていることなどを、皆さんにお届けしていこうと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。
3月18日 制作統括 若泉久朗チーフプロデューサー
スタ−トにあたって
「風林火山」の放送を毎週お楽しみいただいているでしょうか? おかげ様で私のもとに『待ってました!本格時代劇』『内野勘助から目が離せません!』『テレビの前に家族全員で正座。一週間が待ち遠しいです』といった反響が全国から届いています。
出演者、スタッフ一同、勇気をいただいてます。ますます頑張ります。どうぞクライマックスの「川中島決戦」までご声援よろしくお願いいたします。
さて、これからこのコ−ナ−では「風林火山」日記を内野聖陽さん、市川亀治郎さん、Gackt(ガクト)さん、そしてスタッフが綴ってまいります。初めとして今回はプロデュ−サ−の最近の仕事について書きます。
なんと言っても大切なのが脚本作りです。脚本はすべての源だからです。大森寿美男さんと取材や歴史の勉強を始めたのは一昨年の夏でした。半年間、構想を練って執筆開始、大森さんは全49話の完走めざして格闘しています。大森さんは私が一番信頼している、いま一番力のある作家です。
「風林火山」は原作が短いために、次の回はどうするか、毎回大変になります。大まかな方向を打ち合わせして、判らない部分は文献史料にあたり、大森さんがスト−リ−をひねり出すまでが勝負。もちろん歴史事実に反することはどんなに面白いことを考えついてもNGです。こうした難産を毎回続けて、もう1年半近く! 濃密な人間ドラマを、わくわくドキドキするスト−リ−を、毎回ハイレベルで生み出す大森さんの才能とエネルギ−には本当に脱帽です。
今月は音楽収録もありました。作曲は千住明さん。圧倒的なテ−マ曲、勇壮かつ哀愁をおびた劇中曲に、たくさんの反響をいただいています。収録はいままでに、NHK交響楽団によるテ−マ曲収録、ポ−ランドでのワルシャワ・フィルハ−モニ−管弦楽団による劇中音楽収録などを行ってきました。今回はNHKのスタジオで上杉謙信のテ−マなどを中心にした収録です。千住メロディ−は相変わらず絶好調。千住さんはこれで100曲近く作曲したことになります。
各地でのイベントもこのところ増えています。3月11日には甲府市で『女性たちの風林火山』と題して、柴本幸さん、風吹ジュンさん、千住明さん、番組スタッフによるト−クショ−を開催しました。大盛況のなか、イベントは大成功、そして皆さんの期待をひしひしと感じました。
「風林火山」はますます疾走します!